もしかしての留守番
「先陣は牧村殿に切ってもらいたい。お願い出来ますか」
「承知しました!」
現在、半兵衛による軍の編成が行われている。
今回の戦は数では負けてるし、ここら辺が重要らしい。
牧村殿はうちの家臣の中の一人で、稲葉伊予守の親戚らしい。
あんまり見ない顔だから多分普段は城の外に勤めているのかな。
「第二陣はどうする、竹中殿」
陣図を横から覗き込みながら隼人佐が言う。
半兵衛若いけど一応竹中家の当主だからね。
皆も一応敬意は持って接してくれる。
「……備中守殿、よろしいか」
「某が?」
半兵衛は頷きながら陣図を指す。
「今回私が考えた策を覚えておられますか」
「覚えておるが……」
そう今回の戦、半兵衛が考えてくれた作戦があるのだ。
「策においてこの陣は戦の要となります。だからこそ備中守殿にお願いしたいのです」
延永は少し考えた後、深く頷いた。
「分かった。弥次右衛門と共に打って出よう」
「では手順通りに」
うーん。
なかなかうまくやっているじゃないか。
この前まで皆がついてくるか不安です……みたいなこと言ってたけど。
全然大丈夫じゃん。
「第三陣には隼人佐殿」
「承知した」
隼人佐が行くの?
そういうタイプには見えないな。
前の戦も出陣してなかったし。
「戦の勝敗は兵の士気にかかっておりまする。殿の叔父上にあたられる隼人佐殿が適役かと」
なるほどね~
……ん?
「今回、私はいかないのか」
前回の森部も無理だったけど。
もしかして今回も置いてきぼりですか。
俺一回も戦ちゃんと出てない。
いや正確には前回出てんだけど。
「当たり前です」
半兵衛ェ……
「前の戦と違い、この戦では兵力において遅れをとっております」
「殿がご出陣するのは危のうございます」
何だこの男。
全然城から出してくれん。
そんなに人を戦に出させたくないのか。
……もしかして役に立たないからですか!?
確かに俺、武芸あんまりできないけどさ。
小さい頃から苦手だったけど、そんなにじゃないよ?
人よりちょっとできないだけ。本当にちょっと。
隼人佐が頭を下げる。
「某にお任せを」
お任せを、じゃねぇよ。




