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転生少女は愛されている  作者: 海雪
第2章 魔王襲来
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実力の証明



「………ところで、そちらの二人のお嬢さんたちは?」




 会議室内にいた一人の人物が、私たちの事が気になったのか聞いてきた。周りの人達も気になり出した結果、口をつぐみ聞き耳を立てている。




「ふむ、此処にいる玲夏ちゃんは助っ人じゃな。見た目に反して強いぞ!」




 私の代わりに答えた学園長に強いと言われても、どれぐらいの強さを持っているのかは分からない。周りの人達は、こういう時の対応を知らない為か戸惑っていた。実際に魔法がある以上、どんな見た目であったとしても当てにはならないと知っているのだろう。




「………すまんが、何か二桁そうとうの実力を示せる事が無いなら………今回の件については承服しかねる」



「そうだな、実力を示せる証拠があれば別だが。無ければお嬢さんには………戦ってもらいたくない」




 会議室内からごく一般的な意見が出て来た。確かに実力を示せる何かがあれば問題ないだろう。だが、強いと言われても最低でも二桁そうとうの実力がなければ意味がない。



 戦闘や召喚魔法など、実力を証明するだけの証拠であれば幾つか存在する。



 実際に私の持つ実力を見せて納得してくれれば良いが、厳格な軍人達からしてみれば、どのようにすれば良いのか分からなくなるだろう。それに彼等は、私を見て先程から言い合っている。




「実力があっても認められん! 民間人だぞ? 怪我なんて以っての他だ………あと可愛い」



「俺には無理だな、民間人を戦場には立たせられんぞ!………マジ可愛い」



「あぁ、実力があっても俺たちが守らなければ意味ないだろ?………超可愛い」




 彼等の言い分は最もだった。多くの人達の為に日々の間、魔物と戦っていたのだ。軍人として、民間人の戦えない者達を守るという矜恃があるのだろう。



 この場合どうすればいいかわからない。なので、私は最善の方法を知っている学園長の方へと顔を向ける。




「そうじゃな、実力が分かりやすく、証明出来る方法は………召喚魔法じゃな」



「なるほど、確かに召喚魔法によって呼び出される魔物であれば、実力の証明だけでなく。本人が戦わなくても認められるな!」



「如何じゃ? 玲夏ちゃん」



「うん、分かった」




 召喚獣であれば、準備も何も必要ない上にその人物が持つ実力がすぐに分かる方法だ。



 早速、私は立ち上がっては右手に魔力を送っていく。此処で呼び出すべき適した召喚獣は………




「召喚………リヴィア」




 私は契約したばかりの召喚獣、恐怖の象徴でもある存在、濃紺の髪をした美女悪魔を呼び出した。



 魔法陣が床の上に現れて、眩いばかりの光を発している。光が落ち着いた後に現れた存在に、全員が眼を見開いた。




「いや〜、面白いですね〜、人間界って! このTV(テレビ)って言う奴に様々な情報を載せて発信しているんですから。魔界にいる若者たちが気にいる訳ですね〜、一部の悪魔が頑固者と言われるのも納得です。はむっ、もぐもぐ………あれ? 先程まで食べていた煎餅がありません………んっ?………」



「………送還」




 失敗した。召喚陣が現れた場所には、寝転んでTV(テレビ)を見ていたらしいリヴィアがいた。しかも煎餅を齧って(くつろ)いでいる姿を周りに晒してしまっていたのだ、私自身が恥ずかしかった。



 会議室内にいた面々は、先程の光景に静まりかえってしまっている。誰も何かを言えない状態が数秒程、続いているが仕方ない。彼女であれば他の召喚獣よりはマシだと思っていたのだが、結局はそんな事はなかった。




「あの、玲夏さん?」



「何も言わないで………うっ!」



「だ、大丈夫ですか!」



「大丈夫………ちょっとだけ外に出てくるから、待ってて」




 詩音は察してくれたのか、何も言わずに頷いた。その後、私は会議室を出てから頭の中に響く声に応えた。




「何? リヴィア。謝罪でもしたいの?」



『すいません、あれはちょっとした冗談と言うか………』




 頭の中に響く声の主は、私が召喚しようとしたリヴィアだった。彼女は"念話"という魔法を使って直接脳内へと呼びかけていた。



 本来であれば、端末を使えば済む話しなのだが………リヴィアはそれ自体を持っていないので、会話をするなら魔法という手段しかなかった。



 "念話"と呼ばれる魔法は便利だが、個人に話しかける魔法であり魔力消費が(いちじる)しい。それに人類は、魔導具を触媒にしなければ魔法が使えない為、端末の開発には相当力を入れていた。




「大丈夫、怒ってないから。休日を楽しんでいたんだよね? 頼みたい事もあったんだけど、他の召喚獣に頼む事にするよ」



『いえいえ、私が承ります。むしろさせて下さいお願いします!』



「………」




 懇願するような声音に、彼女は私を怒らせていると思っているのだろう。休日を楽しんでいるところに頼み事をするのは気が引けるが、リヴィアにしか出来ないのでお願いしてみた。




「じゃあ、お願いするよ」



『ありがとうございます。それでは早速ですが、詳しい話しを聞きましょう』



















「またその時には」



『かしこまりました。お待ちしています』




 息を吐き出して今後の事を考える。魔王種と魔物が動かないこの状態が続いている以上、軍の者達は同様に動けない。もしも、魔物たちを刺激した場合はその時点で動かないといけなくなる為だ。



 そうなれば、人手が足りない状況の中で自分たちが対処しなければならない。軍としては時間が掛かればかかるほど有利になる。実力のある二桁そうとうの者



 リヴィアに頼み事を終えた後、私は会議室に戻る事にした。扉を開き中へと入ると、会議室を出る前とは違い雰囲気が暗い感じがする。



 まさか、魔王種を含めた魔物が動いたのか、そう思っていると詩音が私の元へと走ってくる。そして彼女が言った事に理解出来なかった。




「玲夏さん。魔王種を除いた魔物たちが、何故か消えたと報告が入りました!」



「………えっ?」









 



 


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