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転生少女は愛されている  作者: 海雪
第3章 交流戦
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指定場所



「大事なことを伝えなくて良いの? りんちゃん?」



「問題ないだろう? 言わなくても対して反応しないからな、お嬢は………」




 件の二人が居なくなった後、困った表情を浮かべる葵はかざねへと問いかける。それに対し彼女はコーヒーを一口啜り、落ち着いた様子で返事を返した。その様子から察するに全くと言っていいほど心配した感じは見受けられない。




「自分が、暗殺対象として危険視されていたとしても驚かないのが彼女だ。意味がないだろう?」




 性格等についてはよく知っているのだろう。かざねの言葉に、葵と戒の二人は納得した表情で深く頷いている。たとえ命に関わる事になったとしても、問題なく対処してしまうと確信しているのだろう。伝えて注意を促すよりも、自身の事を優先させた方が良いとの判断でかざねは黙ることにしたのだ。



 彼らが暗殺自体の情報を知ったのは夢見薬の件で奔走していたからだ。風紀委員会のメンバーが元凶である者達を捕らえた際にその事実を知らされた。交流戦に参加する以上はどんな危険があるかは分からない。



 三人は彼女の実力を詳しく知っていた。もしも本気で戦闘になれば誰も敵わないと思っている。具体的に言えば彼女の持つ実力だけではなく………




「魔眼さえ使えば問題ないだろうな」



「そうですわね。玲ちゃんの魔眼は特別ですから」



「魔眼どころか、魔法や危機察知能力も人の常識を越えているからな。考えてみても暗殺は不可能だろうな」 




 魔眼がある限り誰もが暗殺は無理だと思っているのは共通みたいだ。それに加えて常識では測れない実力を持っている。その場に居る三人は考えてみても、同程度の実力者を最低でも数人用意させる必要が出て来ると判断していた。



 確実に成功させるのであればあるほど生半可な実力では無理だと考えている。それが証拠に彼らの表情は、暗殺等の物騒な部類に入る言葉を、使っているとは思えない位に明るい。各々の感想を言い終えて次の話しへと移っていく。




「さて、まだやり残している仕事が山積みだ。交流戦までには終わらせるぞ」




 かざねの言葉に葵と戒の二人は立ち上がり、自身の仕事を片付ける為に部屋から去っていった。まだやり残しているという言葉の通りに全てが終わった訳じゃない。風紀委員会の目的は秩序を守り、学園内の平和を維持することだ。




「"ディザイア"か、面倒な連中が出て来たな」





















 数日後、いつもと変わらない日常の合間に交流戦の準備は少しずつ行われてきた。かざね達からもそうだがセイラさんから直々に、交流戦について詳しい説明を受けたのだ。



 出場予定となった生徒たちを集めて詳しい内容を説明し、確認する為の説明会が開催されるので何かあれば風紀委員会と生徒会が動くと聞いたが、そのまま何事もなく無事に終えることが出来た。対人戦自体が交流戦のメインとなっている上に、他にも様々な種目が追加されているようで、その振り分けに説明会が行われたのだ。




「まさかだとは思ってたけど、新人戦の方じゃないとは………」



「本戦ですから、二年や三年を相手に立ち回らないといけないって相当大変ですよね」

 



 悪い予感はしていたが、まさか本戦の方に出場予定となっているとは思わなかった。それは仕方ないだろう。セイラさんとの約束で優勝を目指さなければならない。




「それで集合場所だけど、残りの生徒会メンバーとの顔合わせって聞いたのに何でここなの?」



「私も分かりません。何ででしょう?」




 風紀委員会の代表でもある委員長"かざね"と、生徒会のメンバー数人で交流戦に参加する予定だと私は聞いた。問題が発生した場合に連携できるようにとの事で集まることになったのだ。だが、集合場所が私達も知っている馴染みのある喫茶店、エリスのバイト先でもある"リブラ"だった。



 私と詩音は普段通り扉を開けて中へと入る。来店を知らせるベルが鳴ると同時に、可愛らしいウェイトレス服に身を包んだエリスが笑顔で出迎えてくれるはずだったが………




「いらっしゃいま………なんだ、お前らか………」



「笑顔で出迎えてよ!」




 来店客が私達だと知ったエリスは、やる気をなくした態度と表情を隠す気もなく見せる。店員さんがよく見せてくれる表情を彼女に期待していたんだが、無理だったようだ。




「待ち合わせなんだけど………」



「待ち合わせ? そう言えば先輩達も言ってたな。知らせてくれって………既に来てるあの人たちもそうか?まぁいいや、案内するから来てくれ」



「分かった」




 エリスは歩き出して席の方へと向かう。私達も後ろから付かず離れずの距離を保ちついて行く。案内された席には見覚えのある二人が居た。その内の一人は風紀委員会のかざね、腕を組んで優雅にコーヒーを嗜んでいる。



 そしてもう一人は副会長の職についているミュレット先輩だった。同様にコーヒーを頼んでいたみたいで、近づくに連れて香りが濃くなっている。こちらに気付いたかざねは片手を上げて呼びかけてきた。




「ようやく来たな。待っていたぞ」



「すいません。ミュレット先輩………待ちました?」



「大丈夫ですよ、場所を指定をしたのは私達ですから。謝るのは私達です」




 遅れた事を謝るが、ミュレット先輩はそれほど気にしていないようだ。私達が席に着いたのを見届けたかざねはようやく話しを始められると思ったのか、別の場所に視線を移し口を開いた。




「これで全員集まったな? それならまずは生徒会のメンバーを紹介しよう。彼らだ………」

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