フクザツな気持ちって感じですね、ホントに
そして雪も解け始めた春。
静けさが漂う城では全然感じないがどうやら戦が始まったようだ。
俺は安全な城の中で家臣の人が持ってくる情報を聞くだけだけど。
落ち着かないな。
ちなみに今回の戦、人数的有利は父上である。
めちゃめちゃ権力握ってた大殿じゃないの?と思いましたよね、最初は。
乳母さんいわく、大殿…おじいちゃんは結構えげつないやり方で国のトップになったらしい。
めちゃめちゃ人殺してるらしい。
それにもともと不満を持っていた家臣の人たちが全員父上サイドについたってわけ。
俺の知り合いで言うと、岩手家以外は全員。
どんだけ恨み買ってんだよ。
「若!」
え!どうした!何!
「長屋甚右衛門殿、お討ち死に!」
だっ誰!?
誰ですか、その人は!?
「御免!」
御免じゃなくて!
さっきから知らない人がバタバタ死んでるよ。
外部と交流しなかった弊害出てるよ、父上!
「わ、わかぎみぃー!」
何?次は誰?
いや、知ってる人が死ぬのは嫌だけど!
知らな過ぎるよ!
「尾張の織田上総介殿が…大殿に援軍を出したようです」
え?
上総介殿が?
え、あの人なんか強い感じなんでしょ?
父上大丈夫?
あぁそういえば。
帰蝶さんか。
上総介にとってはお義父さんだもんね、大殿は。
でも父上だってお義兄さんじゃない。
よく分かんないな。
「今のところどんな感じですか?」
「誠を申しますと、お味方若干押されているようにございます」
うーん。
フクザツである。
もちろん父上には勝ってほしい。
けど、その相手が大殿だからな。
一回会っちゃうとダメだな。
どうしても敵!!って思えない。
そういうところがダメなんだと頭の中の上総介が言う。
うるさいなぁ、分かってるよ。
でもやっぱり根元が現代人ですから。
感覚がどうしても抜けないというか。
うーん。
フクザツだ。




