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千の刃のリリアンローゼ  作者: 夢辺 流離
32/36

vs次元竜 3

 手傷を負ったことがそれほどないのだろう。

かすり傷ほどにも関わらず、次元竜は過度に反応する。瞳に緋色が混じり、動きの荒々しさが増す。


 リリアムは服一枚以上にかすらせずに回避し続ける。戦闘が1時間を回り、リリアムも疲労が溜まってきていた。


 しかし、次元竜は次元竜で、決着をつけにきており、負担は大きくなっているはずだった。


 そしてその時は訪れる…。

飛ばしすぎた疲労が出はじめたのだろう、動きがようやく鈍く、大振りになったのをギリギリでかわし、右手の剣を換装、勢いのまま振り下ろす。


 音はない。

  手応えもない。


 空振りでせっかくのチャンスを無駄にしたのか。


   いや、空気を裂く音もしていなかった。



 断空刀 “四音カルテット“ A


 “紫苑“を改良し続けた結果、一振りで4つの斬撃閃を描くようになった。相変わらず打ち合うことは出来ない。


 軌跡を血の赤がなぞり、

  次元竜の爪が宙を舞う。


10mほどの短距離を跳ぶ次元竜。

不可視の攻撃に警戒をしたのだろう。


 が、次の瞬間再び姿を消す。

リリアムを獲物としては割に合わないと判断して短距離ワープを繰り返し逃げ出したのだった。


「しんどっ」


 リリアムは後ろに大の字に倒れこんだ。

実のところ次元竜を殺したいわけではなかったのだ。できれば角の方がよかったが、爪でも十分だった。


「これで、1000本目…」

 

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