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彼と彼女たち  作者:
第1章
31/37

中央委員会 3

昨日はサボってしまったので、2話連投します。

次回、晶と茜の関係が一段階変化します。

「――――以上が概要になります」


 小野先輩が話を区切る。

 会議は出だしのドタバタとは対称につつがなく進行した。

 何より驚いたのが相沢先輩の働きようだ。

 小野先輩の話に沿うようにホワイトボードに要点を書いていく様は、さっきのふざけていた態度とは相容れない。腐っても副委員長という事だろうか。


 それより困ったのが隣に居座る柊先輩だ。

 ことごとく俺にちょっかいを出してくる。そして明らかにそれを楽しんでいる。

 俺は何故か柊先輩の『お気に入り』となっていたのだ。



 ――――つんつん


 …くっ!



 ――――ちょんちょん


 …ぐふぅ



「……ふふっ♪」


 会議中のため表立って抗議の声を上げられないため俺は我慢を強要される。というか楽しそうな顔を盗み見すると、それが本当にあどけない笑顔で可愛いと思ってしまうのだ。

 男とはなんて悲しい性なのだろうか。




 …さて。

 小野先輩が説明していた内容について要点を述べよう。


 今回の会議の主な目的は、初顔合わせと1年間の主な行事の説明だ。


 まず、舌を巻いたのがこの学校は行事がとても多い事だ。


 3年の勉強合宿、2年の修学旅行、1年の林間学校といったメインイベント。外せない文化祭やクリスマスパーティー等々。とにかく多い。

 きっとすべてを紹介する事は時間がかかるのだろう。最終的にイベントの詳細決定事項はその都度行うという事で締めくくられた。



 俺ら一年において、まず一つ目の行事は5月に行われる体育祭になる。

 後日開催委員会の委員をクラス毎に選定し打ち合わせをすることになった。


「―――それでは、本日はこれで終了します。ご苦労様でした」


 小野先輩の号令で、静かだった室内が賑やかになる。

 俺も帰るために、まずはやらなくてはいけない事をしよう。


「さて、先輩そろそろ止めてもらえますかね?」

「いーや♪」

 この人即答である。


「…でも、しつこくて嫌われるのはイヤだから、この辺にしとくね」

「…そりゃどーも」


 柊先輩の体がスッと離れていく。ようやく解放された。


「じゃあまた会おうね!」


 くるっと短すぎるスカートを翻して会議室から立ち去っていった。

 若干スカートの中の『モノ』が見えそうになったのは心の奥にしまっておくことにする。


「…はぁ、疲れた」


 柊先輩を見届けてから、椅子にぐったりと沈み込む。


「…柏君、楽しそうだったね」

「そう、見えるか?」

「鼻の下も伸びてたよね」

「………」


 金田さんの視線が冷たい。端から見ればイチャイチャしているようにも見えなくはない。気を悪くしてしまったか。


「柏君ってああいう人が好みなの?」

「いや、そんなことはないが…」

「先輩…可愛いもんね」


 確かに柊先輩は可愛いと思う。自分に率直で、何も隠そうとしない。

 ただそれだけが可愛いの定義ではないだろう。

 こうして少しヤキモチを焼いている金田さんもまた可愛いと思う。


「金田さん」

「ん?」

「確かに柊先輩は可愛いけど、金田さんだって先輩に負けないくらい可愛いと思うよ」

「ふぇっ!?」


 金田さんが瞬間に赤面する。


「はは、そうやって照れるところとか。そういうところが可愛いと思うぞ」

「うぅ……」


 金田さんが恥ずかしそうに顔を俯かせる。

 あまり、からかいすぎると後が怖いな。ここまでにしておこう。



「それじゃ、会議も終わったしここで解散しようか?」


 俺がそう言って立ち上がると、不意に制服の裾が引っ張られる。

 裾を掴むのは金田さんだ。彼女は俯いたままで俺の顔を見ていない。


 そしてか細い声で呟いた。



「……待って」


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