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33.緋炎海賊団 VS ウルティオー海賊団との激闘開始!!

読んで頂きありがとうございます。

この章から読まれた方は、是非【ユキア・サガ 航海① ネフシュタンの魔片 第一巻 第1章】から読んで頂けますと、幸甚です。

続きの方は★★★からとなります。

 暗い、密林のとことどころに夕照の木漏れ日が射しこんでいる。

 

 が、その微かな光は足下を頼りにできるものではない。


 野生の果樹、椰子、竜舌蘭尚が生命力豊かに生い茂り、

 そうした樹々には蔦が絡み垂れ下がっている。

 

 ほの暗く蒸し暑い空間に、ヒュンッ!! と空気を切り裂き

 鏃の如き耀きが間断なく走っていた。

 

 銀の術刀が突き刺さった場所は

 それがどこであれ黒緑に変色してしまう。


 樹々は暫くしてそこから崩れ折れ、地面には大きく

 ぷくぷくと泡を立てて、大きな穴を開けた。


 ドクター・ポイズンは気味悪くにやけ喜んでいる。


「はい。その素早さは素晴らしい。私の手術刀攻撃を

 ここまで見事のかわすとはっ!

 はい。ということはお前は幽霊ではないということですねぇ。

 幽霊なら攻撃をかわすことはないでしょうから」


 ドクターは「はい。然し幽霊船に間違いない。はて?」

 自問する。

「どういううこでしょう?」


 が、ドクターは「さすがは猿の人獣!

 何としても捕縛したい。

 そして、是非解剖してみたいですね。

 嬉し気に話題を変えた。


 幽霊船のことは答えが出なっかったのだろうと、

 おいらは思っているでごわす。


 然し、おいらは頭上から湯気を立て

「だぁれが人獣でござるかー!! ヒト族でござるよ!!」


「はい。可哀そうに。

……人語が話せるから自分が人間だと勘違いしてるようですね。

 正に珍獣、是非その脳をこの手で切り裂いてみたい……」


「ウキキキキッ!」ザザが怒鳴り返す。

「誰が珍獣でござるかー!?

 人間でござるよ。

 ザザ・ヴォラーレ17歳! 青春真っ盛りでござる」


「ご猿、ご猿って言いながら自分が猿の人獣って

 わかってない知能の低さがもう……」


 ドクターは最後までザザの口上を聞かずににやけて居いこしている。


 おいらは「それはそういう意味じゃないでござるっ!」両こぶしを握り

 猿みたいに貌を真っ赤にしてザザは激怒した。

 が、胸懐では敵の正確な手術刀と、それに

 塗布された刃猛毒を警戒している。


 掠るだけで、そこはどろどろに腐敗してしまうでござる故・


――さてどう闘うでござるか……?」



 ※※※※※



 蒸し暑く薄暗い熱帯雨林。


 樹々に絡まり、ぶら下がっている蔦が、

 想像以上に視界の進路の邪魔になって仕方ない。


 地面から這い出ている樹々の値も同様だった。


 光は微かに夕陽が零れているが、密林の中では頼りにならない。

 

 幽鬼に発見されてはならぬという恐れが、 

 海賊達、海軍達に息を顰めさせ、

 緊張感が蜘蛛の糸となって密林中に張り巡らされている。


 時折通り抜ける 

 じとっとした風で、熱帯林の葉がざわめく。


 折しも切り株の上に、ゴツゴツした岩がのっているのを見て

 私は違和感を抱いた。


 切り株の上に岩を置いて崇拝する自然崇拝など、

 背貌中探してもないだろう。


 私はもし目指す標的が岩松の木人でなかったら、

 発見不可能だったろうと今つくずく実感している。

 ロックの情報とユキア様の命令がなければ、

 気付けなかったかもしれない。


 息を殺し私がそれを注視していると……。


「話が違うって。幽霊船が来るって聞いてないって!」

 岩が愚痴った。



 右の2本の枝腕で頭の後ろを激しくガリガリ掻いて、

 何かが飛び散っていく。


「本当に頭にくるって! おまけに幽霊まで襲ってくるって

 全っ然っ聞いてなかったって!」


 私は火さする何かをじっと見ている。

 

 それが苔だと気付くまで然程の時間を必要としなかった。


「心配する」私は言葉少なに告げた。「私は幽霊じゃない」


 岩松の木人は一瞬びくっとしたが、

 振り返りざまに放つ葉――飛針!


――シュッ!


 暗がりを抉り私に襲い掛かって来た。

 

 私はそれは予測済みだったので――皓刃一閃!


 右の手には皓き刀紋美しき名腰笹の雪。


 笹に積もった雪が落ちるが如き切れ味を持っている。


 見事10本の飛針を見事に一振りで斬った。


 同時に投撃する左手で放つ2枚の手裏剣!


 だが、眉間と喉元を狙った高度な攻撃は、

 高い金属音を輝かせ、悉く弾かれてしまう。


 コンディの岩肌の堅さは尋常ではなく、想像以上だった。


「凄い技と腕を持ってるねって!」

 コンディは白眼の無い円らな黒褐色の双眼をパチパチさせている。


 私はコンディの意外な素直さに当惑した。


「けど、痛くもかゆくもないって」

 コンディはケロッとしている。


「つーか、あんたが幽霊じゃなくて良かったって。

 あれ?

 でもなんで砲弾は船をする抜けたのかって?

 どーして、突然消えて、また現れてのかって?

 あと、海の上を走ってた幽霊達はどこに行ったのかって?」


 私はユキア様に命じられた通り、

 この木人を捕縛しなければならない。


 だからコンディとの会話には付き合わず、

 今度はその肉体の中で岩ではない、左眼狙い撃つ苦無!


 木人は動じることなく左眼を閉じた。


――キンッ!


 苦無も金属音を残して地に落ちてしまう。 


★★★「ちょっ!」コンディは幽霊船が余程怖いのか

「質問に答えてって」


 私は声を荒らげて「少し黙れっ!」


 ユキア様の見えない左眼となる為、私は己の主の左側を

 常に自分の位置としている。


 それ故10時方向へ進むこととなった。


 面倒臭そうな相手に当たってしまったことを、胸中で嘆く。


 こんな煩い奴の相手は、ザザが適任だろう。


 然れど、この度は運が悪かったと思うしかない。


 私の双瞳に、氷の氷に闘気が宿る。



 ※※※※※



 俺は、コールドが密林に逃げ込んで、悪戦苦闘しながら

 城塞へ向かう姿を見ている。


 自然をそのまま残している原生林。


 あちこちにぶら下がっている蔦や露出している樹々の根が、

 コールドの進路を邪魔していた。


 その上夕陽の光を濃く深い緑が殆ど阻んでしまい、視界が悪い。


 コールドは自慢の剣槍刺斬を腰から抜き蔦や枝や根を、

 あらん限りの悪態をつきながら、切り裂きつつ足を運んでいる。


 だが俺には鍛えた忍者の目に加え、様々な眸術ヲ操る

 黒蒼眼がある。


 だから視界は良好だ。


 然も、故郷パトリア島のサナーレ山を疾走し、飛び、跳ねて、

 老師クーゴに、ユキア、レイ、ザザ、オクトー、ロクネ達と

 鍛え抜かれている。


 俺は自らの気配を殺し、コールドの進路を予測して

 楽々と先回りしていた。


 コールドは俺の思い描いた通り、祖の前方に姿を現す。


「おい、コールド」俺は笑いを堪え

 お前蜜まで逃げ回る気だ?」


 コールドは区部を竦め、周囲をきょろきょろ見回し、


 聲の主を血眼で探す。


 人間の目は横に視線を移動させる。


 縦には弱い。


 コールドの反応は自然だ。


 俺は落ち着いた聲で

「どうした? 幽霊でも見て怯えた面だな。俺はここだ

 どこを見てる? 俺の聲を忘れたか?」


 動きを止めたコールドは冷静になる為だろう。


 大きく息を吸い込み、深く吐き出す。


 平然さを取り戻したコールドは

「うるせぇ! 待ちくたびれていたところだ、ロックス!」

 ゆっくりと頭上を見上げた。


 1人の男が蝙蝠さながら、重力に逆らい頭を下にして、

 足の裏が枝に吸い寄せられぶら下がっている。


 目に入ったロックス想定外の異様な登場に、

 明らかにコールドは鼻白んだ。


「たれたれ、夜っと築いてくれたか」

 俺は空中で1回転して音もなく降り立つ。

「久しぶりだな。お前には訊きたいことがある」


「ロックス……」

 コールドは鬼気迸る眼付きで

「お前一体何者だ?」


「俺か? 俺の本島の名はロック・マリスという。

 厄介ごとがあって偽名を使っていた。

 俺は忍者達を束ねる侍忍者だった」


「何だそりゃ?」


「忍者は、忍術という法術を操る武術士であり、

 武術を体得した法術士でもある」


「忍術? 聞いた事ねぇぞ、そんな法術なんかよ。

 ふざけたことをほざくんひゃねぇ!」


 コールドが憤怒の形相で下段の構えから斬りかかるは、

 スキアヴォーア・剣槍刺斬!


 俺は、普通両手で構える大剣を片手で持ち、

 楽しみながらその剣戟を受け流す。


――待ってろ! 今度こそ必ず全てを暴いてやる!


 俺は、ヴィオーラに赤誠を誓う……。



 ※※※※※



 ノードゥス号の船首楼甲板でチュチュはゲネロスの頭の上に

 ちょっこんと乗っている。

 

 チュチュ前方を見ていて微動だにしない。


 私はその左隣から、静かになったアシオー島をじっと観察しているようだ。


 海賊も海軍も一人残らず密林に逃げ込んでしまっている。


 最初は作戦の真意を理解してなかった和知氏だけど、

 今となっては高度な術を知り、

 その効果を目のあたりにして、

 背筋がぞくぞくする驚喜を噛み締めたいた。


 術の使いどころ見極めその特性を活かす、ユキアの戦術眼に

 私は詠嘆する許り……。


――突然のことだった。


「グルルルルッ!」

 チュチュが立ち上がり低く唸った。


 2枚にも3枚にも見える両翼広げて宙に浮き、

 ゲネロスに向かって吠えたてる。


 私は吃驚したが、チュチュがげゲネロスに何かを訴えていることを

 感覚的に感知する。


 ゲネロスが「キラ俺の背に乗れ!」と私に促す。


 早くもチュチュはアシオー島へと飛翔していく。


「急げ!」強い口気のゲネロスに私は慌てて飛び乗る。


 天馬は美しい翼を羽搏きチュチュを追う。


「何事なの?」

 私はチュチュとゲネロスのただならぬ雰囲気に動揺していた。


「行けばわかる」ゲネロスは一言。


 空を飛ぶという感劇を味わう余裕もなく、

 私はユキア達の身を案じ、心魂がざわめく。


 身体中に浴びる冷たい空気の抵抗にあい、

 私は手綱を強く握りしめた。



 ※※※※※



 ノードゥス号を降り、フライを狙い城塞へと向かうオレを

 城下町の入り口、中央大通りの門で、チャベとべロッソが

 薄笑いを浮かべ待ち構えていた。


 ★★★べロッソが「頭が良かれているお前のせいで、

 レレンとルルンの両親は、俺達ウルティオー海賊団の

 人質になってくれたぜ」

 オレに通告する。


 べロッソは更に、城で待機しているフライのクルムに連絡して

 垂耳亭の夫婦がどこかの柱に、しばりつけられている映像を

 勝ち誇った貌で見せた。


 こうなると、ユキアに為す術がない。


 べロッソの殴るけるの暴行を撃たれてチャベに捕縛されてしまう。


 アシオー島の城下町は、中央を港の大正門から続く

 目抜き通りが走っている。


 その突き当りに華美さを徹底的に排除した石造りの厳めしい城が、

 鋭塔で結ばれた城壁囲まれ構えていた。


 その裏には人口湖があり、そこから2本の濠で城を巡らせて

 守りは硬い。


 城下町は、橙色の屋根で統一されていて住居や宿、

 衣食に欠かせない様々な店舗、法術医院、賭博場、遊郭、

 酒場、高級食堂、大衆食堂の他、兵舎、馬場、厩舎、

 武具・防具等の軍備関係の店。逆十字の礼拝堂を含み、

 多種多様な建造物が立ち並んでいる。


 まだ建造中の建物も散見できる。


 この城下町の東側に、主として武器・兵器の工場が広がっている。


 が、城下町中央通りからはどこを見ても、立ち昇る煙の一つ

 目に入らない。


 オレは強制労働を強いられている亜人族達が、もし一斉蜂起して

 反乱を起こしても無駄だろうと思量していた。


 正攻法では城に突撃することもまず不可能だろう。


 地下3層はあるだろうし、地上を4本の塔で正方形の城を

 東西から城と島を防衛する銃眼を備えた石造りの通路で

 つながっている。


 だから城下町への攻撃は、城下街への攻撃は塔か銃眼からの

 射撃が縦横無人やりたいに放題似るのは自明の理。


 この島から逃亡する場合は、中央大通りと観縛れている

 港大正門から脱出するしかないが、それも困難だということは

 子供の目にも明らか。


 出口が一つしかない以上そこを防衛するだけで、

 逃亡者達を狙い撃ちできるのだから。


 それにしても……とオレはべロッソとチャベの連行されつつ思う。


 城下町で見かけているのは僅かなヒト族だけで、

 亜人族は1人も見当たらなかった。


 強制労働につかされてる筈なのに……?


 オレは嫌な胸騒ぎがした。


 両腕を後ろで手に縛られているオレは、額、鼻、口から流血し

 チャベにひっぱっられ、べロッソの追い立てられ、

 城下町を抜け城内に入る。


 城門から左側にガーゴイル像が取り囲む簾尾英城があった。


 右側にもガーゴイル像がぐるりと囲む射撃場がある。


 練兵場の神聖ロムルス皇国の国家掲揚柱に、クルムで見た通り

 憔悴した垂耳兎夫婦が縛りつけられていた。


 クルムで見た時は気付かなかったが二人の足下に、

 爆薬が仕掛けられているようだ。


 フライは城の入り口階段に愛剣、暴鋸を脇に脇に

 両肘にを両脚に乗せている。


 オレはその前で背後からチャベに蹴られ、

 べロッソに足下をを掬われて地面に倒れてしまう。


「べロッソ」フライはニヤリと「借りは返せたようだな」


 血塗れのオレを嘲笑いながらべロッソは

「はいっ! 船長のお陰っす!」


 フライは嫌いな虫けらでも見る眼付きで

「キラ・ユ・ガイアはお前達と一緒にこの島へ来てるんだろ?」


 俺にとって全く想定外の質問を飛ばしてきた。


「何の話だ?」


 オレの返答に対して耳にして、フライはべロッソとチャベに

 顎をしゃくる。


 チャベがユキアを立ち上がらせると、べロッソは膝をその腹に

 蹴りを入れ、身体がくの字に折れる。


「俺は甘くねぇぞ」フライが服く野太い聲で脅す。

「いつまでも意地張ってると、あの2人があの世に

 逝っちまうことになるぜ?」


 この時になってオレは気付く。


 ウルティオー海賊団の狙いは、キラを捕らえることだったと

 いうことに……。


「臭い匂いがプンプンするな」

 オレは血の混じって唾を吐き

「ミッチの先制攻撃。おそらくはべロッソとチャベの偵察、

 湾内へ船を誘い込んでの集中砲火。

 挙句の果てに人質でオレを脅すとか、

 お前人間として腐ってるなー。

 でもまぁ頭だけはクルクルよく回るってことだけは

 認めてやるよ」

 

 オレの皮肉にフライは動じない。


 人質を握っているから余裕綽々だ。


 だけどオレもこの状況を窮境だとは、全く考えていない。


 ネフシュタンの魔片が、キラを誘い込む為の餌だとは

 考えてもみなかった。


 でも、これからウルティオー海賊団のと屁リクスが、

 海帝と手を組んでる尾は間違いない。


 だからオレのやることに変更はなし。


 フライ達を捕らえ、亜人族を解放する!


 けどフライは亜人族を切り札として隠し持ってる筈だから、

 ルルンの両親のこともあるし、迂闊には動けない。


 それはオレだけじゃなく、仲間達もこの罠に

 陥る危険をはらんでいる。


 癪だが、ウルティオー海賊団と屁リクスの作戦は、

 まだ失敗してはいない。


 どうにかして、ルルンの両親を救えれば、

 あとは何とかなりそうだけどな。


 どうする? 何か策はないのか……?


「おい、こらっ!」

 べロッソがオレの胸ぐらを掴む。

「舐めたこと言ってんjたねーぞ!

 船長に訊かれたことには真面目に答えろっ!」

 大きく振り回すべロッソの右の鉤突き!


 こめかみを撃ち抜かれたオレは、

 ぐらついて片膝をついてしまった。

 

 が、オレはすぐさま立ち上がる。


 然し人質がとられている以上反撃は出来ない。


 フライが冷酷に命じる。

「叩きのめせっ!」


 べロッソとチャベは喜びオレを二人で滅多撃ち!


 歯を食い縛って耐えるオレだったが、飛び散る自らの血で

 染められていく。



 ※※※※※



 何故チュチュが大きく右から旋回していたのかが

 フライ達の―城から見城側見て右脇に隠れたのか、

 私はすぐさま気付く。


 傷つき血塗れのユキア。


 爆薬足下にし涸れられていて怯え立ち竦む

 やつれ果てたの垂耳兎の夫婦らしき男女。


 きっと、ルルンのご両親あのね。


 でも私は戦闘は戦闘は全然だめだから……。


 だけどこの状況を何とかして打破したい。


 私は周囲から言われる柳眉を寄せて考え込む。


 チュチュはそんな私の頭から怒気を込め低く唸っている。

 

 クシュンッ! とか葉を鳴らしチュチュは地面に降り立つと

 行き成り目の前を前足で掘り始めた。


 それを見た私は掌を打つ。


「チュチュありがとう! 後は任せて!」


 私はチュチュを優しく抱き上げてゲネロスの頭に預けた。


 然し私はチュチュが何故添えを自分にできることを

 知っているのか、考える余裕はない。


 ひざまづいた私は十字架をきりそのままの姿勢で、

 地面に両手を広げてつく。


――ヴヴーン


 という音を発し両手の甲から空気を振動させながら、

 金色に耀く二重の真円に囲まれた七芒星が浮き上がった。


 外側と内側の真円の間には神聖文字が『キラ・ユ・ガイア』

 と私の名が並んでいる。


 ★★★私は双瞳を閉じ頭の中で垂耳亭の夫婦の背後に続く

 地下道を思い描く念じた。


――ゴッ、ゴゴゴゴゴッ!!


 地鳴りと共に少しだけ地面が揺れる。


 フライ達は何事かと周囲を見回し互いの貌を見合わせたが、

 特に異変はなかったので、直ぐに気を逸らす。


 私の眼下には人が3人並んでも通れそうな幅で、

 地下へと続く階段が出現していた。


 チュチュは地下通路へと飛けていく。


「俺はここで待機している」

 ゲネロスは私やチュチュの狙いを見抜いているらしい。


「出口についてあの夫婦を助ける準備が出来たら、

 手を振って合図してくれ。

 奴等の注意をこっちに引き付けてやる」


「わかった」私は天馬の聡明さに讃嘆する。

「さすがね。聖獣一族は人間より偉大な英知を、

 神の祝福によって授けられているのがよく分かった。

 あなたが救ってくれた隙にルルンの両親を解放して、

 こっちに向かわせる。

 それからユキアのところに行って、縄を解く」


 瞬きでげネロウが応じると私は微笑み

「あ、でもユキアはチャクラを具現化できるから、

 ルルンの両親が救われたと知れば、自分で縄は切れるね!」


 ゲネロスは碧玉の如く玲瓏とした眸に笑みを揺らした。


「よし! 2人は無事にオレが船へ連れて行く。

 それからオレはこっちに戻ってくる」


 ゲネロスの強力に感謝して私は「ありがとう」と頭を下げた。


 それからチュチュを全力で追う!

読んで頂きありがとうございます。

駄作ですが、批評も含め、ご感想を頂けると喜びます!

評価✩✩✩✩✩やブクマをして頂けると更に喜びます!

長い物語ですが、様々な要素で楽しんで頂けるよう努力してます。

これからの物語も是非読んで頂けますように・・・。 m(_ _)m

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