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彼と彼女たち  作者:
エピソード 3
34/37

花見 1

閑話その2です。

 入学式からしばらくして。

 この町にも桜の季節がやってきた。

 桜と言えば花見。ということで我が家の伝統行事となった花見をすることになった。

 というのも、我が柏家の庭には一本の桜の木があるのだ。親父がこの家を建てたときに一緒に植えたらしい。その木もすっかり成長して、今では立派に花を咲かせるようになった。

 それから、我が家では自分の敷地で花見をすることが通例の行事になった。



「愛姉ちゃん」


 俺はリビングで寛いでいる姉ちゃんに声をかける。


「…どうしたの?」

「今年の花見だけどいつやる?」

「そうね。桜も咲いたし今週の日曜でいいんじゃないかしら?」

「分かった。栞姉ちゃんと唯にも聞いてみる」


 そのままリビングを出て、栞姉ちゃんの部屋に向かう。


 ――コンコン

「栞姉ちゃん?」


 ドアをノックすると栞姉ちゃんが出てきた。


「…なに?」

 ちょっと眠そうな顔。うたた寝でもしてたのだろうか。


「今年の花見だけど、日曜で問題ない?」

「…うん、大丈夫」

「分かった。起こしてゴメンね」


 立ったまま寝そうな勢いの栞姉ちゃんと別れて、次は唯の部屋に向かう。


 可愛いデザインの『YUI』と書かれたプレートのドアをノックする。間を置かず、『はーい』と声が聴こえて、ドアが開く。


「…あ、お兄ちゃん! どうしたの?」

 俺の顔を見るなり、満面のスマイルを向ける唯。本日も可愛さMAXである。


「今年の花見だけどな、今週の日曜でも大丈夫かい?」

「日曜日? ちょっと待っててね?」

 そう言うなり、部屋に一旦戻っていく。どうやら予定を確認しにいくみたいだ。

 こういうしっかりしているところが唯の美点だ。却って栞姉ちゃんはズボラな気もするが…


 間もなく唯が戻ってくる。


「うん! 大丈夫だったよ」

「分かった。じゃあ日曜で宜しくな」


 そう言い残して、部屋を後にしようとするが、唯に呼び止められた。


「…あ、お兄ちゃん!」

「…ん?」

「あのね……今年の買い出し、どうするの?」

「…あ! やべ」


 うっかりしてた。

 当日の材料とかは持ち回りで行くことにしていた。必然と俺が荷物持ちになるため、誰がパートナーになるかを決めなくてはいけない。

 迂闊にも愛姉ちゃんにも栞姉ちゃんにもまだ頼んでいなかった。


 そして、暗黙の了解なのか、俺と買い出しに行けるのは一人のみらしい。



「…よかったら唯が付き合う……よ?」

 上目遣いで俺を窺う。ヤバい、本当に可愛い。

 妹に萌える兄。何かとダメな気がする…


「唯、お願いできるか?」

「うん! 任せて!」



 ということで、今年の買い出しは俺と唯に決まる。買い出しは前日の夕方に行くとこで唯と同意して別れた。





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