毒と栄養
未來王の親友たち、
極等級ウィザード・四人衆。
未來王に問う。
Ⓢシップ、
「未來王、良い機会です。
心理学の是非……、
我らにご教導ください」
未來王、
ネオ・トレジャン・ヴェルセント・マイタレイヤ、
返答する。
『心理学とは、
心のメカニズムです。
人間の心は移ろい変わります。
科学的解明は不可能です』
Ⓖゲイル、
「人間の深層心理……、
内奥理解ができれば、
プラス要素が多いように感じます。
ストレス耐性、感情抑制など、
様々な事柄に対応できるのではないでしょうか?」
『心理学を否定しているわけではありません。
他人の心奥を把握認識している……、
そう思い込むことが危険なのです。
小手先のテクニック、統計的推測、
それなら可能かも知れません。
しかしながら、
潜在意識の奥にある深層心理……、
完全解明、不可能です』
Ⓔイレーズ、
「じゃあさあ?
三大巨頭……、
フロイトの無意識、
ユングの集合的無意識、
アドラーの共同体感覚、
どれが一番まとも?」
『どれも正しく、
どれも危険である、と言えます。
有智なる者が紐解けば、
人生をより豊かにする栄養となるでしょう。
しかしながら、
無知なる者が曲解したならば、
毒にもなり得るのです』
Ⓒクロス、
「確かになァ?
自分都合に解釈して、
分かったつもりになって、
思い込みで行動したら……、
ヤバい方向に行くかもなァ?」
Ⓔイレーズ、
「ククッ、確かに……。
痛々しい勘違い野郎になるよね?
上から目線の知ったかぶり!
嫌われ者の社会不適合者になるかもね?」
『心理を読み解くこと、
それは簡単ではありません。
人間の心は常に動き、変化しています。
興味の対象、変わります。
マンネリ化して飽きることもあるでしょう。
熱い恋愛が冷めることもあるでしょう。
不確定要素とは、
あくまで不確定なのです』
Ⓢシップ、
「ではつまり、
心理学とは胡散臭いもの。
すでに形骸化していると?」
『いいえ、それは違います。
毒とせず、
栄養にすることが肝要なのです』
Ⓖゲイル、
「物事の分別には……、
知識知見が必要なのですね?」
『正しい見方で修得し、
正しく活かすことが大事です。
正邪分別、思慮分別、
完璧にできる人間などいません。
それを踏まえたうえで、
心理学を学ぶのは良いかと思います。
そうして分別ある人格者、
目指していただきたいと願います』




