いいんですか!?
主人公視点
「半兵衛の策は当たると思うか?」
俺は目の前にいる久作を見つめながら聞いてみた。
目の前の彼は少しうなった後、俺の顔を見つめながら言う。
「当たると……思いますが」
「誠か」
「……はい」
「……」
五分五分かな。
目泳ぎまくっているし。
そんな俺の心情を察したのか、
「あの兄上が負けるとは思えませぬ」
「ただ私は戦に出たことが皆様方ほどないので、その……なんとも」
そうだった。
久作は俺のお付きの人って感じだから、あんまり前線出たことないんだよね。
俺が前線出ないからね、そもそも。
そこは本当に申し訳ない。
「殿はどうお考えなのですか」
「私か?」
久作がお茶を注ぎながら聞く。
どう考えているか……うーん難しい。
勿論、半兵衛の力は信じている。
現に彼は大殿との戦いの際、敵として父上の軍に甚大なダメージを与えている。
間違いなくこの一色家きっての切れ者になるだろう。
「私は心配性なのか……いつまで経っても心配が抜けなくて」
「そこが殿の良いところではありませぬか」
「うーん、そうなんだけどね……うん」
みんなそう言ってくれるけど、単に現代の感覚がまだ抜けないだけでもある。
勿論この人生の波乱万丈さによるものもあるが。
この時代において俺の人生は波乱万丈な方なのかも分からないけどね。
恐ろしや、戦国時代。
「戦が始まってどれくらいだ」
「二刻ほどでしょうか。だいぶ経ちましたね」
半兵衛たちと信長の兵がぶつかったという報せを受けたのは少し前だった。
それ以来連絡を待ち続けているが、音沙汰がない。
忙しいだけならいいけど。
腰が痛くなって立ち上がろうとしたその時、部屋に人が転がり込んできた。
「うおっ」
転がり込んできたのはまたしても伊予守だった。
その顔は赤く染まっている。
肩でぜぇぜぇ息を吐く伊予守。
歳も歳だから無理しないで。
「と、殿!殿ぉー!」
「な、なに。なんですか」
「殿!!」
「聞いてるよ!!」
この人は耳も遠くなったのか?
「一大事にございます!只今新加納の本陣より報せが!」
「報せはなんと」
「そ、それが……」
言いよどむように下を向く伊予守。
お、なんだ?
まずい感じか?
と思ったその時、伊予守が顔を上げて口を開いた。
「わが軍の勝利にございます!」
「……エッ!!」
勝ったんですか!?
何だったんですか伊予守の含みは。




