17、メロメロ
ハンバーガーを食ってから俺達は表に出た。
それから俺は背伸びをする。
そして「どうする。唯華。帰るか」と聞く。
唯華はスマホで時間を確認した。
「そうだね」
「分かった。今からお前を送り届ける」
それから俺達はそのまま車に乗る。
そしてエンジンをかけてからそのまま俺達は家に帰宅する。
唯華を家に送る。
そして車が唯華の自宅前に来るなり「お兄」と唯華が言った。
俺は「どうした」と唯華を見る。
「今日はありがとうね」
「何もしてないぞ」
「でも一緒にデート楽しかった」
そして唯華は笑みを浮かべる。
俺は「そうか」と言いながらエンジンを止める。
それからドアを開ける唯華を見る。
すると降りた唯華が窓を叩いてきた。
俺は窓を開ける。
「どうした。唯華」
「はい。お礼」
それから唯華はいきなり俺の頬にキスをした。
俺は驚愕してから「オイ馬鹿!?」と言う。
唯華はニコッとしてから「じゃあね。お兄」と去って行く。
あのクソ馬鹿。
「全くな」
そんな感じで文句を言いながら窓を閉めて車を運転して集合住宅を出た。
すると電話がかかってきた。
それは未来からだった。
俺はハンズフリーで電話をする。
「未来か。どうした」
「お兄さん。学校が終わったので来ませんか」
「マジに言ってる?そもそも入れないだろう」
「特別許可貰ってます」
「は?」
俺は絶句しながら「保護者、という形です」と言う未来に「あのな」と言うが。
未来は「良いんですから」と言う。
ったくコイツは。
「分かったよ…」
それから俺は路肩に停まりスマホを確認する。
そしてエンジンをまた始動させた。
未来曰く車で入校出来るらしい。
俺は額に手を添えながら車で向かった。
☆
「お兄さん」
校舎内に入る許可を貰って中に入るなり未来が俺の腕に自らの腕を回した。
オイ!
そう思いながら「未来。あのな」と言う。
未来は「良いじゃないですか」と言いながら笑顔になる。
「未来ちゃん!」
そんな声がする。
運動着姿の美弥だった。
俺は「おお。それか。美弥」と言う。
美弥は胸を隠す仕草をする。
「目つきがいやらしい」
「女子高生をそんな目で見たら犯罪だろ」
「でもお兄ちゃんだし」
「無いわ!」
それから話をしていると「あらあら」と声がした。
横を見るとそこにお淑やかさ満載の教諭?らしき人が居た。
美弥が「私達の担任の上田さんだよ」と言う。
俺は絶句してから「は、初めまして」と頭を下げる。
「初めまして。上田美紀子です。担任です」
「は、はい」
俺は汗を流しながら反応する。
すると上田先生は少し沈黙してから「あの」と言う。
俺は顔を上げた。
「その。つかぬ事をお聞きしたいのですが。湘南唯華さんの保護者様でもあると」
「は、はあ。こいつら曰くそうはなっているみたいです。嘘に近いですけど」
「でも近しい存在の方ですよね?」
「まあ、はい」
「湘南さんはお元気でしょうか」
「!」
本気で心配している様な顔をする上田先生。
俺は少し考えてから「はい。元気です。彼女、学校にも行きたいって言ってました」と答える。
すると上田先生は「家庭訪問を何回か重ねていますが会える回数が少なくて」と言う。
俺は「そうだったんですね」と話す。
「近況が気になってしまって」
「今のところは心配要らないとは思います。でも例の件もありますしね」
「そうですね」
そんな会話をしていると俺を美弥が引っ張った。
それから「早速行こう」と言う。
俺は「オイ馬鹿。上田先生に失礼だろ」と言う。
上田先生は「私も行きますよ」と笑みを浮かべる。
「すいません。なんだか俺、場違いだと思うんですけど」
「いえ。せっかく来て下さりましたからお話をしたかったのもあります」
「すいません」
それから俺は美弥と一緒に部活動を見に行く。
それはバレーボール部だった。
俺は驚きながらバレーボール部を見る。
☆
男子と女子が別々で練習をしている。
その中を俺は入館の証を持ってから拝見する。
当時と変わらないバレーボール部だ。
つまり俺が卒業した時と何ら変わらない。
「美弥ちゃんの部活って格好良いよね」
「怪我ばかりだけどね。私」
未来と美弥がそんな話をする。
俺は選手達を見ていると男子達に見られているのに気が付いた。
というよりも。
嫉妬の眼差しをしている気が。
俺は苦笑いを浮かべながらその場を移動した。
「どうしたの?お兄ちゃん」
「お前な。察しろ。お前と未来の事で俺に嫉妬しているんじゃないのか。あの男子選手達は」
「え?」
「え?じゃねーよ」
俺は苦笑いを浮かべながらもう一度、男子生徒達を見る。
男子生徒達は明らかに嫉妬している様な感じだ。
そりゃそうだろうな。
美弥も未来も天下の美少女だ。
だったらそうなるわな。
「こっち行きましょうか。お兄さん」
未来がその視線を躱す様に女子達を見る。
女子達は美弥と上田先生に気がついてから頭を下げた。
それから1人の女子が話しかけてきた。
「美弥さん。その人は?」
「私のお兄ちゃんです」
「え?」
「え?」
目を丸くする女性。
俺は「じゃなくて。初めまして。俺は林田雪穂と言います。保護者みたいなもんです」と身長が175センチ以上はありそうな恐らくはキャプテン?と思われる人に挨拶をする。
するとその女性は「初めまして。私は神田美琴と言います。3年生でキャプテンです」と言う。
俺は「そうなんですね」と言う。
「それにしてもようやっと会えました」
「え?」
「いや、いつも美弥さんが理想の私の彼氏って言っているんです」
「お前な」
俺は美弥の頬をぐにぐにする。
すると美弥は「やめれー」と言った。
そして咳ばらいをしながら「そうなんですね」と言う。
苦笑する神田さん。
「そうですね。でも彼女の実力は本物ですよ」
「そうなんだな。ふーん」
「あ、お兄ちゃん。実際に見てないから言えるんだよね?そうやって」
「まあ見ない事には」
美弥はぷんすかになる。
神田さんの指示で女子達はコートの外に出る。
それから神田さんと美弥の一対一になる。
「じゃあ見ていてよ。お兄ちゃん」
「分かったよ」
そしてストレートなアタックを神田さんに放つ美弥。
滅茶苦茶に強い華麗なるアタックに男子達もメロメロに。
うぉい。
いつの間にか男子達も野次馬になって観ているぞ。
試合はどうした。
「しかし成長したな」
俺は前を向き背後の奴らに苦笑しながらそう呟きながら俺は未来と上田先生と一緒に技を見せてもらう。
そして俺は(鼻が高い)と思う。
美弥は強くなったな。
一応は自分の好きな事もやっているし。
良かったんじゃないだろうか。




