第五話 拷問
第五話 拷問
埼玉県春日部市。
「へぇ、ここにいたか。俺様達の会社をよくもまぁ、乗っ取ってくれたなぁ。神崎智弘さんよぉ。」
そう呟いたのは初嶋健太と言う名の二十三歳の青年。今言った通り健太は十五歳の頃、中学を卒業し、信頼している親友と一緒にそのまま会社を立て、色々成功させてすごく楽しい生活を送っていた。だが三年前、部下の一人である神崎智弘に健太達の会社を乗っ取られた。親友はショックのあまり自殺してしまい、付き合ってた彼女にも振られ、健太の生活はどん底に落とされた。そしてある日、世界統合というものが起きた。健太はすぐさま復讐を試み、派閥を作ってこの男を指名手配し、やっと見つけた。そして今いるのは拷問に使う個室だ。
「んじゃ、手始めに爪剥がそうか。」
健太は『拷問』というスキルでペンチを出した。
このスキルの効果は触れた相手を動けなくするのと、自由自在に拷問器具を出すことができるスキルだ。
健太はこのスキルを持てた事をすごく嬉しく思う。
「嫌だ。嫌だ。やめ、ギャァァァァァァァア!」
「あははは!今どんな気持ちだ?痛いか?苦しいか?俺様はすごく楽しい!」
「ごめんなしゃい。すみましぇん。」
神崎は泣きながら鼻水垂らして涙声で喋っている。
「汚ねぇなぁ。でも今の俺様はそんな事気にしねぇから安心しろよ。あと、まだまだこれからだぜ。」
そして十五分後、手足全ての爪を剥がし終えた。
「もう、許して下しゃい。」
神崎がまた涙声で話しかけてくる。
「馬鹿か、お前。爪剥がすだけで俺様の怒りが無くなるとでも?」
そう言って俺様は大きさで分かれた三つの拷問器具を出した。
「コイツらはスゲェぞ。苦悩の梨と言ってなぁ、普通は割れ目を開いて口を裂く器具なんだが大サービスで色々な大きさを準備したぜ。この一番でかいのが普通に口とケツ用、中ぐらいが鼻用、最後に一番ちっせえのが性器用だ。」
健太はニヤニヤしながらそう言った。
健太は神崎の口に苦悩の梨を入れようとした時、少し背中に寒気を感じた。そして右に素早く飛ぶと、一本のナイフがものすごい速さで神崎の頭を突き抜けてそのまま壁も突き抜けていった。
「ありゃあ。関係ない人殺しちゃった。あっ、でもコイツ神崎智弘じゃん。まぁこんな裸のクズデブジジイなんて殺しても凪沙お姉ちゃんは怒らないか。」
「いや絶対怒るって、帰ったら説教だよ。もぉ~飛鳥のせいだからね。」
「ごめんだって。それより、姉さんって言ってるでしょ。」
「はいはい、姉さん。姉さん。」
「ふふーん、それでいいの。」
奥からスーツを着た男女二人が来た。両方とも見た目は十四歳くらいだ。
「あっ、ごめん自己紹介するね。私は椎名飛鳥、一ノ瀬財閥の副メイド長で、この子は弟の椎名和也、副執事長だよ。よろしくね。それより凄いね。今のを避けたんだ。」
ニコッとした顔で椎名飛鳥は名乗った。
「まぁ、俺様はコイツに復讐するために色々と鍛えてたからな。」
健太は椎名飛鳥の目を確認しながら言った。
しかし、見透かしたように椎名飛鳥は
「あぁ、このスキルの事?ステータス見せてあげるよ。」
そう言って椎名飛鳥は指を鳴らした。
一瞬罠かと思ったがそんな気は無いらしい。
見てみるとステータスに書かれていたスキルはこんな感じだ。
『貫通』
ランク………中級スキル
効果………半径500mまでの自分が放った攻撃は全て貫通することができる。※貫通時に減速しない。
「どう強いでしょう。」
椎名飛鳥はドヤ顔で言った。
「ハッ、使えにくそうなスキルだな。」
「そうなの?でも私は使えこなせてるよ。」
「そうかよ。」
「そう言えば、言ってなかったけど、降伏するなら今のうちだよ。それとも殺し合う?あと、一人称を俺様とかにするのやめてくれない?痛いから。」
「あぁ、そうだな。俺様は心底イライラしてんだよ。勝手に人が楽しんでいるのを邪魔しやがって、代わりにお前らを拷問してやる。」
俺様は最後ら辺の言葉を無視してそう言った。
「んじゃ、やりますか。」
そう言うと、椎名飛鳥は三本のナイフを同時に投げた。
「“溶かせ。『粘王』”」
健太はスライムキングというボスモンスターを倒して手に入れたスキルでナイフを溶かした。
隣にいた椎名和也は「うわー、偵察だけって言われてたのに、もういい、帰ろう。そして飛鳥のこと全部凪沙姉ちゃんにチクってやろう。」とか言って帰って行ったが、健太達はそれに聞かずに戦いに夢中になっていた。
「へぇ、溶かせるんだ。やっぱり貫通できること以外はただのナイフだなぁ。」
「どうした。もう終わりか?分が悪いもんな。」
「確かに分が悪いなぁ。仕方ない。和也、ここは撤退して……あれ?いない?」
「置いてかれたのか。」
健太は嘲笑うように言ってやった。
「くっそぉ、覚えてろよ~!」
そう言って椎名飛鳥は去って行った。
「まるでモブのセリフだな!」
健太は大声でそう言ってやった。




