表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
39/49

開戦直前


父上が死んで八日目の朝。

尾張織田家の軍千五百と美濃一色家の軍六千が長良川に集った。


とうとう始まってしまった。気が重い。

もうここまで来たら戦うしかない。

仕方ない…ってことにしよう。そうしないと到底納得できない。


それにしても意外と…んー、まぁ…意外と?兵は集まった。

最初隼人佐に五千しか集まらないと聞いたときは終わった!って思った。

まぁ集まったって言っても六千だけどね!

千人も増えたからいいでしょう!ね!


「殿!」


「あれ、六郎」


六郎がニコニコ笑いながら駆け寄ってきた。

六郎とは父上の死後あまり会う機会がなかった。

戦に出たものと思ってたのに。


「戦には出ないのか」


「この戦では殿のお側にお仕えし、殿をお守りいたします!」


留守番か。お仲間だね。


「ありがとう。それで状況はどうなっている?」


「まだ織田軍の動きが見えませぬ。兵の数ではこちらが上ですが、油断は禁物かと」


「うーん…上総介殿は何を狙っているのか」


頭をひねっている俺をじーっと六郎が見て来るので、


「なんだ?」


と聞いた。


「いえ、大したことではないのですが」


「気になるな」


そんなに言わないと逆に。

六郎が口に出すのをやめるってよっぽどだぞ。

しばらくうーんと唸ったあと、六郎はしぶしぶといった具合で口を開いた。


「織田は敵方です」


「ん?うん」


「敵方の当主に殿が敬意を払う必要などありませぬ」


敬意?

もしかして上総介殿の呼び方のことか?


「やはり殿付けは駄目だったか」


「いえ、駄目というわけではないのです」


六郎が慌てて訂正する。

じゃあなんだ?


「ただ我ら家臣といたしては信長と呼んでしまうので…」


あぁなるほど。

上の人間が敬称付けてんのに自分たちは適当に呼ぶのは気が引けるか。


「信長…」


「別に無理に変える必要は…」


「いや変える」


家臣の皆の話もそうだし、何よりこうしないと一生決意もつかなそう。

なんか一回会っちゃうと敵だ!!って思えないんだよね。

おじいちゃんの時もそうだったし。

この感覚そろそろ抜かないと。


「と、殿!大変です!」


その時日比野家の家臣の一人が駆け込んできた。

汗だくだったが、何よりその顔は焦りが隠せていなかった。

彼が口を開く前から何故か嫌な予感がした。

頭の奥底がじわじわ蝕まれるように。


「織田軍が三ヵ所から我が軍に侵攻。足立六兵衛殿、お討ち死に!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ