信長ってこんな感じなんだ
大筋以外全部捏造
何気にここまで遠出したのは初めてだな。
普段はお屋敷から出ないし。
しかもここは尾張である。
ウチの管轄外である。
三郎殿がいきなり襲ってきたらどうすんだろ。
流石におじいちゃんいるし大丈夫か、多分。
こういうのって歴史詳しい人なら知ってんのかな。
こういう会見的なのは残らないのか?
「着いたぞ」
でけー寺。
聖徳寺っていうらしい。
「…三郎殿はまだのようですね」
もう怖いよ~。
帰りた~い。
父上~。
「大事ないですか、若」
「うわっ」
なんだ治兵衛か。
どこか緊張しているようである。
「彦丸は?」
「あの阿呆は後ろのほうで休んでおります」
えっ、大丈夫?
パッとそちらを見ると彦丸はぐったりしていた。
長旅で疲れてしまったのだろうか。
「大丈夫?」
「だっだいじょ」
だいじょばないね。
「フン」
治兵衛が馬鹿にするように鼻を鳴らした。
良くないよ。
その時遠くから馬の足音がした。
それもたくさんの。
「…来たか」
殿が楽しそうに笑う。
どういう精神?
この現状を楽しみすぎだろ。
おそらく織田の列であろうものが見えてきた。
その先頭にいる男が織田三郎信長だろう。
…
あんな軍勢で来るかな?
えっ殺されない?
大丈夫?
「若、下がっていたほうが」
おぉ、彦丸が復活している。
三郎殿がどんどん近づいてくる。
…意外と男前だな。
目元も綺麗な感じで。
「…斎藤山城守道三殿にございますか」
馬から降りて来た三郎殿が殿に聞く。
意外と優しそうな声である。
「如何にも」
ニヤニヤした殿が答える。
「遅れた無礼をお許しください」
「構わん。中に入ろうではないか」
ふと三郎殿がこっちを見てきた。
え?
なに?
三郎殿がニヤッと笑う。
「こちらのお子は?」
「うちの孫の喜太郎だ。喜太郎、挨拶せい」
こっちに興味示してくるタイプだ。
「斎藤新九郎利尚が嫡男、喜太郎にございます」
「織田三郎信長じゃ」
えぇ知ってますとも。
唯一知っていましたとも。
…
というわけで。
最初は一緒に話していた俺。
だけど途中で「二人で話したい」みたいなことを殿が言いはじめまして。
治兵衛と彦丸と三人で寺の境内でダラダラしています。
「しかし尾張のうつけと呼ばれるような男には見えませぬ」
ぽつりと治兵衛が口を開く。
「確かに~」
意外としっかりみたいなタイプだったね。
なんかもっとオラァみたいな感じかと。
「しかしなぜこんなに兵を連れてきたのでしょう?」
それはそう。
「そんなこともわからんのか、彦丸」
「なんだと治兵衛」
お、治兵衛。
それは俺にも刺さる。
「…大方自分の家の強さを殿に見せつけるのが目的だろう」
…なるほど。
「それだけではない」
そうなの?
「山城守殿による罠ではないかと疑ってな」
はえ~。
さすが信長。
…
ん?
「幼子にしてはよう回る頭じゃ」
…
サブロウドノジャアリマセンカ。




