回想 樹都の姫君 3
体調を崩して書ききれませんでした、すみません。
「次期樹長の地位をリリアンローゼとビュリーに任せたい」
連れていかれた現樹長、ドルメーラが前置き無しでそう言う。
「まだ交代するほどの歳じゃありませんよ、ドルメーラさん」
同じく呼ばれていたビュリーがそう答える。
確かにその通りで、ドルメーラは貫禄はあるものの、見た目は30代と言っても通用するほどだ。
「歳というならわしらは急激に老けたりはせん。だが、考え方の柔軟性が減っていく。人間達とどう関わっていくのかなどちょうどいい機会だと思っておった。わしらも協力をせんわけではない。新しい風を取り入れたいということじゃ。協力してくれんか?」
「そういうことでしたらできる限り尽力したいと思います。」
あっさり受け入れるビュリー。
「どうして私もなんですか?」
一方で疑問の声を上げたリリアンローゼ。
別にどうでもいいと思っていたわけではない。
ただ、自分が役に立てるのかと不安に思っていただけだ。
リリアンローゼは人からの評価とは裏腹に、自己評価は低かった。外見ならトルネ姉さんの方が美人だし、舞いなら友人のスカーレが、歌ならサザンユグドの自分より年下のミュリアーネが“御子“と呼ばれている。
本人達が聞いたらコメカミに血管を浮かべてありえねーと言う。
「そりゃあね、まだ子供にしか見えなかった頃のローゼと比べたら“美人“は私の方だったかもしれないけどさ、年頃になったあの娘じゃ、比べられる方がかわいそうってもんだよ」
「昔、苦手だったのを私が教えたってだけで今じゃローゼの方が圧倒的に綺麗よ。自信が無くなるくらい。」
「私が“御子“なんて畏れ多いですー。ローゼ様がなぜかお断りになって他に頼めるのがいないからって仕方なくー。」
それはさておき。
「リリアンローゼ、そなたは仲間たちから多いに慕われておる。一族を内からまとめる力となろう」
頷き会うビュリーとドルメーラ。リリアンローゼ本人だけが首を傾げていた。
「これからよろしく」
「ん」
そう言って手を出してビュリーと握手を交わす二人。
長寿で歳をとりにくいエルフにとって、恋愛というものはそれほど重視されるものではなかった。男女の営みをもって生まれるわけではないが故、筋力のいる作業は男、細かな作業は女など、能力的に向いているいないの差はそれほどなかったのだからやむを得まい。
人間達の話を聞いて首を傾げる者もいれば、人間は盛った動物同然という者もいた。
そんなわけで、リリアンローゼも無論恋愛などをしたことはなく、未知のものであった。




