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炯眼のリアン  作者: 霧雨
第二章 かつて同志だった者
17/40

2 新しい生活


ゴンッ、ゴゴゴンッ


軽快なリズムと共に聞こえる明るい声で目が覚める。


「おっはよー、リアン!起きてるー?」

「うぁ……あぁ、起きてる」


毎朝毎朝うるさくてたまったもんじゃない。

しかしウィズのノックと叫び声で起きる朝にも、一ヶ月も経てばもう慣れた。ウィズは毎朝、皆の部屋を回っているらしい。迷惑ではあるが、これも恒例なので無くなっては寂しく思うのだろう。


リアンは大きなあくびをしながらゆっくりとのびをし……二度寝した。ものの数秒で寝息が聞こえ始める。




……10分後。


「おっはよー!」


いつものごとく再びウィズに起こされる。今度は堂々と部屋に入ってくるものだからプライバシーもくそもない。


「……」

「おはようってば!」

「あーはい、おはようございます」

「ほら、早く朝ごはん食べに行こー」

「ん。」


もぞもぞとマリー特性の服に着替え、ウィズと共に食堂へ向かう。少し遠いのがもどかしい。


「昨日は何かあったー?」

「あぁ、昨日のは青くて牙が生えた飛ぶ兎だった」

「あはははは、何それ!?全然想像できないんだけどー!」


ウィズのテンションは朝から晩まで変わらず常にハイだ。一方のリアンは朝に弱いようで、歩いている今も半分目が閉じている。


「あ、僕昨日はジルに着いていったんだけどさ……」

「(ピクッ)……」

「いやぁ、これがもう……」


ウィズが一方的に話しながら向かうのだが、最近は嫌がらせのようにジルの話が多い。実際、ウィズは話しながらリアンの様子を見て楽しんでいた。



「みんなー、おっはよー!」

「おー、おはよう!リアンもおはよ」

「おはようございます」

「おう、おはよ」


この時点で驚くことに、リアンの目はパッチリと覚めている。朝食への期待と、食堂に漂う美味しい匂いによって自然と意識が覚醒するのだ。


「おはよー、アイリーク。サンドイッチがいーなー。それで……」

「おはようございます。俺はサンドイッチと白飯と、あ、たくわんも下さい。それから味噌汁とベーコンエッグと……牛乳にします」

「おー、二人ともおはよーさん。リアンはサラダも食っとけ。ウィズはリアンに分けてもらえ」

「何故!?」


ぞんざいな扱いにプチショックを受けるウィズを、先に朝食を食べ終えた男が慰める。


「ウィズ……アイリークは誰にでもこんな感じだ」


それぞれが自分の任務を始める中、契約者(エリート)と呼ばれる者は朝食を食べ終えた後は特に予定がない。任務で徹夜のときもあるが、何も無い日は本当に何にも無い。皆がそれぞれの仕事に入る中暇をもて余すのは罪悪感でいっぱいになる。


だから自然と足が訓練場へと向かう。


「おう!おはよう、リアン!」

「おはようございます」


先にロメストが来ていた。ロメストも朝から晩まで元気な人だ。今もすでに汗だくである。しかしだからこそ、皆はロメストを信用している。カールとは対照的に、強さだけにに常に貪欲な姿勢が皆をひっぱっているのだ。ただ本人は楽しくて武器を振るっているだけなのだが。


「俺と少し手合わせしないか?」

「丁重にお断りします。ロメストの場合少しで終わりませんから」

「んー?そんなこと……ないぞ?」

「今、間がありましたよね?」


訓練場には手が空いている戦闘隊(ビクティム)達が各々武器を振ったり、何人かで戦闘形式をしている。


「ふわぁぁあ……リアンー、じゃあ俺としねぇ?」


大きなあくびをしながら目を擦ってやって来たのはティリーだった。やる気のなさが滲み出ている。


「お前弱いからなぁ」

「な!?失礼な!お前に勝ってるんだぞ!」

「俺が8勝」

「ぬぬぬ……」


契約者(エリート)戦闘隊(ビクティム)が試合を行う際、当たり前だがエレメントは使わない。そんな中、ティリーとリアンはたまに勝負をすることがあった。

ティリーも強いのだが、リアンはもっと強かった。一勝したのもかなりせこい手を使ってだ。まぁ実際戦闘になればせこいもないのだから文句は言わせないが。

それに一番腹が立つのは、リアンがまだ全力ではなさそうなところだ。ロメストとして負けたときでさえそうである。自身は本気だと言い張っていたが、全く限界が見えないのは事実だ。


「お前とは後でな」

「逃げんなよ」

「それこっちの台詞。ロメスト、やっぱお願いします」

「おう!そうこなくっちゃな!」


その様子を見ながら、ティリーは一ヶ月前を思い出して笑った。よく喋るようになったものだ。表情もわかりやすくなった。





……4時間後。


「ほら、腕が下がってるぞ!しっかり剣を持ち上げろ!」

「……」

「スピードも落ちてる!気ぃ抜くなあ」

「……」

「元気がないなぁ。威圧するなら声も出せよ!」

「好きで威圧してるわけじゃないです」


疲れでさらに悪くなった目つきでロメストを見ながらリアンは答えた。


周りには観客と化した人、ヤジが飛び、金属音が鳴り響く。4時間もこの状況なのだ。ほら、少しではすまなかった。


そんな中、唯一の助け船が現れる。


「リアーン、ロメストー!ご飯でーすよー!」


見上げると、ウィズが二階から叫んでニコニコと両手を降っていた。

唯一の味方というのは決してウィズのことではない。それは時間だ。昼が来れば、さすがのロメストでも訓練を止めないわけにはいかない。


「よーし、飯だー!」


そう言って颯爽と駆けていくロメストの背中を見ながら、リアンはふっと力を抜いた。


「おっつかれー」

「!?っごほっ……」

「おおお……大丈夫かよ」


リアンの背中を叩きながらティリーは笑いを噛み締める。


「いやぁ、大変そうだったなー」

「そう思うなら助けろよ」

「嫌だね。絶対やだね。止めたら代わりに付き合わされるから誰も何も言わなかったんだろ?馬鹿なのお前」

「……」


いつもなら思いっきり言い返してあわよくば一発いれるところも、今はそんな元気もない。確かに良い訓練をしたのだが、あの時どうしてお願いしますなんて一言を口走ってしまったのかと悔やまれる。


「まぁほら、早く飯行こうぜ?」




一つの机の周りには人が集まり、そこを占拠するリアンはまたも注目を浴びていた。


「……お前さ、いっつも思うんだけど」

「もぐもぐ……ん?」

「あんな動いた後でよくもまぁこんなに食えるよな」


ティリーの言葉に皆が共感したように頷く。リアンはひたすら手と口を動かしながら首を傾げた。


「……ごくん。動いたからこそ食べるんだろ?馬鹿か、お前」

「馬鹿の大食いはお前だ」


ピラフに魚のホイル焼き、ミートスパゲッティ、ピザ、蕎麦、麻婆豆腐、チキン南蛮、卵焼き……


「朝も思ったけどジャンルもうちょっと考えろよ。何だよ、スパゲッティと蕎麦って」

「どっちも旨いだろ」

「そういう事じゃねえ……」


机に並べられたありとあらゆるご飯は綺麗に平らげられた。

厨房へ持っていき、


「ごちそうさまでした。どれも美味しかったです。でも今回はお好み焼きが特に旨かったですね」


と言うと、アイリークが珍しく


「あいよ!そうか!?実は鰹だしを入れてみたんだよ。お前は和風が好きなのかもな……まあ旨くて良かったよ」


とニカッと笑って返事をする。

そしてその美貌に一部の男どもは内面のことを忘れ、ぽーっと見惚れる。


「……何見てんだてめぇら!さっさと仕事しろぉっ!」


そして怒鳴られる。

これももう日常になっていた。



午前にロメストに付き合ってもらい(付き合わされて)疲れていたため、食堂を出るとリアンは自分の部屋に戻った。ドサッと仰向けにベッドに寝転ぶと、睡魔が徐々に脳を侵食し、瞼が落ち、意識を飛ばそうとしたところに……


ゴンッ、ゴゴゴンッ


と、聞き覚えのある音。それに続けて、


コンッ、コココンコンココンッ


とふざけたような音。


バターンっ


「無視すんなおらっ!」

「またまたおっはよーございまーす」


たまたま非番なのであろう二人が酷く鬱陶しい。入ってきたのはウィズとティリーだった。


「うわっ、久々に来たけど家具少なっ」

「リアンは本当に引きこもりになってしまったねー」

「面倒だから」


最初にあった、机と椅子とベッド。クローゼットに服はあるが、一ヶ月でほとんど部屋の様子は変わっていない。


LEAPの人は自由に外に出られる。住む人はおこずかい、勤務人は給料を持ち、町では普通に買い物もできる。そこで自由に買い物をし、家具を揃えるのが普通なのだ。

だがリアンはエレメントが必要な時以外外に出るのを面倒がり、プライベートで出掛けたことがない。必要性を感じないのだ。


お金など持っていても使わないとカールに断りを入れたが、皆平等にということでガッチリと握らされた。そもそもお金などどこから貰っているのだろうか。

ともかく、お金は手付かずの状態で机の引き出しにしまっている。


「それにしてもここは殺風景すぎるだろ。これじゃ貧乏人だぜ?……は!!実はエロ本とかに使って金欠とか……」

「お前と一緒にするな」

「ちげぇよ!俺は写真とかはいらねぇ!生しか興味ないからな」


ティリーは腕を組み、ニヤッとどや顔をしてみせた。


「俺の部屋は服とかでいっぱいだわ。やっぱ女は見かけから入るからなぁ。困ったときはいつでも来い」

「遠慮する」

「女の良さが分からないとは……死ね!」

「そこまで!?てかそのことじゃない。お前に借りることはないって言ってるんだよ。マリーの仕事増やすな」


マジな顔をして叱責したティリーに思わずつっこんだ。こいつの女好きには困ったものがあるが、まぁこれも自分には関係ない。と思っている。


それより寝かせてくれ。


リアンは二人を無視して目をつむったが、今度はウィズが話し出した。


「僕の部屋も最高だよ。もう宝の山ー」

「お前の部屋はおもちゃだらけだろ」

「あれはおもちゃじゃない。僕が生きていくのに必要な立派な道具だよ!あれなしじゃ生きていけないねー」


一度覗いたことがあるが、ウィズの部屋は全くといっていいほど整理がされていない。そこらじゅうに玩具としか言えないものが散乱していた。まるで子供の遊び部屋だ。あれが何故生きていくのに必要なのか、リアンにはさっぱりわからないが、何やら二人で盛り上がり始めた。


「やっぱさ、自分の部屋が好きなもので満たされるってのはいいよな!」

「だよねー、なんか幸せに包まれてる感じがする!」

「そーそー、自分の居場所って感じがするしな」

「落ち着くよねー」

「「なー(ねー)。」」


15過ぎた奴が二人して何をやってるんだ、全く。

ハイタッチする二人を見て、すっかり目が覚めてしまった自分に気が付いた。


むくっ、と起き上がると二人はすでに部屋の外にいる。


「訓練場行こうぜ。つっても目の前だけど」

「はーやくー」

「……はいはい」




午前より人の数は減っていた。

リアンが剣を抜こうとすると、珍しくウィズが拳銃を取り出したのを目にした。ティリーも驚いたらしく、


「お?ウィズ。お前もやるのか?」

「そーそー、見ててねー」


見ててね?一人でやたらめったら撃ちまくるつもりではあるまいなと、リアンとティリーは武器に手をかけた。ティリーに対抗する術はないのだが、反射的にだ。


しかしウィズはそんなことをするつもりは毛頭ない。


「めーるば♪」


と優しく唇を当てると、自分の足元に一発。


パァン!


あの日のごとく、風の板が現れた。しかし今回は少し形態が異なる。球体のように広がるのではなく、円盤型の風の板が足元に浮かんで静止している。

そしてその少し上に二発目。


パァン!


少し上に三発目。


パァン!


十回ほど繰り返すと、階段のように円盤が並んだ。ウィズは一発目の風の板の上に足をかける。そして……乗った。


二人が内心ドキドキしながら見ている前で、ウィズは一歩一歩確実に登り、十段目で両手を広げて「はいっ」とポージングした。


「すごいな……乗れるのか」

「なぁ、俺も乗れるー?」

「たぶんねー」


たぶんかよ、とぶつくさ言いながらもティリーはゆっくりと足を掛けて登り始めた。足場は意外としっかりしていて、恐る恐る歩く割には揺れることもなく大丈夫そうだ。


九段目までいくと、そっと下を見た。


「うわっ、これ結構高さあるな……」

「リアンも来なよー!」

「いや、俺はいい」


するとティリーがさっきまでの慎重さを消し去り、板の縁に立ってリアンを見下ろす。いや、見下す。


「なんだお前、実はビビりか」

「はぁ?」

「あービビりかー、じゃあしょうがないねー」

「仕方ねぇなー俺がお手々繋いでやろうか?」

「ビビりじゃない。誰が繋ぐか」


そう言って一段目に足をかけるリアンを見て、ウィズとティリーは顔を見合せニヤッと笑った。

リアンは面倒だなーと思いつつ、ふと風板の異変に気が付く。なんとなくだが、若干薄くなった気がしたのだ。


「なぁ、ウィズ」

「んーなにー?」

「これっていつまで持つんだ?」


ウィズとティリーは顔を見合せ、小首を傾げると楽しそうにリアンを見下す。


「なんだ、やっぱびびってんのか!」

「リアンったらー」

「だから……」


リアンの疑問の意味を深く考えずにティリーはまた調子にのって騒ぐ。


「早く来いよ。俺が受け止めてやるぜ。あ、上からは無理か。わはははは」

「そーそー、いつまで持つかわからないんだから早く来なよー」

「そーだそー……え?」


ティリーがバッと後ろを振り返ると、満面の笑みでウィズが手招きしていた。さっきのが幻聴ではないのかと思うくらい平然としている。

しかし、確認しないわけにはいかない。


「……ウィズ?」

「ん?何ー?」

「今、何て言った?」

「早く上っておいでって?」

「じゃなくて……」

「?あぁ!それねー」


ウィズは階段に座り、足をぶらぶらさせながら笑顔で言い切った。


「これ挑戦するの初めてなんだー。だからいつまで持つかなんて分からないよ?でもうまくいってよかったー。なかなか頑丈だしねー。一発で成功させた僕、やっぱ優秀?いや、天才?こまっちゃうなー」


ウィズはそこまで言って、みるみる顔を青くさせたりするティリーを不思議そうに見つめた。

ティリーがぎこちなく振り返ると、ぱっとリアンは足を離す。そのとたんに一段目の風板がすっと空気中に溶け込むように消えた。リアンが足で触れようとするが、もうそこには何もない。


そして次々と、二段目、三段目、四段目と消えていく。


「うわ……あぁっ」

「うわーお、大変」


こういうときに肝が座っているのはウィズの方らしい。足場が消えていく様子を面白そうに見ている。

しかし本当にこれでは危ない。意外と高さがあるのだから、落ちれば怪我をしてしまう。どうにかしなければならない。


するとウィズが立ち上がり、片腕をピンと上に伸ばして


「もう一つ新しいのにチャレンジしまーす」


と叫んだ。ティリーが懇願するように見守る中、ウィズはもう一発を空中に放つ。


パァン!


もう一枚の風板が現れた。


「そうか!今度は低い方に撃っていけば……」


そう口にするティリーを放置して、ウィズはそれに乗る。板をじーっと見て何か考え出した。危機が迫っているティリーとしては気が気ではない。

ウィズは足を開き、横向きに構える。すると、すーーーーっと風板が動き出した。そしてウィズはサーフィンをしているかのように、空中を飛び始めたのだ。


「うわー、すげー!」

「見てみてー!すごーい!!」

「あぁ、すごいすごい」


まるで子供の考え。だがそれを叶えてしまうのがエレメントなのか。

ティリーも新しい技が出来上がった状況に興奮している。実際自由に飛べるようになったのは凄い事だ。しかし……


「ティリー。一応言うけど」

「おぉ!飛べ飛べー!ん?何だ?」

「危ないぞ?」

「ふん?あぁぁあ!!!」


その瞬間、九段目の風板が消え、ティリーの体は素直に重力に従う。


「どぅわぁわわぁあぁあ」


ドスンッ


「あちゃー」

「あちゃーじゃないだろ」


降り立つウィズに一つ叱責し、急いでティリーの元へ駆け寄る。かなりの高さがあったはずだ。まぁあいつなら大丈夫だろうが……


土煙がもんもんと上がるなか、少し離れたところからそっと声を掛ける。


「おーい、無事か?」

「大丈夫ー?」


返事はない。代わりに盛大にむせ混んだ音が聞こえ、土煙の中から土まみれのティリーが現れた。


「ギリギリ間に合ったなー」

「あ、ロメストー!」

「どうも」

「ありがとうございましたぁーー!」


訓練場に入ってくるロメストがいた。見ると、すっと槍の刃先が戻ってきた。どうやら助けられたらしい。恐らく風になって守ってくれたのだろうが、ギリギリだったために土には突っ込んでしまったようだ。


「お前ー!自分だけ逃げてぇ!!てか初めてやるのに俺を誘うな!危ない!危険!」

「ぐふぁっ、ぶふっご、ごめんー。次からは一番に試させてあげるから……」

「シャラップ!!!」

「ふべらっ」


ティリーによってウィズは見事に海老ぞりに固められ、「ギブギブ」と地面を叩いている。これはやられても仕方ない。


二人が取っ組み合いをしている時、


ツー、ツー、


と小さいが確かに耳に入る音が同時に鳴った。ロメスト、ティリー、ウィズはそれぞれのチークスを見る。

今の音はどうやら招集がかかったものらしい。


「このタイミングはおそらく同じ相手だろうなぁ。頼むぞティリー」

「任せといて下さいよ!」

「僕にもかかるなんて珍しいね。何でだろ?」

「ウィズはたぶん、さっきのことを怒られるんじゃないか?カール上から見てたぞ」

「うそー!?」

「うははははは、ざまぁみろ!!」


そんな呑気な会話とは裏腹に、三人は素早い動作で連絡室へ向かった。これから命を賭けるのだ。あの様子では、ウィズも着いていくのだろう。


静かに見送ってから、誰も居なくなった訓練場でそっと目を閉じる。


サラッ、サラーーーッ


「?」


ふと違和感を感じて目を開けると、靴が半分ほど砂に埋まっていた。気が付けばこんな風に変なことが起こっているのはよくある。毎度不思議に思うのだが、理由なんてわからないし、特に興味もないので放っている。


今回も同様、ぺっぺと砂を払って部屋へ向かった。




ごろっとベッドに横になり、目をつむる。


正直なところ、あの三人に対して不安はあるが心配はしていない。怪我をして帰ってきたところなど見たことがないからだ。最前線で戦うロメストは多少のかすり傷はあるようだが、その程度ですむのが凄い。あとの二人など戦おうともしていない気がする。


どうせすぐに帰ってくる。


それでウィズが夕飯前に起こしに来て、またアイリークの美味しいご飯を食べて、皆が大浴場に浸かったりしている内にパッとシャワーを済ませ、またいろんな人と雑談をして寝るだけだ。


リアンはすっと眠りに落ちた。



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