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初対面じゃないけど知らない人たくさん


「若君、大きくなられましたな」


「当たり前であろうお主。もう数えで八つになられるのだぞ」


「アハハ…」


わからん。

急にこんな大人たくさんのところに放り込まれてどうしろと?


ここはおじいちゃん、つまり殿のお城。

この前父上に家督を譲ることが決まったので、今日はその前夜祭みたいなものらしい。


目の前でしゃべっているのは稲葉伊予守長通殿と日比野下野守清実殿。

二人は父上の部下らしい。

親戚ムーブかましているけど。


「しかし若君、それにしても大きくなられましたな」


「伊予守殿はそれしか言えないのか」


一回だけ赤ちゃんの時にあってるらしいんだけど全く覚えていない。

父上が俺をハブるから。


思い出したら悲しくなってきた。


「若、よろしいですか」


「治兵衛、どうした」


治兵衛が大人を連れている。

珍しい。


「お久しゅうございます、若君」


また会ったことあるけど覚えていない人だ。

申し訳ないな。


「我が父にございます」


「え?」


お父さん?

確かにどことなくキツめの顔が似ているような…


「岩手重元と申します」


困ったな。何て呼ぶのが正解なんだ?

岩手って呼んじゃうと将来治兵衛と被りそうだし…


そうやってアワアワしていると見かねたのか治兵衛パパが


「重元とお呼びください」


と言ってくれた。

流石治兵衛パパ、気が利く。


「殿!私もよろしいですか!」


「彦丸、声デカイよ」


バタバタうるさい彦丸の後ろから、ドシドシうるさい足音が聞こえてきた。


「桑原三河守直元にございます、若!」


…子が子なら親も親だな。


「前にお目にかかった時はこのように小さかったのに…」


みんなそれ言うね。

ていうか泣いてる?


「我が愚息が無礼な真似をしてはおりませぬか?」


「大丈夫だよ…こちらこそ世話になっています」


暑苦しいかも。


「喜太郎」


「父上」


ここで父上登場である。


「…これ程初めて顔を合わせた者が多いのか」


父上があたりをキョロキョロしながら言う。


「父上が皆に会わてくれないからではないですか」


「はは、そう拗ねるな」


拗ねてませんよ、別に。


「そうだ、お前に合わせたい者がいる」


またか、多いよ。

こんなに紹介されてもまた忘れちゃうよ。


すると父上のそばに控えていた男の人がスッと前に出てきた。


「長井隼人佐道利と申します」


はいはい隼人佐さんね。


「私の兄だ」


え?兄?



え?


「正確に言うと生まれてきた腹は違うがな」


母違いってこと?異母兄弟?


確かに殿に似ているような…でも父上にはあまり似ていないな。

母似なのかな父上。


「私はなんとお呼びすれば…」


だって家臣じゃな…え、家臣なのかな。

でも叔父さんでしょ?


「道利で構いませぬ」


いやいや。

諱は失礼だし。


「叔父上では駄目なのですか」


そうすると周りの大人がウーンみたいな顔をする。

微妙っぽい。


「じゃあ隼人佐殿で」


「『殿』は不要です」


「いやでも」


「不要です」


押しが強いぞこの人。

日根野殿みたいに諦めろよ。


「………隼人佐」


「はい若君」


…慣れないなぁ。


改名のタイミング難しいですね

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