信長は知ってるよ、流石に
捏造が若干入ります。
あれから一年が経ちました。
もう結構仲良しですよ、ちなみに。
相変わらず治兵衛はクールだし、将棋も上手い。
俺もだいぶ頑張ったけどまだ一回も勝ててない。
これぞ才能って感じである。
彦丸はお察しの通り、元気いっぱいである。
声もでかいし、背もどんどんデカくなっている。
「聞いておられますか、若」
「聞いてるってば」
うちの教育係、長井衛安先生である。
もともと二人は別の教育係の下で勉強していたらしい。
しかしちょっと前から三人でいっしょに授業を受けさせてもらってる。
嫡男パワーである。
「…本当ですか」
「ホントだよ、先生」
今のところ武士の常識しか習ってないけど、現代と違うことが多すぎてついていけない。
なんだよ諱って。
絶対間違えて呼んじゃいそう。
後ここで初めて父上の名前を知りました。
斎藤新九郎利尚だって。
おじいちゃんは斎藤山城守入道道三だって。
…
誰!?
びっくりするくらい誰って感じ。
いやこれホント、俺がいけないのかな?
俺が知らな過ぎなのか?
くそ、もっとちゃんと日本史の授業受けとけばよかった…。
「少しいいか」
おっとここで父上登場である。
「若殿」
俺以外の三人が手を床につけて頭を下げる。
俺も下げようとしたら
「喜太郎、少し話がある」
「私に…?」
どうやら大事そうな話である。
また愚痴かと思ってました、スミマセン。
「では、私たちは控えております」
「いや…三人も聞いておけ」
えなになに、怖い。
そんなガチでいくの?
「喜太郎、帰蝶のことを覚えておるか」
「帰蝶サン…?」
分からない。
会ったことがある人なのか?
だとしたらめちゃくちゃ失礼になっちゃうけど。
「無理ものうございます。若が鷺山殿に最後にあったのは一つの時にございますよ」
じゃあ仕方ないね。
「帰蝶は尾張に嫁いだ私の妹だ」
「ということは私の叔母ということですか?」
し、知らねえ~。
父上弟とか妹とか多すぎなんだよな。
「あれからもう四年にございますか」
治兵衛がしみじみしている。
「治兵衛会ったことあんの?」
「はい、一度だけ」
「自分もございます!」
へえ~。
俺以外みんな会ってるのか。
「どんな人?」
「素晴らしいお方にございますよ!」
ちょっと彦丸やかましい。
「殿に似て、非常に聡明で肝の座ったお方です」
「まぁそうでもないと、あのうつけには嫁げませんよ」
うつけ?
「先生、うつけって?」
「知らないのですか、尾張の大うつけ」
知らんよ。
俺、歴史できないもん。
「織田三郎信長殿にございますよ」
…
…
ん?
「今なんて?」
「いやだから、織田三郎信長殿にございます」
…
聞いたことが、ある…!
やった、ようやく知っている名前の人が!
もう今まで誰も知らなかったから!
しかし…!
何をやった人か全く分からない…!
いちごパンツで本能寺しか分からない…!
この語呂もどういう意味か分からんし。
くそ、なんでこんなに歴史ができないんだ。
前世の俺が悪いのか…。
待って。
「つまり私はのぶ…じゃなかった。三郎殿の甥っ子なのですか」
「まぁ義理のな」
父上が難しそうな顔をする。
まぁそうか。
言うても父上も半分しか繋がっていないしな。
「三郎殿がどうかしたんですか?」
「あぁ」
ここで本題である。
「尾張は先代、備後守信秀殿が亡くなられてから嫡男である三郎殿が後を継いだ。ここまではいいか?」
「はい」
「しかし三郎殿は先ほど申した通り、うつけ者だ」
「そのうつけを認めない者たちが尾張には溢れかえっているということよ」
なるほどね。
そのつまり…あの…なるほどね。
「近々尾張で何かがおこると…?」
そうつまりそういうこと。
流石治兵衛、気づくのが早い。
「父上はその前に三郎殿と会って話がしたいとの仰せだ」
「なんと!」
「ひと月後に尾張の寺で会見を行うそうだ」
「それは如何なものか…」
え、なになに。
なんでみんなそんなに信じられない…!みたいな感じなの?
ぽかんとしていると治兵衛が
「そのような状態の尾張に殿自ら…?」
と言っていた。
確かにおじいちゃん結構偉い感じなのに自ら行っちゃうんだね。
まぁあの人なら大丈夫でしょ。
強そうだし。
「そこでだ、喜太郎」
ん?
「お前もそれに同行しろ」
え?
…
「え?」
次回は本筋以外は捏造です




