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転生少女は愛されている  作者: 海雪
第3章 交流戦
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風紀委員会



 全ての授業が終わり次第、私達はとある場所へと向かっている。直接呼び出された訳ではないが、一通の手紙に書かれた内容が気になり指定された場所へと足を運んだ。



 目的地は生徒会のある部屋とは真逆で遠い。少し前に行った生徒会がある部屋は、部活動が中心に行われているエリアであり、私達が歩いている場所は委員会に所属している人達が活動しているエリアだ。




「そう言えば詩音、召喚獣の名前は既に決まってる?」



「決まってますよ。茶武丸です!」



「………ごめん、何の冗談?」




 目的の場所まで時間がかかるので、廊下を歩いている途中で暇つぶしに質問してみた。どんな召喚獣なのかは既に知っているが、名前までは聞いてなかったのを思い出して好奇心がてら聞いてみる。



 だがすぐに後悔した。まさか詩音の口からネーミングセンスの欠片もない名前が出るとは思わなかったからだ。もしかしたら私自身が異常だと思っているだけかもしれないので、それ以上は黙る事にする。




「ちなみに、エリスさんの召喚獣は"キティー"で、委員長の子亀は"グーラ"と言うみたいですよ」



「"キティー"って、委員長の方はともかく、エリスの召喚獣は本人が名付けたとは思えないぐらい可愛い名前だけど………」




 エリスの召喚獣は本人が名付けたのかどうか疑わしい。彼女の場合はもっと逞ましい、というよりかっこいい名付けをしていてもおかしくないのだが、キティーとは………随分と可愛らしい名前で驚いた。



 てっきり私は、エリスの妹さん達が代わりに名付けたと思ったんだが、喫茶店でのバイト姿を思い出すと彼女本人でも一応は納得出来る。




「私も思って聞いてみたんですよ。そしたら………」



「そしたら………」



「エリスさんは武器名を、あの召喚獣に付けようとしていたみたいです」



「嘘でしょ………」




 予想出来なかった。かっこいい名前を付けるならまだしも、武器名をわざわざ付けようとする人が居たとは、さすがに予想出来ない。もしも目の前で変な名付けをしようものなら止めたが、同時に頭を抱えて悩んでいたところだろう。



 ネーミングセンスが良い悪いどころではない。どうすれば自分自身の召喚獣に武器名を付けようとするのだろうか? そこが不思議でならなかった。詩音もそうだが、エリスもどこかズレているのでないかと私は思う。



 しばらく詩音と共に話し合っていると、ようやく目的地に到着する。誰も居ない廊下には夕陽が差し込み、幻想的な別次元に居る感覚に襲われる。ふと視線を上げた私は、プレートに記された部屋の名を呟く。




「風紀委員会………此処に………」




 私に向けて差し出された手紙に指定された場所は"風紀委員会が活動する場所"そこへ来るようにと書かれていた。間違いなくこの部屋で合っている。




「玲夏さん、本当に此処なんですか?」



「此処だよ、間違いなく。手紙には何も書かれてないように見えるけどね」




 学園に登校した私は、いつも通りに玄関口で上履きに履き替えようとしたところ、上履きと共に下駄箱の中に手紙が入っていたのを見つけた。それを見たエリスや詩音、委員長までもが手紙のことをラブレターなどと言って騒いでいたのだが………



 私を含めて全員が気になり開けてみると、差出人どころか内容さえも書かれていない白紙の手紙で、覗き込んでいた全員は困惑の表情を浮かべ、私を慰め始めたのだ。



 差出人が不明で内容さえも分からない手紙、私以外が見ればただの悪戯だと思うだろう。それ自体、本当に何も無ければの話しになるが、間違いなく私宛ての手紙だった。




「白紙でしたよね? あの手紙は………」



「一般人から見れば確かにそう見える。けど私には………」



「魔眼ですよね」



「ん、私には魔眼があるから分かる。手紙には特製のインクが使われてた。目には映らない消えるインク、高値で取引されているんだけど、特殊な方法を使えば誰の眼から見ても見えるようになる。そんなインクが………」



「そうなんですね。でも一体、誰が何の為に?」



「入れば分かるよ」




 内容はそこまで詳しく書かれてない。「放課後、風紀委員会のメンバーがいる部屋で待つ」とだけ書かれた手紙に私は首を傾げた。



 第一魔法学園にある部活動と委員会の二つに勢力がそれぞれ分かれているらしい。これについては後から知ったが、部活動の代表となる生徒会と、委員会の代表である風紀委員会には、様々な特権が与えられている。



 本来の仕事とは別に、部の存続や管理を任されていた。その為、強制的に内部の視察を行うことが出来る上に、メンバーであれば授業の免除対象者にもなっている。



 特に風紀委員会であれば学園内の秩序を維持することが目的だ。呼び出された内容を詩音に話した際には不安そうな表情で心配されたが、問題はないだろう。



 扉を開いた先に待っていたのは三人、女子生徒が二人に男子生徒一人の三人組が部屋の中に居た。各々それぞれの行動を取っていた彼らは、急に扉が開いたせいか視線を此方へ投げかけてくる。



 狼の獣人らしき男子生徒に、眼の下に鱗がある蛇人族(ラミア)の女子生徒、そして銀髪に琥珀色の瞳を持った人物、彼らの代表らしき銀髪の女子生徒は、私達に近づいてきてから口を開いた。



「ようこそ、風紀委員会へ」


 


 







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