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修行を重ね、身体を作る一方で、僕たちはそうやって打ち勝つ方法を考え続けた。
そして僕は、ひとつの考えに思い至る。
「とにかく、騒ぎを起こしましょう。そして、やつに僕たちの存在を認めさせる。自分に歯向かおうとしているやつが居ると、それを認識させる。話はそこからです」
日本の半分以上が宗教に染まった。道を歩けば、彼らと、そうでないものたちの小競り合いは多く起きている。
男が、駅前で起きていた乱闘に、やつらのほうへ攻撃を向ける形で、加わった。僕は近くのビルの屋上からそれを見ながら、今か今かとタイミングを計る。
そして、男が相手の手首を取った瞬間に、
「換われ」
手の中にあったはずの小石はなくなり、代わりに血を滴らせる手首だった肉片が、ぐにょりと、感触をくれる。それを慌てて放り、男のほうを見ると、手首を失った相手の右手だったものがべちゃりと地面に落ち、腕から血を噴出させながら、相手は声にならない悲鳴を上げ、暴れまわった。それを見て却って落ち着いた頭で、これじゃあ拳銃の話は嘘じゃないか、確かに無力化はできるが、本当はただ移動させるだけのつもりだったのに、あるいは譲渡により劣化したのか、などと思考がまさしく駆け巡っているのと同時に、男の周囲の人間は行動を止め、彼のほうに視線を向けていた。自らの目の前で、まるで教祖のような力をこの男が使ったのだ、と勘違いしている。この際、そう思われているならなんでもいい。
男はそれから、逃げ惑う何人かの腕を掴む。僕も、用意していた小石を握り、何度も「換われ」と唱え続けた。足元に溜まる肉片に、嘔吐しては場所を移し、繰り返し繰り返し、それを続けた。




