11、隣街+都会=クソガキ?
☆
湘南唯華の事は詳しくは知らなかった。
丁度、美弥の紹介で知り合ったという事だけは知っている。
生意気なクソガキという事だけは覚えている。
ある日、空き地に呼び出されて俺は美弥に紹介を受けた。
「この子はね。私達の共通の友人の湘南唯華ちゃん!」
「……宜しく」
俺を見るなり少し委縮する湘南さん。
そんな湘南さんに「初めまして」と膝を折って話しかける。
湘南さんは俺を見てから地面を見てからを繰り返す。
「唯華ちゃん。この人は恐れなくて良いよ。私が保証する」
「オイコラ。この人とはなんだ」
「えへ」
美弥はてへぺろとする。
俺は溜息を盛大に吐きながら「なあ。湘南さん」と聞いてみる。
すると湘南さんは「は、はい」と緊張して返事をする。
「どんな事をして遊ぼうか」
「じゃ、じゃあサッカーで」
「お、良いね。女の子なのにサッカーか」
確かに褐色肌でしかもスポーツ系な顔をしているしな。
短髪で動きやすそうな感じだし。
俺は「負けないぞ」と言いながら湘南さんを見る。
湘南さんは「あ、はい!」と笑顔で返事をした。
☆
結論から言って。
というかずるいんだが。
俺は美弥をジト目で見る。
美弥は勝ち誇った顔をしていた。
「お前な。一人の男子に対して3人で襲い掛かるとは」
「えへへ」
「えへへ、じゃねーよ」
「アハハ。お兄さん強いです」
そんな感じで話していると湘南さんが近付いて来る。
俺は「湘南さん。どうしたんだ」と聞く。
すると湘南さんは「強かったです」と言いながら笑顔を浮かべた。
そして「お兄」と言った。
「湘南さん……」
「私の事も唯華で良いっす」
「唯華か。分かった。じゃあ唯華。これからよろしくな」
それから俺は3人でサッカーをするのを見守りながら俺は少し休憩した。
そして俺はそのままスポーツドリンクを飲んでから空を見上げる。
しかし進学も考える時期に入っているな。
時期は4月。
あと1年ぐらいしかない。
そう思っていると未来がやって来た。
「お兄さん」
「ああ。どうしたんだ。未来」
「今度、一緒にどこかに遊びに行きませんか。みんなと一緒に」
「え?しかし」
「良いですから」
そして笑顔になる未来。
俺は「この辺りに遊ぶ場所無いから町出るか」と言う。
すると「え!!!!!」と声がした。
それは美弥だった。
「この町出るの!?」
「そ、そうだが」
「じゃあとかい行くの!?」
「違うぞ。街に出るぞ」
「え!楽しみ!」
いやそれだと都会も街もごっちゃかよ。
そう思いながら俺は顎に手を添える。
そうだな。
隣町の天神とかどうなのだろうか。
天神なら1時間半?ぐらいの時間……しかしなぁ。
「天神とかどうなんだ?」
「それ良いかも!」
駄目だコイツら。
マジに都会=天神になって夢見ている。
しかし小学生を引き連れて天神かぁ。
間違われそうなんだが。
「お兄さん。だめですか……?」
「うぐ」
「お兄ちゃん!行きたい!!!!!」
「ぐぅ」
「私は生まれて行ったことない」
「ぐは」
仕方がねぇな!
そう思いながら俺は未来、美弥、唯華の3人の両親に許可を貰う為に考える。
それから俺は溜息を吐いた。
未来の両親が大変だがまあ仕方があるまい。
☆
「天神だァ!!!!!」
許可を何とか得た。
地下鉄を出てから地下街。
美弥が叫ぶ。
俺は「オイ馬鹿。叫ぶな」と注意する。
すると唯華が「すっげー」と言いながら周りを見渡した。
「若い人、外国人、観光客だね」
「そうだな。確かに」
未来と唯華がそんな話をする。
俺はそんな3人を引き連れて歩き出す。
天神の地下街は所謂、レンガ、洋風の造りの空間だ。
だけど最新鋭の色々なショップが入っている。
「〇ルコか。行くとするなら」
「確かにそうかもですね。私達、女子ですし」
「それか天神コ〇とかか?」
「それは何というか潰れたって言ってた」
ああそうだっけ?
俺はそんな事を考えながら溜息を吐く。
すると美弥が「トイレ!」と言ってトイレの方角に行った。
俺はその事に残る2人を見る。
「トイレ行ってきたらどうだ」
「そうですね」
「だね」
それから俺は3人を見送ってから歩いてトイレの前で待つ。
すると最初に唯華が出て来た。
唯華と未来。
オイ美弥はどうした。
「お前ら。美弥はどうした?」
「美弥ちゃん?美弥ちゃん出て来てないですね」
「まさかアイツ!?」
連れ去られたとか!?、と思っていたのだが美弥は傍の可愛い人形焼き?らしき店に入って涼んでいた。
このクソガキ。
そう思いながら「美弥。お前な。出てたなら言えよ」と言う。
美弥は「ごめんなさい」と謝る。
「それにしても可愛いね。このお店」
「そうだな。博多人形焼きの店か」
猫とかもモチーフにある。
俺はその人形焼きを見ていると唯華が「お兄。どういうのが好き?」と聞いてきた。
その言葉に「え?俺か?俺は猫かな」と言う。
唯華は「そうかー」と話してから「可愛いよね」とショーウィンドウを見た。
俺は「ああ」と返事をした。
「私は猫も好きだけど犬も好きかも。可愛いなぁ」
「美弥はどういう犬が好きだ?」
「私はマルチーズかな」
「マルチーズか。良いな」
「私はお兄さんと同じ猫が好きです」
そして俺の腕に自らの腕を回してきた未来。
オイコラ。
これじゃまるでカップルじゃねーか。
そう思いながら「未来。こら」と言う。
美弥が眉を顰めていた。
「未来ちゃんぅ」
「仲が良いんだね」
「唯華も止めてよ!」
止めるとかそういうんじゃなくて未来を剥がしてくれ。
これじゃあ誤解に誤解される。
そう思いながら居ると「あれ?」と声がした。
高校のクラスメイトの泉里佳子が居た。
ポニテをしている真面目系の女子だ。
「何をしてるの?」
「あ、ああ。実は」
「デートです」
「……」
泉が「え」と俺達を見てドン引きしている。
そりゃそうなる……ってこらぁ!未来は何を言ってんだ!
泉の気配が下がって行っているからなぁ!
「その子達、しょ、小学生だよね?そ、その」
「泉。誤解だ。デートじゃない。コイツらを天神に遊ばせに来た」
「お兄ちゃんとイチャイチャしています!」
「……」
ドン引きだ!
そう思いながら泉に向く。
泉は「そ、そうなんだ。……じゃ、邪魔だったね」と手を挙げて滅茶苦茶にドン引きして去って行く。
誤解だっ!
面倒だぞオイ!




