37 セル村の宿にて③
自室に戻ろうとすると、太陽君に声をかけられた。
「佐伯さん、今、少しお時間いいですか?」
「構わないよ。部屋で話そうか」
今日の宿も太陽君と同室なので、そう答えたのだが、太陽君は少し困ったように首を振る。
「いえ、他のやつらもいるんで、勇樹たちの部屋に来てもらいたいんです」
「そういうことなら、分かった」
太陽君に続いて神代君の部屋へ向かう。
中に入ると、高校生たち5人が揃っていた。
「それで、今日はどうしたんだ?」
俺が尋ねると、どうやら《鑑定》をしてもらいたいらしい。
俺は快諾し、一人ずつ《鑑定》を使っていく。
すると、次々と情報が頭の中へ流れ込んできた。
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名前:神代 勇樹 年齢:18歳
職業:剣士 能力:剣聖
レベル:12
固有スキル:武神降臨、万物両断
受動スキル:冷徹な一撃
武器スキル:大剣、小剣、刀
(渾身兜割り、破竹斬り、空刃斬、横一文字、絶影)
魔法スキル:風魔法
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名前:藤堂 漣 年齢:18歳
職業:武闘家 能力:拳聖
レベル:11
固有スキル:阿修羅業火、迅雷風烈
受動スキル:剛拳無双
武器スキル:素手
(瞬光連鎖、轟天連脚、爆熱連閃)
魔法スキル:火魔法
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名前:谷本 太陽 年齢:18歳
職業:騎士 能力:槍聖
レベル:11
固有スキル:神槍の使い手、神聖なる守り
受動スキル:神の盾
武器スキル:槍
(薙ぎ払い、一閃、大車輪)
盾
(シールドバッシュ、アンバーシールド)
魔法スキル:土魔法
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名前:谷本 若葉 年齢:17歳
職業:巫女 能力:聖なる力
レベル:6
固有スキル:天賦の魔才
受動スキル:天啓の加護
武器スキル:杖
魔法スキル:聖魔法
(ヒール、ピュリファイ、バフ、レイ)
水魔法
(ウォーターボール、ウォータージェット)
雷魔法
(サンダーボール、サンダーウィップ)
生活魔法
(清、水、電気)
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名前:山本 真紀 年齢:16歳
職業:魔導士 能力:全知の系譜
レベル:10
固有スキル:
受動スキル:神智根源、魔皇の息吹
武器スキル:杖
魔法スキル:火魔法
(ファイアーボール、ファイアアロー、ファイアーストーム)
水魔法
(ウォーターボール、ウォータージェット)
風魔法
(ウィンドカッター、サイクロン)
土魔法
(ストーンバレット、ストーンウォール)
生活魔法
(火、水、風、土)
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流れてきた情報をそのまま伝えながら、気になったところについて俺なりの考えも付け加えていく。
「神代君は、前回の《鑑定》と比べると、技が進化しているみたいだね。《兜割り》が《渾身兜割り》になっているし、レベルも上がっているようだ」
「そうなんですか?」
神代君は自分の手を見ながら、少し照れ臭そうに笑った。
「藤堂君は、蹴り技もあるみたいだね。次の戦闘で試してみたらどうかな?」
「火魔法も使えるみたいだから、真紀さんに教わるのも強くなる一つの手段かもね」
そう伝えると、藤堂君はすぐに真紀さんのほうを向いた。
「よろしく頼む」
真紀さんは少し驚いたような顔をしたあと、頷いた。
「太陽君は、盾が使えるようだよ。守りのスキルっぽいから、盾を使ってみるのもアリだろうね」
「それに、太陽君も土魔法が使えるみたいだから、これも真紀さんに教わるのがいいんだろうね」
「分かりました!」
太陽君は大きく頷いた。
「若葉さんは、前回の《鑑定》からレベルが上がってるね」
「どうもレベルが上がると、使える技や魔法が増えるみたいだよ。お互い頑張ろうね」
「はい!」
若葉さんは嬉しそうに返事をする。
最後に、真紀さんのほうを見る。
「真紀さんは、多くの魔法が使えるみたいだから、幅を広げるために色々使ってみるのがいいかもね」
「正直、俺には魔法スキルが無いから適切なことは言えないけど、同じ魔法スキルを持っている人同士で、色々と意見交換し合うのも一つの手段じゃないかな」
そう話しても、真紀さんから返事はない。
見ると、自分の《鑑定》結果に驚いているのか、声も出せないようだった。
そんなふうに、それぞれが自分の結果に一喜一憂している。
その様子を見ながら、俺は少し迷ったあと、話し始めた
「俺、雪乃さん、茉奈ちゃんの三人は、近々、この旅から抜け出そうと思っている」
その言葉に、5人の表情が一斉に変わった。
驚いた顔を見せたあと、すぐに真剣な表情になる。
「トーマスの件ですか?」
太陽君が尋ねてきた。
「そうだ」
俺は頷き、今日あったことと、そのあと三人で話し合った内容を伝えた。
すると、神代君が口を開く。
「トーマスの目つきがヤバいことは、俺らも知ってました」
「なので、それとなくトーマスに話をして、茉奈ちゃんから遠ざけるようにしていたんですけど……」
そこで神代君は言葉を切り、表情を曇らせる。
「ついにやっちゃいましたか、あいつ」
その言葉を聞いた藤堂君も、怒りを隠せない様子で口を開いた。
「あいつ、やっちゃおうか?」
その気持ちは分からなくもない。
だが、俺たち三人で話し合った結論は変わらない。
「騎士たちには勝てるだろうけど、今戦うのは得策ではない」
俺がそう言うと、藤堂君も黙ってこちらを見る。
「今日明日にでも出ていくって話でもない。準備も必要だし、色々と考えてから動くつもりだ」
「だから、ここを去るときは、みんなに声をかけるよ」
そう伝えると、5人はそれぞれ頷いた。
もちろん、茉奈ちゃんの《テレポート》と、廃村を拠点とすることについては話していない。
それは、まだ俺たち三人だけの秘密だ。




