表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
16/49

面倒くさいおじいちゃん


「岩手半兵衛重虎にございます」


「桑原六郎直重にございます!」


時は流れ、父上が家督をついでから一年半である。

元服した二人が挨拶に来てくれた。

上から治兵衛、彦丸である。


「じゃあ、これからは半兵衛と六郎?」


「そうなります!」


なるほど。

治兵衛が半兵衛、彦丸は六郎、治兵衛が半兵衛、彦丸は六郎…



絶対いつか間違える。


「奉公は?もう始まったの?」


「いえ、明日から始まるようです」


二人とも心なしか顔つきがしっかりしてきたように見える。

うーんこれが大人か。


「若、これからはどうされるんですか?」


ん?


「これまでは我々と共に甲斐守殿、長井先生に教えを受けていたではありませんか」


「これからはお一人で?」


うっ、辞めてよ六郎。

それは俺に刺さる。


「そうだよ一人だよ何か悪いか」


「いえ、そんなことは…」


いいもん!長井先生に付きっきりで教えてもらうもん!


「若君」


お付きの人がふと声をかけてきた。


「どうしました?」


「…入道様がお見えです」


おじいちゃんが?


「入るぞ喜太郎」


楽しそうなおじいちゃんが顔を出す。

うわ嫌な予感するな。


ろくでもない事が起きそう。


「息災か」


「はい、入道様もお変わりなく」


チラッと横を見ると、じへ…じゃなかった半兵衛と六郎は深々と頭を下げていた。

まぁでしょうね。


俺の隣に大殿がおいしょっと腰を下す。

そして俺の顔をじーっと見てきた。


何々怖い。穴が空きそう。


「…やっぱりよう似ておる」


「……何ですか」


「いや」


なんだよ。

気になるじゃん。


「最近新九郎から嫌われていてのぅ」


父上から?

今更?

気づくの遅くないか。


「どうやら儂が政に口を出してくるのが気に食わないそうだ」


嫌われているの自覚した割には楽しそうだな。

ニヤニヤしている。怖い。


「どうすれば良いと思う?」


「…もう少し気を遣って差し上げれば良いのでは」


そんぐらいしかないだろ。


そしたら諸悪の根源はふむと行った後、こちらを見て不思議そうに


「なぜ儂が倅に気を遣わねばならないのだ」


とか言いやがった。

何だこの人。


思わず顔に出てしまった。

なんだその顔は…と言った後、おじいちゃんは急にごろんと寝転がった。


「入道殿?」


「うるさい」



ふとこちらを見ている気配がした。

半兵衛だった。

帰っていいですか?と顔が聞いてきた。


六郎は魂抜けたような顔をしていた。


確かにここに二人を引き留めるのは可哀想だ。


そう思って声をかけようとした瞬間。


「あ、あのぅ…」


お付きの人が顔を青くして声をかけてきた。

只事ではなさそうである。


「…大丈夫ですか?」


「私は大丈夫ですが…その…」




「殿が、御父上が…お見えです」



何たるバッドタイミング。


六郎というのは捏造です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ