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配信切り忘れに気づかない聖女様、裏では俺にベタ惚れなのが神々と異世界中に筒抜けだった件 〜変幻狐と行く異世界ダンジョンお散歩生活〜  作者: 湊月


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第7話:男たちの野営メシ! スパチャ調味料の唐揚げビール祭り

第7話をご覧いただきありがとうございます!

薬草採取を爆速で終わらせた男3人と一匹!

しかし、冒険者の携帯食(カチカチの干し肉と黒パン)のあまりの侘しさに、ミナトの料理人魂が黙っていられません!

今回は青空の下で繰り広げる、大迫力の「揚げたて唐揚げ祭り」です!

天界の武神アーレスも巻き込んだ、男たちの胃袋掌握劇をお楽しみください!

「おいミナト……最高の昼飯って、まさか草でも煎じる気か?」

「いやいやブルーノさん、こんなに澄み渡った青空の下で、男3人が集まってるんですよ? 食べるべきものは一つしかないじゃないですか」

俺は地面の平らな大岩の上に陣取ると、胸ポケットから神具スマホを取り出した。

画面にピカピカと光る『天界通販アプリ』の検索バーを素早くタップする。

前回の配信切り忘れと、シルヴィアの即落ち劇で稼いだスパチャポイントは、優に二十万ポイントを超えている。

男連中の胃袋を満たす昼飯くらい、豪快に散財しても痛くも痒くもない!

俺は迷わずカートへ放り込んでいった。

『アウトドア用高火力ポータブルガスコンロ』

『深型鉄製揚げ物パン&油跳ねガードネット』

『高級植物油(大容量ボトル)』

『特製にんにく醤油漬け込み済み・若鶏もも肉(メガ盛り1キロ)』

『北海道産片栗粉&秘伝の唐揚げ粉ブレンド』

『長野県産レモン&特製からしマヨネーズ』

「よし……購入確定っと!」

ポチッとボタンを押した瞬間。

スマホの画面からキラキラとした黄金の粒子が溢れ出し、岩の上に銀色に輝くコンロや食材の包みがドン、ドン、ドンッと音を立てて具現化した!

「「ぶっ……!?」」

岩に腰掛けていたブルーノとフィンが、同時に立ち上がって目を丸くした。

「な、なんだぁぁぁ!? 何もないところから鉄の箱や肉の塊が湧いて出たぞ!?」

「ミナト、お前……! 戦闘力ゼロのポーターって言ってたよな!? これ、王宮魔術師でも一握りしか使えねぇ超高度な空間転移魔法じゃねぇか!」

「あはは……まあ、俺の特技みたいなもんです。細かいことは気にしないでください!」

俺は笑って受け流しながら、神具スマホを近くの木の枝に立てかけ、配信アプリの画面をオンにした。

タイトルは【青空の下で男たちの特盛り唐揚げパーティー!】。

枠を開いた瞬間、天界から待機していた神々が雪崩のように押し寄せてくる。

【主神アルト】:待ってました唐揚げ枠キターーーッ!!

【豊穣神デメトラ】:少年! その深さのある鉄鍋は何だ!? 黄色い液体を注いでどうする気だ!?

【愛の女神フィリア】:あら? ルミアちゃんやシルヴィア様はいらっしゃらないのですか? 男の子たちだけ……?

「神々の皆様、こんにちは! 今日は薬草採取を案内してくれた先輩冒険者たちに、男泣き必至のスタミナ飯を振る舞います!」

俺は深型パンにたっぷりと植物油を注ぎ、ポータブルコンロの点火ツマミを回した。

カチッ、ボシュッ!と青い炎が立ち上がり、油を急速に加熱していく。

ボウル代わりの深皿に、解凍された特製にんにく醤油漬けの鶏もも肉をあける。

その瞬間――

ふわりと風に乗って、ガツンと鼻腔を直撃する強烈なにんにくと生姜、そして香ばしい醤油の香りが広がった。

「ぐっ……!? な、なんだこの暴力的な匂いは……!?」

カチカチの干し肉を手に持ったままのブルーノが、鼻をヒクヒクと震わせる。

フィンも喉をゴクリと鳴らし、吸い寄せられるように肉の皿を覗き込んできた。

「す、すげぇ匂いだ……! 肉を黒いタレに漬け込んであるのか!? まだ火も通ってねぇのに、猛烈に腹が減ってくるぞ……!」

「まだまだ、本番はここからです」

俺は鶏肉の一つ一つに、片栗粉を薄く、均一にまぶしていく。

余分な粉をはたき、十分に熱せられた油の温度を菜箸で確認。箸先からシュワシュワと細かな気泡が立ち上る――今だ。

大振りにカットされた鶏もも肉を、静かに油の海へと投入する。

パチパチパチ……ジュワワワワワワワワワッッッ!!!

その瞬間、静かな丘陵地帯に、天国のような揚がる音が響き渡った!

油の熱によって一瞬で固まる衣。

黄金色の泡に包まれながら、肉の隙間から溢れ出た脂とにんにく醤油が熱せられ、白い湯気とともに圧倒的な香気の暴力となって立ち上る!

「う、うわああああああああっ!!」

フィンが頭を抱えて叫んだ。

「耳が……鼻が……耐えられねぇ!! 油の中で肉が歌ってやがる!!」

「これが料理だと……!? ただ焼くだけでも煮るだけでもない、油の熱で揚げるというのか……!」

百戦錬磨の重戦士ブルーノが、見たこともない調理風景に圧倒されてプルプルと震えている。

【豊穣神デメトラ】:なんという音だああああああっ!! 神界まで香りが届きそうだぞ!!

【主神アルト】:飯テロすぎる!! 画面から唐揚げ取り出せる機能早く作れよ!!

そして、コメント欄に突如として見慣れぬ真っ赤なネームログが乱入してきた。

【武神アーレス】:何だこの熱き油の音は……!? まるで戦場の雄叫びのように血が滾るではないか!!

【主神アルト】:うおっ、軍神のアーレスまで釣られてきたww

【武神アーレス】:主神よ黙って見ておれ! 少年、その黄金に揚がる肉塊は我が戦士たちの士気を最高潮に高める至高の兵糧に見えるぞ! 早く完成させよ!

神々の狂乱をよそに、俺は菜箸で肉をひっくり返す。

きつね色に色づいた唐揚げを一度引き上げ、余熱で中にじっくり火を通す。

そして最後、油の温度を強火で一気に引き上げ――二度揚げだ!

ジャーーーーーーッッッ!!

短時間、高温で二度揚げすることで、余分な油を弾き出し、衣はカリッと、中は肉汁を極限まで閉じ込めたジューシーな仕上がりになる。

油を切って、キッチンペーパーを敷いた大皿に山盛りに積み上げる。

仕上げにフレッシュなレモンをギューッと絞りかけ、皿の端にこんもりと特製マヨネーズを添えた。

「お待たせしました! 特製・若鶏もも肉のにんにく醤油唐揚げ、完成です!」

カラッと揚がった無数の黄金の塊が、太陽の光を浴びてキラキラと輝いている。

箸で触れるだけで、カリリッと心地よい音が鳴った。

「うむ! 妾が毒味をしてやるのじゃ!」

いつの間にか犬から狐の姿に戻っていたコハクが、待ちきれないとばかりに大皿へ飛びつき、自分の顔ほどもある熱々の唐揚げにかぶりついた!

サクゥッ……ジュワァァァァァッ!

「あふっ! ふほっ、んまーーーーーーいっ!!」

コハクの口の端から、透明な肉汁がピュッと飛び散る。

「外は竜の鱗よりサクサクなのに、中は羽毛のように柔らかく肉汁が洪水のように溢れてくるのじゃ! ミナト、そなたやはり料理の神じゃな!」

「く、くそっ、我慢の限界だ!」

ブルーノが太い指で唐揚げを鷲掴みにし、大口を開けて放り込んだ。

フィンも負けじと飛びつく。

二人の口内で、爆薬のような炸裂音が響いた。

サクッッッ! ジュワァァァァァァッッ!!

「――ッッッ!?!?!?」

二人の動きが、ピタリと静止した。

次の瞬間、ブルーノの厳つい目から、ポロポロと大粒の涙がこぼれ落ちた。

「な……なんだこれ……なんだよこれぇぇぇぇぇっ!!」

ブルーノが喉を震わせて絶叫する。

「カリッとした衣を噛んだ瞬間、熱々の肉汁が口の中いっぱいに弾け飛んできやがった……! にんにくと醤油の香ばしさが肉の旨味を何倍にも引き立てて……噛めば噛むほど、力(パワー)がみなぎってくる……っ!」

「う、うんめぇぇぇぇぇぇっ!!」

フィンが叫びながら、二個目の唐揚げにマヨネーズをたっぷりディップして口へ放り込む。

「この白いタレ何!? 酸味とコクが合わさって、油っこさが消えて無限に食える! こんな美味いもん食ったら、もうギルドの干し肉なんて二度と食えなくなっちまうよぉぉぉっ!!」

「おいフィン、まだこれがあるぞ」

ブルーノが腰の革袋から、冷えた水筒を取り出した。ギルドから持参した王都名物の白エールだ。

唐揚げを口いっぱいに頬張った男二人が、エールを喉へと一気に流し込む!

ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ……ぷはぁぁぁぁぁぁぁっ!!

「「生きててよかったぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」」

二人の魂の咆哮が、青空へと突き抜けた。

互いの肩を組み、唐揚げの皿とエールを囲んで男泣きしながら笑い合う。

その光景を見た天界の画面が、目も眩むような深紅の光で染まった。

『武神アーレスよりスーパーチャット:100,000ptが寄付されました』

【武神アーレス】:見事だ! 見事すぎるぞ少年!! 戦士たちが美味い飯を食らい、友と笑い合う……これぞ我が求めていた真の宴だ!! 受け取るが良い、戦士への褒美である!!

【主神アルト】:武神が赤スパ投げたァァァァァッwwww

【愛の女神フィリア】:男同士の熱い絆……! これもまた素晴らしい人間讃歌ですわ!

【豊穣神デメトラ】:二度揚げの技法、しかと見届けたぞ! 天界の厨房ですぐに再現させねばならん!

十万ポイントの臨時収入に俺が驚いていると、唐揚げを十個以上平らげて腹をパンパンに膨らませたブルーノが、ズシッと重い手を俺の肩に置いてきた。

「ミナト……お前はただのポーターなんかじゃねぇ。俺たちの命の恩人……いや、最高の『ダチ』だ!」

「おうよ! ミナト、あんた最高だぜ! 一生ついていく!」

フィンが満面の笑みで親指を立てる。

「あはは、喜んでもらえて良かったです」

俺が苦笑いしていると、ブルーノがふと真面目な顔つきになって、声を潜めて言った。

「なぁ、ミナト。……実は明後日、俺たち『青銅の盾』は、王都の地下迷宮(ダンジョン)へ潜る予定なんだ」

「地下迷宮……ダンジョンですか?」

「ああ。第一層の浅い場所だが、荷物持ち(ポーター)と料理番として……俺たちと一緒に来てくれないか? もちろん、お前の身の安全は、俺たちがこの命に代えても守り抜く!」

差し出された巨漢の大きな手。

俺の戦闘力ゼロのお散歩配信生活は、いよいよ本物のダンジョンへと舞台を移そうとしていた。

第7話をお読みいただきありがとうございました!

次回――第8話は、冒険者としての初仕事――地下迷宮への遠征準備が始まります!

王都ダンジョンの安全地帯を目指し、新たなキャンプ飯と装備の仕込みがスタートします!

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