第48話:アストラリス宮殿への登城! 若き国王からの密命
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前回の第47話では、宿屋でのスイーツ女子会打ち上げから、ユリアスからもらった甘口ワインの罠によってヒロイン全員がほろ酔いデレデレに!
そして画面最小化の誤操作による特大の配信切り忘れ事故が発生!
大聖堂前広場の巨大スクリーンと風魔導スピーカーからルミアの「あたま、なでなでしてぇ……♡」という甘え声が王都中に響き渡り、
推しボタン水晶の連打の嵐で一気に【登録者数50万人】を大突破いたしました!
さらに降臨した主神アルトから、東部・古代樹海の魔女エレナのもとへ向かう「大巡礼の公式神託」が発令!
そして迎える第48話は、王国の最高権力の座「アストラリス宮殿・玉座の間」へ登城する【アルさん国王バレ×ちびっこ兄妹の乱入×低反発クッションで威厳崩壊×同行王命&ユリアスとの友情】の超豪華回です!
第36話でお忍びで屋台にやってきた、あの仲睦まじい美男美女夫婦『アルとレノーラ』の正体が、ついにミナトの前で白日の下に!?
激務で腰痛と背中痛に悩む国王夫妻へ、天界通販の高級背もたれクッションを献上した結果、玉座の上でとんでもない大惨事(癒やし)が発生!?
さらに元気いっぱいの王子・王女や、美形パパ司教の王都常駐認可、そしてユリアスとの熱い男の友情まで!
笑いと感動がぎっしり詰まった王宮謁見を、どうぞお楽しみください!
青空を貫くようにそびえ立つ、白亜と黄金の巨塔――アステリア王宮『アストラリス宮殿』。
主神アルト様より下された【大巡礼の公式神託】の報告のため、俺たちは王宮の厳重な検問を抜け、最奥に位置する『玉座の間』へと足を踏み入れていた。
「うぅ……ミナトさん。昨夜の私の声……本当に王都中に響き渡ってしまっていたのですね……」
隣を歩くルミアは、修道服のフードを目深に被り、両手で真っ赤に熟れた林檎のような顔を覆って小さく震えていた。
「聖女様、私とて同じです……。酒に酔い、我が主に頭を撫でろとねだるなど……近衛騎士にあるまじき大失態……腹を切ってお詫びせねば……」
もう片方のシルヴィアも、白銀の甲冑の襟元まで真っ赤に染め上げ、抜き身の剣のように硬直して歩いている。
「二人とも、落ち着いて! もう起きてしまったことは仕方ないから! ほら、玉座の前なんだから前を向いて!」
俺が小声で宥めていると、豪奢な白銀の大扉が左右へと重々しく開かれた。
眼前に広がったのは、磨き抜かれた純白の大理石の列柱と、深紅の絨毯がどこまでも続く、息を呑むほど荘厳な空間だった。
絨毯の両脇には抜き身の槍を掲げた近衛騎士たちがずらりと整列し、最奥の一段高い壇上には、燦然と輝く二つの黄金の玉座が据えられている。
そして、その玉座に腰掛けていた人物の顔を仰ぎ見た瞬間――俺の思考は完全に停止した。
彫刻のように均整の取れた顔立ちに、眩いプラチナゴールドの髪。頭上に黄金の王冠を戴く、非の打ち所のない美丈夫。
その隣には、絹のように細やかな金髪を優雅に結い上げ、慈愛に満ちた笑みを湛える気品溢れる美女。
「……え?」
見覚えがありすぎる。
いや、数日前の昼下がりに、大聖堂前の屋台で親しく言葉を交わしたばかりだ。
「え……えええええええっ!? ア、アルさん!? それにレノーラさん!?」
静まり返った玉座の間に、俺の魂の絶叫が木霊した。
「なっ……! 不敬であるぞミナト殿! 玉座におわすお方をどなたと心得る! 我がアステリア王国第十四代国王アルベルト陛下、並びにエレオノーラ王妃様であらせられるぞ!」
壇下の脇に控えていたヴァルフレート大司教が、血相を変えて強く注意を促す。
だが、玉座の国王――アルベルト陛下は、厳めしい表情を保つどころか、豪快に肩を揺らして吹き出した。
「ははは! よいではないか大司教。……久しぶりだな、ミナト殿。あの美味いクレープと、尻が雲に浮くような青い敷物以来か!」
「アルベルト、公式の謁見の場ですのに、そんなに大笑いなさっては威厳が損なわれますわ。……ふふ、お久しぶりですわね、ミナトさん」
王妃エレオノーラ様も、口元に手を当てて悪戯っぽく微笑んでいる。
(アルさん、本当に国王だったのかよぉぉぉ!?)
【主神アルト】:『ミナトの「アルさん国王だったのぉぉ!?」キタァァァwww 待ってましたww』
【愛の女神フィリア】:『先日のお忍び美男美女のご夫婦がここで繋がりましたわーっ!! 陛下も王妃様も本当に素敵ですわ〜!』
俺が口をあんぐりと開けて固まっていると、玉座の脇にある小さな扉がパカッと開き、トタトタと愛らしい足音が響いてきた。
「父様! 母様! ミナトお兄ちゃんが来たって本当!?」
「コハクちゃんもいるのー!?」
駆け込んできたのは、アルベルト国王と同じプラチナゴールドの髪をしたやんちゃそうな男の子と、淡いピンクのドレスに身を包んだ小さなお姫様だった。
「これ、レオン、アイリス! 今は神聖なる謁見の最中であるぞ!」
国王が苦笑いしながら窘めるが、二人の子どもは止まらない。
「お兄ちゃん! 父様がお持ち帰りしてくれたお肉の焼きそば、すっごく美味しかったよ! 僕、レオン! 七歳!」
「アイリスは五歳なの! コハクちゃん、ふわふわーっ!」
アイリス王女が目を輝かせて駆け寄るなり、俺の足元にいたコハクへ両手を伸ばした。
侍従たちが青ざめる中、コハクは慌てるどころか、ふわりと宙に浮いて胸を張った。
「かっかっか! 妾の極上モフモフ毛並み、存分に愛でるがよいぞ童ども!」
「きゃー! あったかぁい! モフモフ〜!」
アイリス王女がコハクをぎゅっと抱きしめて頬ずりし、レオン王子も「すごい、喋った!」と目を輝かせる。
俺は微笑ましい二人の姿に屈み込み、手元のスマホを素早く操作して天界通販の画面を開いた。
「二人とも、屋台のご飯を美味しく食べてくれてありがとう。これ、お兄ちゃんからのプレゼントだよ」
光の粒子とともに具現化させたのは、色とりどりの小さなカップに入った『ぷるぷる果汁100%フルーツゼリー(りんご・ぶどう・みかん)』と、可愛らしい動物の形をした『どうぶつ型抜きバタークッキー』だ。
プラスチックのスプーンを添えて手渡すと、二人は目をまん丸にしてゼリーを口に運んだ。
「んん〜っ! 冷たくて甘くて、果汁がお口の中でつるんって弾けた!」
「このクッキー、すっごくサクサクで甘くていい匂いがする!」
王子と王女は一瞬で満面の笑顔になり、俺の服の裾を嬉しそうにぎゅっと掴んできた。
【豊穣神デメトラ】:『冷たく透き通る果汁ゼリーに、バター香る型抜き菓子! 幼子を笑顔にする見事な甘味じゃ!(20,000pt赤スパ寄付)』
【主神アルト】:『王子と王女を一瞬で胃袋掌握してて草ww ミナトの人たらしスキル極まりすぎだろww』
だが――微笑む国王夫妻を見上げた時、俺はあることに気づいた。
アルベルト国王は時折こめかみを押さえ、王妃エレオノーラ様もまた、玉座の背もたれにそっと背中を預けながら、痛みに耐えるように微かに眉を寄せていたのだ。
連日の激務による腰と背中の疲労が溜まっているようだった。
「あの……陛下、王妃様。少しよろしいでしょうか」
「ん? どうしたのだ、ミナト殿」
「フェスの際、王妃様が『王宮の椅子に置きたい』と仰っていたのを覚えておりまして。激務で酷使される背骨と腰を優しく支える【特製の背もたれ】をお持ちいたしました」
俺は天界通販から、極上のアイテムを二つ具現化させた。
漆黒の高級生地に包まれた、人間工学に基づく『プレミアム低反発背もたれクッション』だ。
「ほう……? 背もたれ、とな?」
近衛兵を介して受け取った国王夫妻は、半信半疑のまま、玉座の硬い石の背もたれにそれをセットし、深く腰を預けた。
――その瞬間だった。
「「――ッッッ!?!?!?」」
国王と王妃の瞳が見開かれ、次の瞬間――二人の表情が、文字通り跡形もなく崩壊した。
「な……なんだ、これは……!? 硬い背もたれのはずが……まるで温かな手のひらで、腰と背骨の隙間を吸い付くように支えられているようだ……! 身体にかかる重圧が……王としての責務の重さすら、霧のように消え去っていく……!」
「あぁ……っ! なんて心地よいのでしょう……! まるで、温かな羽毛の雲に背中からふんわりと抱きしめられているようですわ……! 腰の芯まで、とろけてしまいます……♡」
玉座の上で、背もたれに深く深く沈み込み、ふにゃふにゃに蕩けて至福の吐息を漏らす若き国王と王妃!
国家元首の威厳など、極上の低反発ウレタンの前に微塵も残っていなかった。
「あはは! 父様と母様がとけてるー!」
「ふにゃふにゃになってるー!」
レオン王子とアイリス王女が無邪気に指を差して笑い、周囲の近衛兵たちも必死に口元を引き結んで肩をワナワナと震わせている。
【主神アルト】:『国王夫妻、玉座の上で完全昇天しててワロタァァァッッッ!!!wwww 威厳どこ行ったwww』
【愛の女神フィリア】:『仲睦まじいご夫婦がお揃いのクッションで蕩けていらっしゃいますわ〜! 尊い……尊すぎますわ!』
「……コホン! 失礼、取り乱した」
数分後、どうにかクッションの魔力から意識を引き戻したアルベルト国王が、背中をしっかりと密着させたまま居住まいを正した。
その瞳には、ミナトに対する計り知れない信頼と敬意が宿っていた。
「さて、本題に入ろう。昨夜、主神アルト様より下された【大巡礼の公式神託】……アステリア王国として、正式にこれを受諾・全面支援することをここに宣言する!」
国王の力強い言葉が玉座の間に響き渡る。
「東部・古代シルヴァリス樹海への巡礼を国家事業として公認し、王国全土および同盟諸国で通用する最高位の通行証を発行しよう。クラリッサ商会との補給網の連携も、国が全面的に保証する」
「ありがとうございます、陛下!」
俺が礼を述べると、今度は壇下のヴァルフレート大司教が一歩前へと進み出た。
「陛下。フェスにて集まりました金貨二千三百枚による慈善プロジェクトですが、その全権責任者として、エルム教区のクリストフ司教を【王都大聖堂・慈善特命司教】に任命し、王都へ常駐させたく存じます」
「うむ! クリストフ司教の清廉なる人柄と手腕は余も聞き及んでいる。即刻認可しよう!」
国王の快諾を受け、後ろに控えていた父クリストフ司教が、優雅に深々と頭を垂れた。
「そして、シルヴィア騎士団長。前へ」
「はっ!」
呼ばれたシルヴィアが、甲冑の音を響かせて玉座の前へと進み出て膝をつく。
「我が国の至宝たる聖女、そして主神の使徒たるミナト殿を護衛するため、汝に近衛騎士団長の職務を一時免除し、【ミナト殿の専属護衛】として巡礼の旅へ同行することを命ずる!」
「ははっ……! 謹んで拝命いたします! 我が命に代えても、ミナト殿と聖女ルミア様をお守りいたします!」
シルヴィアは迷いのない澄んだ声で応じ、深々と頭を垂れた。
その横顔には、騎士としての誇りと、ミナトの側にいられることへの隠しきれない喜びが滲んでいた。
【武神アーレス】:『うむ! 近衛最強の剣を護衛につけるとは、国王も実に話のわかる男よ! 万全の布陣である!』
こうして、国家と教会の双方から完璧な後ろ盾と同行許可を得て、謁見は和やかな空気の中で幕を閉じたのだった。
◇
謁見を終え、レオン王子とアイリス王女から「お兄ちゃん、旅先でも美味しいご飯の配信いっぱい見せてね!」「推しボタン押すね!」と温かく見送られた後。
王宮の長い白大理石の回廊を歩いていると、背後から優雅な足音が近づいてきた。
「見事な謁見だったよ、ミナト」
振り返ると、そこには美しい藍色の宮廷魔道服をまとったユリアス公爵が立っていた。
「ユリアス様! あ、昨夜のフルーツワイン……! ジュースみたいに甘くて美味しいって喜ばれましたけど、アルコールが回って大変なことになったんですよ!」
俺が苦笑いしながら抗議すると、ユリアスは悪戯っぽく肩をすくめてみせた。
「ふふ、王室御用達の秘蔵酒だからね。だが……結果としてクラリッサ、シルヴィア、ルミア様三人が喜んでくれただろう。」
「うっ……それはそうですけど……」
からかうように笑っていたユリアスだったが、ふと足を止めると、貴族としての気取った仮面を外し、少年のような柔らかな笑みを浮かべた。
「それとミナト……『ユリアス様』と呼ぶのは、もうやめてくれないか」
「え?」
「堅苦しい敬称は抜きだ。私のことは『ユリアス』と呼んでほしい。……私たちはもう、あの大聖堂前フェスを共に成功させた、対等な【友人】だろう?」
ユリアスはそう言って、スッと右手の拳を差し出してきた。
身分の差など微塵も気にしない、真っ直ぐで温かな瞳。
俺は少し驚き、そして胸の奥が熱くなるのを感じながら、満面の笑みで自分の拳を突き合わせた。
「……うん! よろしく頼むよ、ユリアス!」
「ああ。道中気をつけてな、ミナト。魔導水晶柱の量産と周辺諸国への配備は、王都で私が責任を持って進めておくよ」
拳と拳を通じて伝わる、確かな友情の熱。
【主神アルト】:『ユリアスめっちゃいい奴じゃん! 男の友情アツいな!』
【愛の女神フィリア】:『キャーッ! 拳と拳を合わせる男同士の絆……これもまた最高に尊いですわーーっ!!♡』
国王からの全面支援、心強い護衛、王都を守る仲間たち、そして無二の友人。
すべてが整い、俺たちはいよいよ、王都の仲間たちとの最後の別れと旅立ちの準備へと進むのだった。
第48話をお読みいただきありがとうございました!
王宮アストラリス宮殿での【アルさん国王バレ×ちびっこ兄妹乱入×低反発クッションで威厳崩壊×同行王命&ユリアスとの友情回】、いかがでしたでしょうか!
第36話でお忍びで屋台にやってきた仲睦まじい美男美女夫婦『アルとレノーラ』の正体が、アステリア王国第十四代国王アルベルト陛下とエレオノーラ王妃様だと判明!
ミナトの「アルさん国王だったのぉぉ!?」という魂の絶叫が玉座の間に響き渡りました!
そして、やんちゃなレオン王子と可愛いアイリス王女の乱入!
コハクの極上モフモフと天界通販の冷たい果汁ゼリー&どうぶつクッキーで、あっという間に王族キッズの胃袋と心を掌握!
さらに、激務で腰痛と背中痛に悩む国王夫妻へ、第36話の伏線を回収する『王族仕様プレミアム低反発ランバーサポート(背もたれクッション)』を献上!
玉座の上で「雲に抱かれているようですわ……♡」とふにゃふにゃに蕩けて威厳が完全崩壊する姿は、最高に微笑ましかったですね!
公認手続きも完璧に完了!
主神アルトの神託(東部・古代シルヴァリス樹海への巡礼)が国家事業として認可され、
金貨2,300枚慈善基金の責任者として父クリストフ司教の【王都常駐】が正式決定!(これで旅立ち後も王都で大活躍できます!)
そしてシルヴィアへ【専属護衛としての同行王命】が下り、正式な同行メンバーとなりました!
ラストには、回廊でユリアスと拳を突き合わせ、「ユリアスと呼んでくれ」と対等な男の友情を結ぶ熱いシーンも!
次回――第49話もどうぞお楽しみに。
第2章まで、あと2話となります。




