表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MIB 1st contact  作者: 光輝
■第8話 夢の中へ編 (4P)
35/42

4.すぐに終わりますよ

ジュリアは浮かび上がるように目を覚ました。

暗い車内、窓の外を流れる街灯……。エレナに膝枕されていると認識したジュリアは、自身の体が泳ぎすぎたかのようにダルいことに気付いた。

ジュリアの髪をエレナの指が穏やかにすく。

「あの時とは逆だね」

エレナが穏やかな笑みをむける。それに、ジュリアは京のまじないが終わったことを悟った。エレナの胸に下がるレンズを見たジュリアは、ぼんやりと呟いた。

「エレナは前に言ってたわよね……。私のお腹とミリアムは、レンズでの視え方が似てるって……」


頷くエレナをよそに、ジュリアは思考を巡らせる。その目はまるで赤ん坊のように焦点が定まらなかった。ひどくだるく、気を許せばまた眠ってしまいそうだったのだ。

「……ミリアムに、会わないと……、……」

語尾が緩むジュリアに、エレナはうんと頷いた。そっとジュリアの額に手をやり、まるで母親のように穏やかに返す。

「明日一緒にスラムに行こうね。あとはまかせて、ゆっくり休んで」


ハンドルを握るパンが、ちらと隣のゴハンに視線をやる。ジュリアの腹部とミリアムの視え方について初耳だったからだ。ゴハンは仕方ないとでもいうように、軽く肩をすくませて頷くだけだ。

……・……

ちょうどそのころ、聖イルミナ医院でのこと。

業務を終えたサムソンは、ふと肩を叩かれ振り返った。アーロンが手で軽く挨拶をする。

「お疲れさまです、サムソン先生」

それにサムソンの目が若干泳いだ。どこか話したくない、そんな雰囲気で。

「はい、アーロンさん。その……」

言い淀むサムソンにアーロンはまばたきひとつ、小首をかしげる。「? 何でしょう?」と。

サムソンは軽く鼻先をかいた。

「グレアさんの件、ききました。転院されたそうで」


アーロンはパッと目覚めるように、穏やかな笑顔で告げる。

「ええ。それよりも、ミリアムくんは?」


サムソンは頷いた。準備はできている、とでもいうように。少し間があった。妙な間だ。通ずるものは2人にしかわからない。アーロンが古い友人の肩に手をやるように、子どもに諭すように、穏やかに告げた。

「大丈夫、すぐに終わりますよ」

サムソンは奥歯を噛んで、沈むように頷いたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ