未完の地球
未來王の親友たち、
極等級ウィザード・四人衆。
未來王に問う。
Ⓢシップ、
「未來王、良い機会です。
中道とは何でしょうか?
我らにご教導ください」
未來王、
ネオ・トレジャン・ヴェルセント・マイタレイヤ、
返答する。
『中道……、
その言葉の意味、
はき違えている方々が多いです。
ちょうど真ん中……、
そういう意味ではありません』
Ⓖゲイル、
「まず右派……、
保守派、多数派です。
伝統、慣習、経済活動に重きを置きます。
劇的な社会変化を不可とします。
貴族的立場を好みます。
格差・差別社会ともいえます。
極右は、反動・排外主義です。
戦争への懸念、拡大します」
Ⓒクロス、
「左派はァ……、
自由と経済平等を掲げています。
少数派に理解を示す。
環境問題、格差是正に重きを置く。
社会の革新的変化を目指す。
左派は、革命・改革主義、無政府主義。
ときに過激行動、懸念されます」
Ⓢシップ、
「その中間が、中道でしょうか。
平和主義、穏健政治、
中道中正、倫理的価値観……、
妥当であり、聞こえは良いいですが……、
そこには宗教問題が見え隠れします」
Ⓔイレーズ、
「あとはさ?
右寄り、左寄りもあるよね?」
『はい、そこまでです。
イデオロギー的発言は控えましょう。
階級階層構造、自律的活動、
どちらもメリット・デメリットは存在します』
Ⓢシップ、
「結局のところ、
目指すべきは中道なのでしょうか?」
『その答えはありません。
しかしながら中道という言葉……、
聞こえが良すぎて違和感がありますね』
Ⓖゲイル、
「確かに……、
偽善的で綺麗過ぎますね?」
『老子のことばに……、
すべてのものは陰を背に負い、
陽を胸に抱いているのであり、
そしてそのふたつが中心で融けあうところに、
大きな調和とバランスはある……。
とあります。
つまりは、自分と違うからと言って、
頭ごなしに否定してしまっては進歩はない。
左右非対称の中で調和をとることが重要である。
そのバランス感覚を有する人……、
それこそが中道であるといえるのです』
Ⓢシップ、
「真逆の調和……、困難です。
バランスを取れる日……、
永遠に来ないでしょう……」
『ハハ、そうかもしれません。
しかしながら、
無謀なことにチャレンジできる……、
それはまだ未完成だからです。
この不完全で未完の地球……、
のんびり見守って行きましょう』
Ⓔイレーズ、
「ま、行く末……、
期待できないけどね?」
未來王は謳う。
……死は生に属する。
生誕がそうであるように。
歩行とは足を上げることにあり、
それは足を下げることでもあるように。
道は群衆の中でさびしがっている。
愛されていないから。
神の大いなる力はやさしい微風の中にあり、
嵐の中にはない。
ある眼に見えない指が、のん気な微風のように、
私の胸の上でさざ波のような音楽を奏でている。
瞬間を恐れてはならぬ……!
永遠なる者の声、そう歌う。
最善を私は選ぶことはできない。
だが最善が私を選んでくれる。
悲しみは静かな木の間の夕やみのように、
私の心の中で平和へと静まっていった……。
(詩聖・ラビンドラナート・タゴール)




