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千の刃のリリアンローゼ  作者: 夢辺 流離
30/36

vs次元竜

 千刃の試練を与えられて10年の歳月をおくってきた。普通のエルフにとってさほど長い時間ではないが、リリアムにとっては非常に長い時間だった。

 そして今向き合っている相手はその長い時間の中で間違いなく、最強の敵であった。


 瞬時にその身を消し、その爪、角が描く軌跡は触れた瞬間に抵抗も出来ずに切り落とすのだ。


神経を擦り減らす戦いを既に30分以上続けていた。


 これまでに自分が鍛えてきた魔剣を振るい何とか敵の攻撃を防いでいる。


ーーー次元竜。


 次元を飛び越え転移を可能とする竜で、竜の中では小型であるものの、脅威度でいえば文句なしのトップクラス。

転移はその距離に応じて溜めの度合いが違う。

大陸の端から端くらいなら10分ほど魔力を練る必要があるだろうか。


 つまり、短距離、数m程なら殆どノータイムで転移可能なのだ。それでいてその爪先・角先に魔力を溜めることで次元を割くことができる。


 裂いた次元の先は別の空間でありその爪先・角先が触れた部分だけが別の空間へと飛ばされる。


        “絶対切断“


 どんな固い鎧も触れられれば抵抗もなく切り落とされる。攻守において優秀な力を持ち合わせており、それだけでなく、知能が高く戦う相手の動きを読んだりと嫌な相手だ。


 だが、何より厄介なのは自分が不利と見てとるや転移を使って逃亡を図ることだ。


 そのため、角や爪を得るためには一撃でそれらを切り倒すまたは次元竜を殺す必要がある。


 ここまでリリアムは追い詰められている風を装い、相手の攻撃パターンを把握することに努めていた。しかし相手もそろそろ訝しがることだろう。そろそろ反撃に出ようかーーー。


 リリアムの手に深海の黒々とした蒼い刀が握られていた。

 紫苑を打ってから大分時間が経っています。

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