イメージを事業決定されたタレントやアイドルとすべて自己責任のVチューバー、俳優はどちらなの?
2017年頃から主にインターネットやメディアで活動する2DCGや3DCGで描かれたキャラクターやアバターを用いて動画投稿をしたり生放送を行う配信者であるVチューバーたちは、
現在の日本で圧倒的な人気と支持を得ている。
演者はアバターなので、人としての美しい顔立ちも表情豊かな演技力も苦しいレッスンの後に出来るようになった身体の動きもまるで要らないし、何より外見も声も老化しない。
100歳時代の今の日本ではまだまだ若いはずだが、
ユウコは30歳になってしまった頃から睡眠不足のあとの肌のリペアが急激に遅くなったと感じる。
アンチエイジングは今のリョウにはまだ関係ないがほんの10年ほどで彼にも忍び寄ってくるのだから、
俳優リョウの一番の応援者でありたいユウコは、あらゆる対策のなかから遡って先に予防できるところはできるだけ実践しておいて欲しいと思って-自分のためでもあるが-常にアンテナは張っている。
リョウは初めての舞台の仕事では、他の演者とのその場一度きりの息の合わせ方に興味をもったようで、
毎回の公演で目では小さく戸惑う振りをしながらも心の底では余裕で、周りの俳優に合わせて演じることを楽しんでいた。
舞台は初めてでも子役として12年以上演じる仕事をしてきたリョウにとって、台詞を吐くことや見られることへの恐れはなく、
主役でも座長でもない自分は控える立場にあるのだということを自然に理解して、与えられた中で楽しむことにしたのだと言って微笑むリョウにもう迷いはなさそうだ。
演出家も脚本家も、
リョウの様子を知っていたが取り立ててコメントすることはなく、
明らかに老いて人気に翳りが出始めてきている大物俳優達を褒め称えてばかりいたまま、舞台は千秋楽となった。
舞台では特に顕著なアバターでない生身の俳優の老いは悲しいが、
ユウコは、寅さん映画の夕焼けこやけ回に出ていた女優岡田嘉子がソ連に亡命したあとスパイ容疑で10年も投獄されていた後に高齢になって出演していた、あのにじみ出る気品や美しさに感動を覚えたのを思い出した。
リョウもいずれは美しく老いても生涯俳優を続け、
いつまでもヒトを感動させることが出来る素晴らしい仕事をしていく立場にいるひとりに違いないのだ。
リョウが本当にやりたいのは、自分で作品を創りあげることだろうが、
すでにリョウが立っている現場のステージのランクは俳優とその理解者数名で出来る規模ではない。
個人的な配信をするのは俳優として感動を届けるような類いの発信とは違うのかもしれない。
とにかく何でも前向きに全力でぶつかるリョウは昨日から1日3時間歌のレッスンを受けているが、
歌は作詞家作曲家次第で、その2人はすでに決まっているのだと言う。
これまで自殺役の多かったリョウの新たな役者シーンが拡がるような歌になることを期待しているユウコだが、
マネージャーのスドウからいつものメールでなく電話があり、
急に今月末の退社が決まったと告げられた。




