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転生少女は愛されている  作者: 海雪
第3章 交流戦
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「ファンクラブがこの学園にあるって知ってるか?」




 教室にて、席に座って雑談していると、エリスからそんな言葉が出てくる。何処の学園にも、ファンクラブの一つや二つあってもおかしくないだろう。人がたくさん集まれば、魅力的な者に惹きづられてしまうのも無理もない。そういった人気者が必ずと言っていいほど出て来るからだ。



 人気者を中心に作られたのがファンクラブ、この学園であれば必然的に存在しているだろう。何せ此処には、聖女であるシア先輩が在籍しているのだから。崇める信者達によって、ファンクラブが作られているはずだ。



 それよりもエリスが、ファンクラブを話題にするとは思わなかった。最近の話題と言えば交流戦しかない。他人の話しに耳を傾けていると、必ずその話題を出してくる。残り一カ月を切った辺りの為、話しをするには最適の話題となっているのだ。



 他に何かあるのかを考えたが、すぐに彼女はその疑問を解消する話しをし出した。




「少し前に聖女様と話しをして、聖水を貰ったことを覚えているか? その時に署名したって………」



「覚えていますよ。エリスさんが大量に持って来ましたから」



「私も覚えてる。無駄に使った聖水をシア先輩から貰ったって」



「うっ………それは言わないでくれ。とりあえず話しを戻すが、私が聖女様と一緒に居るのを見た人がいたらしく、ファンクラブに入らないかと誘われた」



「シア先輩の?」




 そうだと言わんばかりにエリスは深く頷く。この学園以外の部活動や委員会であれば、勧誘されずに入って来るのを待っていることが多い。もちろんエリスの時の様に、積極的に勧誘して来る者もいるだろう。多分、そういった人達のクラブは人数が少ないせいで、潰れかけて必死に勧誘しているはず。中にはポスターやチラシ配りなどで、人を集めようとすることはある。



 特に"聖女様"シア先輩のファンクラブであれば勧誘せずとも、勝手に人が入って来るのは間違いない。態々(わざわざ)エリスに声を掛けてまで勧誘する必要性は感じられなかった。




「まぁ、断ったけどな。それで後から知ったんだが、どうやらファンクラブは二つあるらしい」



「二つですか? 一人は聖女である先輩が………」



「いや、詳しく言うとファンクラブは二つあるが、実際のところは四人いるって聞いた」



「四人も? 一体どうして?」



「………この学園のクラブ、部活動と委員会については知ってるか? あっ! 小鳥遊は学園長の孫なんだから知ってるか!」



「知らないけど?」



「………」




 この学園の事を知り尽くしているとエリスから思われたが、私は知らないことが多い。特に部活動と委員会については入る気がない為に調べていなかった。だからこそ、その話題になったファンクラブの存在については今初めて知ったのだ。




「別に良いか。それでファンクラブもそうだが、部活動や委員会に入るのか?」



「私は入らないけど? 詩音は?」



「考えたことありませんでした。どうしましょう?」



「ふーん、なるほど、先ずは部活動と委員会についてだが、掲示板とかは? 見たことあるか?」



「クラブ活動のポスターとか書かれた紙のこと? 見たことない」



「私も見てませんね。どうしてでしょう?」




 記憶を辿って過去の掲示板やその他の場所で、部活動や委員会に関する記事を見たことがなかった。入るつもりはなかったが、それはそれで気になってしまう。一体どういった理由で掲示板とかに掲載していないのか、考えてみたが答えは出なかった。



 考えている途中で一つ気付いたことがある。それはクラブ活動についての説明会やチラシ配りしている人が居ないことだ。入学してからだいぶ経つのに、その手の話題が皆無だった。とは言ってもこの学園には、多くの人数が生徒として在籍している為に、そこまで努力しなくても必要人数が集まってしまうのだろう。




「この学園にはたくさん人がいるからな、すぐに人が集まるらしく、クラブ活動の維持には問題ないみたいだ。大抵の場合は勧誘のみだって聞く」



「そうなんですね。だからエリスさんが"聖女様"シア先輩と仲良く話しているところを見て勧誘したと」



「いや、聖女様と話しをするなら、ファンクラブに入って必要事項に目を通してくれって言ってた」



「「………」」




 シア先輩に関連する、ファンクラブの会員に勧誘された際のことを思い出したのか、エリスは疲れた表情を見せた。ファンクラブらしく別の問題を抱えていそうな気がする。出来れば入りたくない。



 執着する人ならばともかくとして、エリスの場合は序列第一位が尊敬する人物だ。絶対にそのファンクラブには入る気はないだろう。



 それよりエリスはクラブ活動をするのだろうか?私は入る気はない。詩音は保留の為に気になる部活動や委員会があれば入るかもしれないが、エリスからは聞いていなかった。




「エリスはどうするの?」



「部活動に入るかどうかか? 気になった部活動があればな!」



「詩音と同じか、そういえばファンクラブの話しは………」



「あっ、そうだったな、忘れてた。ファンクラブは二つに分かれているって言ったな?」



「えぇ、四人居るって聴きましたが、ファンクラブに入っている人達が? って意味ですか?」



「会員じゃなくて、憧れの人物が四人も居るらしい。最初にそれを聞いた時は驚いたが………」



「そうなんだ………」




 やはり会員自体が四人ではなく、注目を集める人物がそれだけ居るらしい。何かの事情によってファンクラブは二つに分かれているのだろう。が、どういった理由でそうなっているか分からない。




「この学園には部活動と委員会で分かれてるだろ? そのトップに位置する人達が、それぞれのクラブに入っているんだよ」



「つまり………部活動派と委員会派の二つに分裂しているからってこと?」



「ああ、元々四つに分かれてたらしいけど、部活動と委員会の下部組織として働くことになったらしくて、そのままだと不都合だから併合したんだってよ」




 それぞれの事情により分かれていると知ったが、下部組織となっているとは思わなかった。ファンクラブは、その人物が卒業してしまえば潰れてしまう。そんなことは考えなくても後々分かる。下部組織となったのは、非公式のクラブを管理する為なのかは分からない。だが、都合が良いのでその形に変わってしまったのだろう。




「あっ! そう言えば最近、小鳥遊のファンクラブも出来たそうだぞ」



「ふーん、そうなんだ。新規のファンクラブね……」



「………」



「………」



「………ごめん、今なんて?」

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