駆け引き
「リリアンローゼよ、ものは相談なのだが、性能を強化したものを別にカウントするのは無しにせぬか?」
「戦神様、それはどういうことでしょうか?私の造った剣に何か不備がありましたか?」
いきなりの条件変更の提案にリリアムは内心冷や汗ものだ。
「いや、そうではない。そうではないのだ」
心なしか神様のほうが焦っているように見える。
なんだか最初の頃の威厳が薄れてきているような気が・・・。
「むしろ予想以上にお主の作るものは面白い。故に能力を向上させたものをカウントするのが惜しまれる気がしてな。最初から納得のいくまで作りこめばよいではないか」
そう言われれば悪い気はしないが、
リリアムとしては受け入れる訳にはいかない。
千本もの剣をただ打つだけでも難解なのに、
それぞれに特別の用途を与えなければならないのだ。
ここはなんとしても戦神を納得させねばならなかった。
「戦神様、お言葉ではございますが、戦場において兵糧などもまた重要なものでしょう?」
「うむ。特に長期に渡る、もしくは戦線が伸びるに連れ兵糧の量が決めてになってくる」
「兵糧に限らず、資源は有限です。新人兵士にまで国宝の剣を持たせることはできないことは不可能です。であれば手持ちの資源に応じて分配しなければなりません」
「ふむ、なるほどな。そう言われればそうかもしれぬ。まぁうまくだまされておる気がしなくもないが、今回のところはだまされておこう。今後も精進せよ」
・・・まぁ、ともかく許してくれるようでよかった。
流石に一切の重複なしで、千本は無理ですから!
始めの200本程は各地の特色ある武器を調べて鍛えることでなんとかなった。300本までは魔力を持つ素材を使った武器でなんとかできたが、そこから先は大分悪戦苦闘工夫しているのだ。
ここから先は本当に長い。
リリアムはため息をついた。
火の魔石を込めた剣に魔力を込めて薪に火をつける。
こんな使い方をしているところを戦神に見られればなんと言われることか。
「次はどこに行こうか・・・」
あまり正確ではない地図をにらみながら、
特殊な薬草を乾燥させて作ったお茶を飲んでいた。




