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09 休憩と言う名の説明会

説明会が終わると、俺たちは休憩用に用意された家屋へ移動した。


中には長机と椅子が並べられており、十五人が入っても余裕がある広さだった。


ようやく腰を下ろせる。


そう思ったのも束の間だった。


「休憩しながらで構いませんので、今後の予定について説明いたします」


ヨシュアがそう言って前に立つ。


やはり、すぐには解放してくれないらしい。


俺はため息を飲み込み、話へ耳を傾けた。


内容をまとめると、こうだった。


目的地はギルモア領の領都ギルセニア。


道中は約十日。


その間に四つの村や街へ立ち寄り、一泊ずつする予定らしい。


それ以外の日は野営。


さらに旅の間は、それぞれに担当騎士が付き、能力に応じた戦闘訓練を行うという。


剣聖には剣士。


拳聖には格闘術の使い手。


魔導士には魔術師。


そんな具合だ。


もっとも――。


「商人と運搬屋については、適任者がおりません」


ヨシュアは俺と小学生の少女へ視線を向けた。


「そのため私が担当いたします」


少女の肩がびくりと震える。


だがヨシュアは構わず続けた。


「とはいえ、私は全体指揮が本来の役目です。十分な時間は割けないかもしれません」


つまり放置気味になるということだろう。


辺境伯の評価といい、扱いの差が分かりやすい。


また、辺境伯とシルビア大司教は別行動で領都へ向かうらしい。


旅に同行するのは、俺たち異世界人八名と、ヨシュアを含む騎士七名。


合計十五名とのことだった。


一通り説明を終えると、ヨシュアが周囲を見回した。


「質問があれば受け付けます」


ここで質疑応答に入る。


「はい」


最初に手を挙げたのは巫女の女子高生だった。


「レベルアップって、魔物を倒さないとできないんですか?」


「いいえ」


ヨシュアは首を横に振る。


「基本的には敵を打ち破った経験が糧となります。魔物である必要はありません」


「ただし低レベルのうちは成長が早く、高レベルになるほど成長しにくくなります」


なるほど。


そこもゲームっぽい。


「また例外で職業に準じた行動に対するレベルアップをすることもありますが、戦闘が主だった活動になる貴方たちには関係ありません」


職業に準じた行動。


商人なら商売でもするのだろうか。


もっとも、今の話を聞く限り、俺にそんな機会が与えられるとは思えなかった。


すると今度は剣聖の男子高校生が手を挙げた。


「さっきスキルの話があったけどさ」


彼は少し困ったような顔をする。


「なんか俺、もう使えそうな気がするんだよな」


その言葉に、


「俺も」


「私も」


「あ、それ分かる」


高校生たちが次々に同意した。


ヨシュアは目を見開く。


「ほう」


そして嬉しそうに頷いた。


「それがおそらくスキルです」


「低レベルの段階から感覚を掴めているとは素晴らしい」


「明日からの訓練で確認してみましょう」


高校生たちの顔が一気に明るくなる。


まるでゲームの新要素を見つけた子供のようだった。


若いな。


そう思いながら周囲を見る。


すると――。


運搬屋の少女も、小さく頷いていた。


さらに斥候の女性も。


どうやら何か心当たりがあるらしい。


俺は首を傾げる。


そんな感覚、俺にはない。


スキルを使えそうな気配も。


能力を感じる感覚も。


何もない。


……あれ?


もしかして。


おかしいのは俺なのか?


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