私の秘密 1
「で?樋口さんになんて返事したの?」
「もちろんOKしたよね?大体結婚したくないとか何なのよ!さっさと結婚しちゃいなさいよ」
「だよね?いっとくけど樋口さんはひなたにはちょっともったいないくらいいい人だよ。真面目だし…まあ真面目すぎる感じではあるけど…」
「私から見てわかることは 樋口さんはひなたのこと愛してくれてるってことだよ。お互い独身で好きなんだから結婚に何にも障害はないでしょ?あ、もしかしてお姉さんに反対されるとか?」
「そんなことはないよ。お姉ちゃんだって10歳年上の人と結婚してるし…」
「うわぁ…あんたたち姉妹マジでファザコンだね」
「なんなのよ!そのファザコンって!!」
「まあまあ、で?何て返事したの?」
私はあかりの家にやってきていた。今日は3連休の最後で悦子と2人であかりの家に集まることになっていた。
「…考えさせてほしいって…」
「ちょっ…ひなた!あんた何言ってんの!!」
「そうだよ ひなた、ここまできて焦らしプレイなわけ?」
何を言ってるのかと抗議したが、2人は全く聞く耳を持たなかった。でもあの時はそういうしかなかったのだ。彼が真剣に言ってくれているのもわかる。確かに名古屋に来れば私が遠距離恋愛は出来ないと言ったこともクリアーできるわけで…
「あのさ…前から聞こうと思ってたんだけど この際はっきりした方がいいと思うんだ。ひなた、私達に隠し事してるよね?」
「………」
「それはひなたが結婚したくないって言い張るのと関係があると思うんだよね。違う?」
「悦子…」
「だってそうじゃない?あかりから聞いたらあんた高校の時は『結婚したら子供は最低2人ほしい』って言ってたらしいじゃん。そうだよね?」
「それはそうだけど…」
「ひなたは私達に迷惑かけたくないから何にも言わないけど、友達だからこそ頼ってほしいんだよ。一人で苦しまないでほしいの」
「……悦子…ゴメン…」
「謝らなくっていい、謝らなくていいから 本当のことを話してよ。私たちだったらどんな協力でもする、ね?あかり」
「ひなた…悦子はひなたに幸せになってほしいんだよ。樋口さんならきっと大事にしてくれるし…浮気なんて絶対しないと思う。まあ少し…その…愛しすぎてるって言うか 束縛されるっていうか…ま、そういうところは否定しないけど…」
「あー それは私も微妙に心配してる。もしかしたらひなたのこと監禁したりしそうだもんね」
「ね?ひなた…私達 ひなたの味方だよ?」
友達って本当にありがたいと思う。こんなに私のことを心配してくれて…気になっていたことも たぶん私が何にも話さないから話をしてくれるまで待っていてくれたのだろう。だが私は2人に話してもいいのだろうか?話をしたら彼女達は苦しむのではないだろうか…
「言っとくけど聞かなきゃよかったとか そんな甘い覚悟なら 私こんなに問い詰めたりしないから」
悦子の言葉にあかりも頷いた。ごめんなさい…たぶん聞かない方がいいんだと思う。でも今は少しだけ2人の気持ちに甘えさせてほしい。
「あのね…私………子供が産めないんだ」




