出陣パーティーを決めよう
「この戦、某に任せてはいただけませぬか」
そう言ったのは日比野下野守。
昔から斎藤家…一色家に尽くしてくれている宿老の一人だ。
酒に酔った時のふにゃふにゃ具合はどこに行ったのか、かなり強気そうである。
急にやる気出してどうしたんだろう。
「別に構わないが…何かあるのか?」
「新たに殿が美濃の主となられて時が経っておりませぬ。それ故に宿老である某が戦場に出ることで少しでも兵を集めることができるのではないかと、この清実考えまして」
なるほど。
結構偉い人がわざわざ現場に出向くことによって士気を上げようっていう作戦ね。
確かにそれは効きそう。
でもそれならと俺は考え、口を開いた。
「じゃあ私が出てったほうが…」
「若…殿は駄目です」
良かれと思ってそんな提案をしてみたら、部屋の隅にいた半兵衛に瞬殺された。
早すぎるよ、否定が。
俺もう元服してるし、いいじゃない。
半兵衛って地味に昔から俺の外出に厳しいよね。
そんな目で睨んだら、はぁ…と溜息をついた半兵衛が寄ってきた。
「隼人佐殿や下野守殿がおっしゃっていたでしょう。今の美濃は安定しているとはとても言えません。そんな中で殿に何かあったらどうなりましょうか。大混乱…では済みませぬぞ」
「……ハイ」
まぁそうね…
そうよね…
「という訳でこの日比野清実、美濃のため…必ずや勝ち戦にして見せまする」
「……頑張って」
また留守番か~
いや、戦は嫌ですよ。絶対に出たくないですよ、戦なんて。
でも当主になったからには皆に任せきりもなんか申し訳ないし、気まずいし。
それに俺基本的にずっと仲間外れだから。仕方ないけどね!
「…殿、下野守殿の他にどなたを付けますか」
ここまで黙って聞いてた隼人佐が口を開いた。
確かに下野守一人じゃキツイか。
誰がいいかな。
悩んでたら急に常陸介が急に立ち上がって叫んだ。
「殿!その役目、この氏家直元に…」
「常陸介殿はやめておきましょう」
「下野守殿?」
冷静だな下野守は。
確かに常陸介は猪突猛進タイプっぽいし、意外と冷静な下野守とは合わないかも。
「…殿、私ではその役目務まりませぬか?」
ここで名乗りを挙げたのは長井甲斐守衛安…通称・長井先生。
ちょっと意外だな。
長井先生パワータイプじゃなさそうだし。
「いけるのか?」
「はっ、必ずや殿を守ってみせまする」
頼もしい。
流石先生、こういうところができる男たる所以なんだろうな。
「じゃあ二人とも、くれぐれも頼んだ」
「はっ」
下野守は深々と、長井先生はゆっくりと頭を下げた。




