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彼と彼女たち  作者:
第1章
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茜と過ごす昼休み 6

 金田さんはやや頬を赤らめて、上目遣いで俺を見る。


「柏君って、今、付き合っている人いるの?」


「え…いないけど…」


「ホント!?」


「う、うん」


 そっかそっかと、嬉しそうな顔をする。


「でも、何でそんな事訊くのさ?」


「え!? い、いや…別に、ちょっと気になっただけ」

 慌てたように両手をパタパタ振りながら金田さんが答える。


「柏君って女の子にモテてそうだから…」


「そう?」

 俺にとっちゃ金田さんのほうがモテそうに見えるけどな。美人顔でスタイルもいいし。


「そういう金田さんは彼氏いるのか?」


「うえッ!? あ、あたしぃ!?」

 俺の質問に金田さんがまた慌てふためく。


「いないいない! 彼氏なんていないよッ!」

 なぜか必死にいないことを強調する。


 そうか、勿体ないな。こんなに可愛いのに。でも、本人に言ったらゆで卵になってしまうだろうから、言わないでおく。


「はぅ………」

 まだ動揺が収まらないのか、金田さんは紅潮して俯いたままだ。


 あまりからかいすぎると可哀相だな…


 それに、この微妙な空気、何とかしたい。

 あぁ、やっぱ恋愛話は苦手だなぁ。



 何気に携帯を見ると時刻は、12時40分になるところだった。

 そろそろ、移動をしたほうがいいだろうか。また、大会議室を探さなくてはいけないし。

 会議に遅れたなんて、もしも担任にでもバレたら次はどんな無茶振りをされるか分かったもんじゃない。

 これ以上俺に変なレッテルを貼らないためにも、念には念を。


「金田さん、そろそろ行こうか?」

 ベンチから立ち上がり金田さんに問いかける。


「あ、う、うん」

 金田さんも立ち上がり、スカートについた埃を掃う。

 そして俺の隣に並ぶ。


 まずは会議室を探そう。この広大な校舎のどこにあるのだろうか、分からないけど。

 取り敢えず早く見つかって欲しい、そう心に思いながら。


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