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37 セル村の宿にて③

自室に戻ろうとすると、太陽君に声をかけられた。


「佐伯さん、今、少しお時間いいですか?」


「構わないよ。部屋で話そうか」


今日の宿も太陽君と同室なので、そう答えたのだが、太陽君は少し困ったように首を振る。


「いえ、他のやつらもいるんで、勇樹たちの部屋に来てもらいたいんです」


「そういうことなら、分かった」


太陽君に続いて神代君の部屋へ向かう。


中に入ると、高校生たち5人が揃っていた。


「それで、今日はどうしたんだ?」


俺が尋ねると、どうやら《鑑定》をしてもらいたいらしい。


俺は快諾し、一人ずつ《鑑定》を使っていく。


すると、次々と情報が頭の中へ流れ込んできた。


===============================================

名前:神代 勇樹  年齢:18歳

職業:剣士    能力:剣聖

レベル:12

固有スキル:武神降臨、万物両断

受動スキル:冷徹な一撃

武器スキル:大剣、小剣、刀

(渾身兜割り、破竹斬り、空刃斬、横一文字、絶影)

魔法スキル:風魔法

===============================================

名前:藤堂 漣   年齢:18歳

職業:武闘家   能力:拳聖

レベル:11

固有スキル:阿修羅業火、迅雷風烈

受動スキル:剛拳無双

武器スキル:素手

(瞬光連鎖、轟天連脚、爆熱連閃)

魔法スキル:火魔法

===============================================

名前:谷本 太陽  年齢:18歳

職業:騎士    能力:槍聖

レベル:11

固有スキル:神槍の使い手、神聖なる守り

受動スキル:神の盾

武器スキル:槍

(薙ぎ払い、一閃、大車輪)

      盾

(シールドバッシュ、アンバーシールド)

魔法スキル:土魔法

===============================================

名前:谷本 若葉  年齢:17歳

職業:巫女    能力:聖なる力

レベル:6

固有スキル:天賦の魔才

受動スキル:天啓の加護

武器スキル:杖

魔法スキル:聖魔法

(ヒール、ピュリファイ、バフ、レイ)

      水魔法

(ウォーターボール、ウォータージェット)

      雷魔法

(サンダーボール、サンダーウィップ)

      生活魔法

(清、水、電気)

===============================================

名前:山本 真紀  年齢:16歳

職業:魔導士   能力:全知の系譜

レベル:10

固有スキル:

受動スキル:神智根源、魔皇の息吹

武器スキル:杖

魔法スキル:火魔法

(ファイアーボール、ファイアアロー、ファイアーストーム)

      水魔法

(ウォーターボール、ウォータージェット)

      風魔法

(ウィンドカッター、サイクロン)

      土魔法

(ストーンバレット、ストーンウォール)

      生活魔法

(火、水、風、土)

===============================================


流れてきた情報をそのまま伝えながら、気になったところについて俺なりの考えも付け加えていく。


「神代君は、前回の《鑑定》と比べると、技が進化しているみたいだね。《兜割り》が《渾身兜割り》になっているし、レベルも上がっているようだ」


「そうなんですか?」


神代君は自分の手を見ながら、少し照れ臭そうに笑った。


「藤堂君は、蹴り技もあるみたいだね。次の戦闘で試してみたらどうかな?」


「火魔法も使えるみたいだから、真紀さんに教わるのも強くなる一つの手段かもね」


そう伝えると、藤堂君はすぐに真紀さんのほうを向いた。


「よろしく頼む」


真紀さんは少し驚いたような顔をしたあと、頷いた。


「太陽君は、盾が使えるようだよ。守りのスキルっぽいから、盾を使ってみるのもアリだろうね」


「それに、太陽君も土魔法が使えるみたいだから、これも真紀さんに教わるのがいいんだろうね」


「分かりました!」


太陽君は大きく頷いた。


「若葉さんは、前回の《鑑定》からレベルが上がってるね」


「どうもレベルが上がると、使える技や魔法が増えるみたいだよ。お互い頑張ろうね」


「はい!」


若葉さんは嬉しそうに返事をする。


最後に、真紀さんのほうを見る。


「真紀さんは、多くの魔法が使えるみたいだから、幅を広げるために色々使ってみるのがいいかもね」


「正直、俺には魔法スキルが無いから適切なことは言えないけど、同じ魔法スキルを持っている人同士で、色々と意見交換し合うのも一つの手段じゃないかな」


そう話しても、真紀さんから返事はない。


見ると、自分の《鑑定》結果に驚いているのか、声も出せないようだった。


そんなふうに、それぞれが自分の結果に一喜一憂している。


その様子を見ながら、俺は少し迷ったあと、話し始めた


「俺、雪乃さん、茉奈ちゃんの三人は、近々、この旅から抜け出そうと思っている」


その言葉に、5人の表情が一斉に変わった。


驚いた顔を見せたあと、すぐに真剣な表情になる。


「トーマスの件ですか?」


太陽君が尋ねてきた。


「そうだ」


俺は頷き、今日あったことと、そのあと三人で話し合った内容を伝えた。


すると、神代君が口を開く。


「トーマスの目つきがヤバいことは、俺らも知ってました」


「なので、それとなくトーマスに話をして、茉奈ちゃんから遠ざけるようにしていたんですけど……」


そこで神代君は言葉を切り、表情を曇らせる。


「ついにやっちゃいましたか、あいつ」


その言葉を聞いた藤堂君も、怒りを隠せない様子で口を開いた。


「あいつ、やっちゃおうか?」


その気持ちは分からなくもない。


だが、俺たち三人で話し合った結論は変わらない。


「騎士たちには勝てるだろうけど、今戦うのは得策ではない」


俺がそう言うと、藤堂君も黙ってこちらを見る。


「今日明日にでも出ていくって話でもない。準備も必要だし、色々と考えてから動くつもりだ」


「だから、ここを去るときは、みんなに声をかけるよ」


そう伝えると、5人はそれぞれ頷いた。


もちろん、茉奈ちゃんの《テレポート》と、廃村を拠点とすることについては話していない。


それは、まだ俺たち三人だけの秘密だ。


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