アームブレイカー
この物語ではいろいろな武器が出てきたりしますが、物語中の世界でもそういう武器が出来たんだということで。異論は認めます。
わずかに採れた鉄鉱石と雷の魔石の欠片だ。
剣や刀を打つにはとても足りないだろう。
手持ちの素材を合わせてもせいぜいナイフ1本分といったところだろうか。
魔石も砕けてしまっているから補助的な機能をつけるのが精一杯で、
雷撃で相手を倒すのに十分な出力は出せない。
ん?ここでふとアイディアが閃いた。
"戦場で役に立つ武器"という条件に破壊力というか、もたらす結果の大きさだけで判断していた。
が、それだけではないのではないか。
以前、知った他国の武器に「ソードブレイカー」というものがある。
普通のナイフだが、峰側が櫛のようになっている。
利き手と逆に持ち盾のように使う他、相手の武器を峰側で絡め捕り、折る。
その機能がそのまま名前の由来となった。
魔法をフル活用することで両手を空にし、槌を持つことを可能にする。
炎を魔法で完全に制御しきることで、単独での鍛冶を可能にしていた。
鉄の塊を折り、打つ。
鍛錬を繰り返し鉄の中の不純物を除く。
東方のカタナを造る際の技術を使い、剣芯を柔らかい鉄で衝撃を逃がしながらも、
表面には硬い鉄を配し、盾として十分な性能を持たせた。
---いい出来だ。
だが、ソードブレイカーはすでに収めている。
これでは条件の一振りにはならないのは分かっている。
鍔に窪みを設けて魔石の欠片を研磨した玉をはめ込む。
三つ巴のような形状にし、玉と導線を通じて雷を流す。
殺傷力はそれほどないが、相手の腕を痺れさせたり意識を奪う。
櫛の部分で相手の剣を抑えた後、相手の剣を折るだけでなく相手の動きを奪う。
そうだな、「アームブレイカー」とでもいうことにしようか。
アームブレイカー ランクC
基本は鋼を丁寧に鍛錬して造られたソードブレイカー。
2種類の鉄を上手く組み合わせることで折れず、曲がらず、よく斬れることを目指した東方のカタナの技術をうまく利用しながら、切れ味より丈夫さを優先した盾として使える短剣。
ブリッツドールの魔石の欠片を配し、魔力を流すことで雷を流すことが出きる。
絡め捕った相手の武器を折るだけでなく、相手の自由を奪うことが出きる。
アーム(腕・武器)の動作を壊すことから
"刃掛"に収めてみれば、吐き出されることは無く、ひとまず安堵した。
「見事じゃ」
相変わらず唐突に声がし始めてビックリした。
「武器の威力にばかり目がいっていたのは不覚よ。これは意表を突かれたわ。次もおもしろいのを期待しておるぞ」
失敗したと思ったところから運よく一振り打てたのは良かった。
アームブレイカーを造ったことで今後の素材の確保が少し楽になるかもしれないな、と珍しく私の頬は上気して口元は弧を描いていた。




