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彼と彼女たち  作者:
第1章
12/37

入学 3

主人公が妙にかっこよく見えるページです

 今日は朝から散々な目に遭った。


 あの後、意識を取り戻したら栞姉ちゃんはいないし、唯には誤解を受けたままだし。


 ――まったく、入学早々前途多難である。



 そして、それはまた続きそうだ…………



 俺の前には不良らしき二人組に絡まれているウチの生徒と思われる女子がいた。


 不良はその女子にどうやらいちゃもんをつけているようだ。ああいう輩は難癖付けてくるから、適当に流してしまえばいいのに。


「あ~! 本当うざいんだけど! さっきから何なのよアンタら!?」

 と突っかかったりすると相手も勢いづいてくる。


「あぁ!? てめぇがぶつかってきたんだろうが?」

「舐めたこと抜かしてんじゃねぇぞ、こらぁ!」

 こんな感じで。


 だが、女子のほうも頭に血が上がっているようで、引き下がろうとしない。ていうか、不良の剣幕に怖じ気つかないのは凄いなぁ。大抵はビビっちゃうのにね。


「先にぶつかってきたのはアンタでしょ? 適当なこと言ってんじゃないわよ!」

「んだとこのアマぁ‼」


 不良の一人が女子の左肩を強く掴む。

「ッ!」

 一瞬女子の顔が歪む。


「おい、女の癖に意気がってんじゃねぇぞ!」

「調子こいてんじゃねぇぞ」


 そのまま女子を突き放した。


「きゃ…………」


 咄嗟に駆け寄り、彼女を支える。


「……え?」


「ふぅ、間に合ったぁ」


 いきなり現れた俺に女子はおろか不良共も呆気にとられている。


「大丈夫?」


「…あ、うん」


 コクと軽く頷く彼女は、気持ち顔を赤くしたが、すぐに元に戻った。

 彼女が胸元に付けている赤色のリボン、確か俺と同じ1年のものだな。


「なんだてめぇ!?」


 不良の一人が俺に向かってガンを飛ばしてくる。


「いやね。こんな女の子一人に男が二人して何してるのかなって」


「あぁ!? てめぇには関係ないだろうが?」

 そうだね、関係ないよなぁ。


 …でもさ



「…アンタらのこと見てると、無性にイライラするんだよねぇ」


 俺は冷たく笑った。


「てめぇ! ふかしてんじゃねぇよ!」


 不良の一人が俺の顔目掛けて拳を入れてくる。


 ――――おせぇ


 拳は俺には掠りもせず宙を切った。

 勢い余って前のめりになる不良。


「…がら空きだぞ?」


 俺はそのまま体勢を変えず、不良の腹に拳をいれる。


「がぁッ‼」

 モロに一撃を喰らった不良はその場に踞る。


 俺はもがくそいつに一瞥して、もう一人の方へ。


 残された不良は完全に動揺している。

 俺が一歩近づくたび後ずさっているからだ。


「今ここで止めればそれで終わるけど、どうする? やる?」

 ニヤリと笑ってやったら、そいつは、

「ひいっ!」

 と言って、立てない仲間をおぶって逃げていった。



 ………………


 …あ~、やっちまった……


 久しくこんなことはしてなかったのに、こんなとこ愛姉ちゃんたちに見られたら、何言われるか分かんない。

 栞姉ちゃんなら、きっと…………


 いやいや、それより今は彼女だよね。


 俺は後で唖然としている彼女に歩み寄った。

 どう、言い訳をしようか考えながら。





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