第四話 業火の英雄
第四話 業火の英雄
高一の十一月、私玖珂咲カエラは部活が同じの友達と喧嘩をしていた。
理由は単純に誤解だ。友達には一学期の時から同じ部活に好きな先輩がいたらしい。
しかし、その先輩は私の事を片思いしていて、それを友達は先輩を取ったと勘違いして私を責めた。
私は何度も誤解だと否定したのだが一向に聞かなかった。私も次第に腹が立ち、喧嘩に至ったと言う事だ。
そしてその時、宙に浮いた画面が出てきて、邪神と名乗る少女があれこれして世界が統合された。
なんとか私はスキルが強かったのでモンスター達に対抗できた。それで次第にスキルに慣れていくと他の人達を守れるほど強くなった。しかし、喧嘩した友達は何故か全然見つからない。私はその友達を探しながら人助けをしていく内に私は英雄とか何とかと言われて、今に至ったと言う事だ。
「勝負はスリーゲームツーセットだ。ちなみに何らかで降参と言わせるか、戦闘不能にしたら勝ちだ。分かったか?」
「うん。」
「あとハンデをくれてやるよ。俺は一戦目、スキルを使わずこのナイフしか使わない。」
ふつうに腹が立った。コイツは他人を見下してる目をしている。本当、舐めているのだろうか。
「舐めてるの?」
「あぁ。めちゃくそ舐めてる。」
「後悔しても知らないわよ。」
『第一ゲーム、試合初め。』
車のナビみたいな声と共に、私は右手を右目に近づけて目を閉じて、目を開くと信じられない光景が目に映っていた。
そう。首元にナイフを突きつけられていたのだ。あの一ノ瀬悪魔に。
(嘘?私との距離は十メートル以上はあったのに、しかも音もしなかった。ふつう人間はあんなに速く近づけるはずないわよ。)
まさか、スキルを使ったのかとも思ったが、目に何も描かれてない以上スキルなど使ってない事になる。
「これで、いいか?」
「クッ……降参。」
『第一ゲーム終了。一ノ瀬悪魔、一点獲得。続けて第二ゲーム、初め。』
「今度はスキル発動の時間を待ってやるよ。」
「……舐めないで!」
私は『業火』と言うスキルを発動し、思いっきり炎を放った。
しかし、相手もスキルを発動したのだろうか、右手に日本刀が握られてる。そして一ノ瀬悪魔は呟いた。
「“刀よ、先にある炎を喰らい尽くせ。”」
すると、私の放った炎はすごい勢いで、刀に吸い込まれていった。
「お返しだ。“刀よ、吐き出せ。”」
一ノ瀬悪魔はそう言って私の放った炎をそのまま放った。
私は右に素早く避ける。
「来い。『炎剣クリムゾン』!」
私がそう言うと右手に赤い刀身の剣が出てきた。
「“燃やし尽くせ。『クリムゾン』”」
私は剣を振るってそう言った。
すると、目の前を大きな炎で周り一帯を燃やし尽くした。
「勝った。」
私は一瞬安心したが。
「いいや負けだ。“気絶させろ”。」
体に電気が流れたのだろう。私は意識が途絶えた。
『第二ゲーム終了。一ノ瀬悪魔、二点獲得で一ノ瀬悪魔の勝利。』
声が消えると共に点数表と俺と玖珂咲カエラを囲う結界が消えた。
「何だよ。こんなに速く動けるんだったら動けよ。絶対あのドラゴン本気出してなかったじゃん。」
俺は俺は右目に右手に近づけて瞬き、スキルを解除した。
「凪沙、屋敷に運べるか?」
「はい。勿論です。」
そう言った凪沙は玖珂咲カエラと言う少女を抱えて帰って行った。
「嘘だろ。あの英雄様を倒しただと?」
「見たか?あの目あれ伝説級スキルの『暴食』だぞ。」
「しかもスキルなしであの速度かよ。人間が出せる速さじゃねぇ。」
「さすが一ノ瀬様だ。」
民衆や生徒は驚いたり感心したりしている。
「まぁ、このように東京では俺が一番強くて賢い。だから安心しろ。悪いようにはしない。異論はあるか?」
俺はマイクを取り出して言った。
誰も手をあげない。異論は無いようだ。
「じゃあ、これにて解散だ。今後の指示は各自パチ端に送っておく。」
俺はそう言って去った。
「あの、悪魔様。」
俺は今、自分の家にいる。そして突然、輝利哉に話しかけられた。
「何だ?」
「先程、思い出したのですが。初代当主様はもしや……」
「あぁ。分かっている。」
一ノ瀬家初代当主一ノ瀬紅近。江戸時代、徳川家に仕えていた。その時紅近は特殊な力を使っていたと言う言い伝えがある。それも使っている時必ず目には『黒炎』と言う文字が描かれていたらしい。
(その時にもうスキルがあったという事か?)
俺はその事が少し気になった。
「一ヶ月後、埼玉に行く。そこももう派閥は出来たようだからな。」
「分かりました。凪沙にも伝えておきます。」
(埼玉には#アレ__・__#があるからな。早めに謎は解決しておこう。)
そう思い俺と輝利哉は玖珂咲カエラが寝ている医務室へ向かった。




