思い込みからの脱却
未來王の四大弟子のひとり、
極等級ウィザード・クロス。
未來王に問う。
「未來王……、
どうやったら悪者を見抜けますか?」
未來王、
ネオ・トレジャン・ヴェルセント・マイタレイヤ、
返答する。
『ハリス・クリスチャン・アンデルセンのことばに、
山から遠ざかれば、
ますますその本当の姿を見ることができる。
友人にしても、これと同じである……。
とあります。
近づきすぎると見えないことがあります。
適正な距離感を保つことが大切です。
今も昔も、いつの時代も、
権威をふるう者たちの身勝手な自慰行為に、
人びとは巻き込まれているのです』
「自己顕示欲が強い者はァ、虚勢を張りたがる。
絶対的権力、制圧する力、地位名誉を欲する。
いつの時代も変わらないですね?」
『そうはいっても、
権威者だけが悪者……、
というわけではありません』
「確かにそうだなァ?
こらえ性のない者は富を欲する。
ブランド志向、美味美食、アンチエイジング、
ドラッグ、ギャンブル、ゲーム……、
それらに溺れる傾向があるよなァ?」
『人間はどうしても安易な方向へ行きがちです。
己の衝動的行動、
外部に翻弄されての行動、
それらに良い結果は少ないように感じます』
「依存心が強い者は過剰に愛を欲する。
慰めて欲しい、優しくして欲しい、褒めて欲しい……、
執着心が強いよなァ?
周囲に流されやすく向こう見ず、
被害妄想、勘違いが激しい類型だヨ」
『依存、執着、盲愛、悪友……、
それらは断ち切ることが難しいと言われています』
「自信過剰な者はァ、承認欲求が異常に強い。
その傲慢不遜な性格の裏側……、
劣等感の塊だヨ!
おだてられて騙されて、
知らぬ間に犯罪に加担……、
そんなこともあり得るヨ、なァ?』
『ハハ、そうかも知れません。
巧妙に操縦しているつもりが、
実は自分自身が操縦されていた……、
そんな茶番、多い気がします』
「じゃァ結局のところ、
悪者とは誰?
自分かもしれない?
一体どうしたらいいのでしょうか?」
『ハハ、どうすることもできません。
なぜなら、
そこに明確な答えがないからです。
しかし敢えて言うなら、
思い込みからの脱却、でしょうか?
人間は思い込むと頑固になります。
偏見が生じます。
聞く耳をもてなくなります。
自己を客観的に見つめ分析することが肝要です』
「オオッ、自己分析かァ?
これは難易度高いなァ?
思い込みからの脱却……、
それには精神的成長が必要ってことですね?」
『レオナルド・ダ・ヴィンチのことばに、
誰かと親交を望むとき、
相手の学習態度をみて選択せよ。
あなたに様々なことを考えさせる関係性は実りが多い。
その他の親交はすべて有害となろう……。
とあります。
家族や仲間との交流、
歴史文学、美術芸術音楽鑑賞、
演劇映画、アニメやドラマなど……、
精神的成長には外部からの善き刺激が必要です』
「日々に学び取れるチャンスがある、
視野を広げ、耳を澄ませ……、
ってことですね?」
『自己分析と言っても……、
自己評価と他からの評価には差異があります。
そもそも自分がどんな人物か……、
判定することは困難です。
さらに言えば、
天界での評価はまったく違うかもしれません』
「それじゃあまァ、
せいぜい神々に嫌われないように……、
ディス案件にならないように……、
今生を楽しめばイイよ、なァ?」
『一度きりの人生です。
どう生きようが個人の自由です。
しかしながら後々……、
大きな後悔とならぬことを願います』




