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彼と彼女たち  作者:
エピソード 2
33/37

茜の気持ち

 晶と別れて、茜は家路に就いていた。


 茜の足取りも軽い。なんせ自分を理解してくれる人が現れたから。

 両親からも見放された茜にとって、それはどんなに喜ばしいことか。


 そして、同時に茜自体にある感情が芽生える。



 ―――あたし、晶の事好きになっちゃったみたい……


 始めは気になるだけだった。だが、それは確かな感情に変化した。

 一度認めてしまえば、もう晶の事が頭から離れられなくなった。



 ―――声を、聴きたい……


 ついさっき別れたばかりなのに。もう、彼を欲している。

 取り出した携帯を操作する。ディスプレイに表示される晶の名と番号。別れ際お互いの連絡先を交換していた。

 思わず通話ボタンを押してしまう。


 何回かのコール。


「…もしもし?」


「あっ、ごめん」

「どうした?」

「え…えっと、番号が合ってるか確認してみただけ」

「なんだそりゃ」


 確かに苦し紛れにも程がある。だが、そんなことは気にせず晶は電話越しに笑っていた。

 そこに何気ない晶の優しさを感じた。



 数回会話して電話を切る。



 ―――晶…


 自分が好きになった男の子の名前を心の中で唱える。それだけで胸が暖かくなった。

 まさか、自分が異性を好きになるとは思わなかった。自分は嫌われものだから。

 でも晶は違った。好きだ。愛おしい。本当に。


 でも、この想いを打ち明けていいのだろうか。

 晶の事だ。きっと茜の事を思って悪くは言わないだろう。

 だが、もし断られでもしたら…?

 そう思っただけで、身が張り裂けそうになる。



 ―――今はまだ…



 ひとまず晶の傍にいられるだけで満足だ。

 ゆっくり、丁寧に、この想いを大事にしていこう。

 時間はこれから、たっぷりあるのだから。






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