引きこもり
次元竜の爪は難物だった。
魔法の火を絶やさないようにしながら一週間。
タンクトップに近い薄着でひたすら火力を研ぎ澄ませている。
爪に込められた魔力を逃がさないように気を配りながらリリアムの魔力にも順応させるためだ。それが終わらなければ加工ができないのだ。魔力素材は扱いが非常にデリケートだった。
焔の色が温度の目安であるから、光の届かない洞窟の奥で魔力回復用のポーションをがぶ飲みしながらの作業で塩を舐めながらそれだけを続けていた。
無論、栄養分は不足しやつれた顔。
肌は乾燥し、本来の美しさは失われている。
爪を過熱する焔の光を反射する瞳だけを除いて。
鋭さをました目は妖しい、いつもより紅い紫色を放っていた。
その瞳が一際大きく見開かれると、焔が消え、代わりに優しい明かりが洞窟内を照らす。
魔法的処置をした爪に視線を這わせると、満足そうに頷いた。
集中が途切れたことでまず感じたのは臭気。
張り付いていなければならない以上、ちょっとお花摘みというわけにはいかない。
簡易のトイレも作ってあったし、水魔法で浄化もしているが高熱での作業だったし、一週間もたっていれば流石に無臭とはいかない。
大量の汗もかいていて気持ち悪い。
リリアムは大事なものを異次元へとほうり込むと迷わず川へと足を運んだ。
一酸化炭素中毒にならないよう対処してます。良い子も悪い子も真似しないでね。




