vs次元竜 3
手傷を負ったことがそれほどないのだろう。
かすり傷ほどにも関わらず、次元竜は過度に反応する。瞳に緋色が混じり、動きの荒々しさが増す。
リリアムは服一枚以上にかすらせずに回避し続ける。戦闘が1時間を回り、リリアムも疲労が溜まってきていた。
しかし、次元竜は次元竜で、決着をつけにきており、負担は大きくなっているはずだった。
そしてその時は訪れる…。
飛ばしすぎた疲労が出はじめたのだろう、動きがようやく鈍く、大振りになったのをギリギリでかわし、右手の剣を換装、勢いのまま振り下ろす。
音はない。
手応えもない。
空振りでせっかくのチャンスを無駄にしたのか。
いや、空気を裂く音もしていなかった。
断空刀 “四音“ A
“紫苑“を改良し続けた結果、一振りで4つの斬撃閃を描くようになった。相変わらず打ち合うことは出来ない。
軌跡を血の赤がなぞり、
次元竜の爪が宙を舞う。
10mほどの短距離を跳ぶ次元竜。
不可視の攻撃に警戒をしたのだろう。
が、次の瞬間再び姿を消す。
リリアムを獲物としては割に合わないと判断して短距離ワープを繰り返し逃げ出したのだった。
「しんどっ」
リリアムは後ろに大の字に倒れこんだ。
実のところ次元竜を殺したいわけではなかったのだ。できれば角の方がよかったが、爪でも十分だった。
「これで、1000本目…」




