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配信切り忘れに気づかない聖女様、裏では俺にベタ惚れなのが神々と異世界中に筒抜けだった件 〜変幻狐と行く異世界ダンジョンお散歩生活〜  作者: 湊月


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第47話:打ち上げ配信切り忘れ!? 主神アルトの公式神託

いつもお読みいただきありがとうございます!

前回の第46話では、数万人を熱狂させた巨大屋台と足場が綺麗さっぱり解体され、大聖堂前広場に穏やかな日常が戻ってきました!

新設された魔導水晶柱の「早押しクイズみたいな推しボタン」を街の人々が楽しそうに押し、

青空の下で特製サンドイッチを食べながら、豚肉と卵を持って転移してきたあの日からの奇跡をエモく振り返りました!

そしてラスト、宮廷工房で奮闘するユリアスへミナトが夜食カツサンドを差し入れたお礼として、「まるでジュースのように甘い王室御用達フルーツワイン」を受け取りました!

そして迎える第47話は、宿屋のリビングを舞台にした【極上スイーツ女子会×ヒロイン全員ほろ酔い×主神アルト公式神託】の超重要回です!

天界と王都が同時にひっくり返る大狂乱の夜を、どうぞお楽しみください!

パチパチと暖炉の薪が爆ぜる、心地よい温もりに満ちた宿屋のリビングルーム。

大きな木製ローテーブルの上には、昨日のフェスの脂っこさを綺麗さっぱり忘れさせるような、色鮮やかで華やかな極上スイーツが所狭しと並んでいた。

純白の粉糖を雪のようにまとった、見るからにふわふわな『北海道特選・純生ロールケーキ』。

ガラスの器から溢れんばかりに盛り付けられた、色とりどりの瑞々しい『極上フルーツパフェ』。

そして、口に入れた瞬間にとろけ出す濃厚な『生チョコレート』。

どれも俺が天界通販のポイントを惜しみなく使って取り寄せた、現代日本のパティシエ自慢の逸品たちだ。

そしてテーブルの中央には、夕方に宮廷工房へ夜食カツサンドを差し入れた際、ユリアスさんからお礼にと持たされた王室御用達の硝子瓶――深いルビー色に透き通る、特製のフルーツワインが鎮座していた。

「神々の皆さん、こんばんは! 昨日の大聖堂前フェスでは、たくさんの温かい応援とスパチャを本当にありがとうございました! 今夜は仲間たちと、フェス大成功のお祝い打ち上げ生配信です!」

俺がリビングのソファ中央から手を振ると、神具スマホがふわりと宙に浮き、広角レンズでテーブル全体をフレームに収めた。

俺の両隣には、いつもの修道服を着たルミア、甲冑を脱いで珍しい私服のブラウス姿になったシルヴィア、そして夜会のような美しいドレスをまとったクラリッサが並んでいる。

【愛の女神フィリア】:『キャーッ! ヒロイン勢揃いの夜のスイーツ女子会生配信! 画面が美しさで輝いておりますわーーっ!!♡』

【豊穣神デメトラ】:『うおおっ! なんと神々しい純白のロールケーキに、山盛りの果実パフェじゃ! これぞ乙女の夜を彩る至高の甘味!』

「さあ皆さん、フェス本当にお疲れ様でした! 乾杯しましょう!」

「「「乾杯〜っ!」」」

グラスが心地よい音を立てて触れ合う。

まずは一口、ユリアスさんのフルーツワインを含んだルミアが瞳をまん丸に見開いた。

「まぁ……! ミナトさん、これ本当にお酒なのですか!? アルコールの苦味や渋みが全然なくて……まるで摘みたての濃厚な葡萄の果汁をそのまま飲んでいるみたいです!」

「ふふ、本当ですわね! ベリーの甘酸っぱさが爽やかで、まるで最高級の葡萄ジュースのようですわ!」

クラリッサも驚いたようにグラスを見つめ、シルヴィアもこくりと喉を鳴らして目を細めた。

「うむ……! 普段飲む軍用のエールや辛口ワインとはまるで違う。これならば、酒に弱い私でもいくらでも飲めてしまいそうだ」

「ユリアスさんが『果汁たっぷりで甘くて飲みやすいから、スイーツにぴったりだよ』って言ってたんだ。でも皆さん、いくらジュースみたいでもお酒ですからね? 飲みすぎには気をつけてくださいよ」

「はい、大丈夫ですわ!」

そう言いながら、三人は競い合うようにフォークを動かし始めた。

「んん〜っ……! ミナトさん、このロールケーキ、生地が雲のようにふわっふわで……中の生クリームが信じられないくらい濃厚でとろけます……!」

ルミアが両手を頬に当ててうっとりと蕩ける。

「こちらの生チョコレートも絶品ですわ! ほろ苦いカカオの香りと芳醇な甘みが、この甘口ワインと悪魔のように合いますの!」

クラリッサが幸せそうに目を細め、シルヴィアもフルーツパフェを口に運んで感動に震えていた。

「甘いクリームと甘酸っぱい果実、そしてこの果汁酒……! 戦場で張り詰めていた魂が、芯から解きほぐされていくようだ……」

「うむ! 妾もパフェの苺をいただくのじゃ!」

コハクも前足を伸ばし、大きな苺を抱え込んでむしゃむしゃと頬張る。

甘い極上スイーツと、ジュースのようにスイスイ飲めてしまう甘口ワイン。

「美味しいですね」「もう一杯だけ」とグラスを重ねるうちに、ヒロインたちの警戒心は完全にゼロになっていた。

配信は神々との楽しい雑談とともに大盛況のうちに進み、時計の針はあっという間に午後九時半を回っていた。

「それでは神々の皆さん! 今夜の打ち上げ配信はここまでとなります! 本当にありがとうございましたー!」

俺は満面の笑みで両手を振り、神具スマホを手元に引き寄せた。

画面に浮かぶ赤いボタンをポチッとタップし、テーブルの上にコトンと画面を伏せて置く。

「ふぅー……! 美味しかったし、楽しかったなぁ!」

俺は大きく伸びをして息を吐き出した。

――だが。

俺は気づいていなかった。

先ほどタップしたのが、『配信終了ボタン』ではなく、またしてもそのすぐ隣にあった【画面最小化ボタン】だったということに……!

テーブルの上で伏せられたスマホの画面の端では、小さな赤い光がピコピコと激しく点滅を続けていた。

『● LIVE中継中(バックグラウンド配信中)』

そして――配信が終わったと信じ切ったリビングで、ついに「ワインの罠」が牙を剥いた。

「……う、ふふ……。なんだか、身体がぽかぽかしてまいりましたわ……」

クラリッサがとろんとした瞳で頬を赤らめ、手にしていた愛用の扇子をパタンと床に落とした。

「む……? 視界が少し揺れるな……。おかしい、あんなに甘くて美味な果汁水だったはずなのに……」

シルヴィアも白銀の髪を揺らし、瞳を潤ませて首を振っている。

果汁のように甘く飲みやすいワインほど、後からガッツリとアルコールが回ってくるものだ。

普段はお酒をほとんど飲まないうら若き乙女三人の脳内に、一気に極上の酔いが回り始めていた。

「み、ミナトさん……」

隣に座っていたシルヴィアが、ふらりと体を傾け、俺の左肩にコテンと頭を預けてきた。

プラチナシルバーの柔らかな髪から、石鹸と甘い柑橘系の香りがふわりと鼻腔をくすぐる。

「ちょ、シルヴィアさん!? ち、近いですって!」

「ミナトさん……私は……もっとミナトさんのお役に立ちたいのです……。フェスの警備も……頑張りました……。ですから……ほ、褒めてください……。ミナトさんの手で……あたまを撫でてくださっても……良いのですよ……?」

普段の凛々しい「氷の鉄血騎士」の面影はどこへやら、とろけそうな瞳で上目遣いに見つめ、俺の二の腕にすりすりと頬を寄せてくる!

生真面目すぎる忠誠心が、アルコールの力で完全に甘えん坊へとバグっていた。

「あらあら……シルヴィアったら、抜け駆けはずるいですわ……!」

反対側から、クラリッサが艶やかなドレスを擦り寄せ、俺の右腕を両手でぎゅっと抱き込んできた。

柔らかく豊かな感触が腕全体を包み込み、俺の心臓が激しく跳ね上がる。

「ク、クラリッサさんまで!? ちょ、二人とも離れて――」

「ミナト……うぅ、本当は……王都でお留守番なんて強がりですのよ……! わたくしだって、ミナトの隣にずっといたいですわ……! ですから……旅先で他の女商人になびいたら、絶対に許しませんからね……? わたくしだけを……見ていてくださいまし……」

普段の大豪商の仮面が完全に剥がれ落ち、寂しがり屋な本音がポロポロと零れ落ちる。

左右から美少女二人に抱きつかれ、身動きが取れずにパニックになっていると、ソファの端でパフェを完食したコハクが、ぽんぽんに膨らんだお腹を出して「ふにゃ〜、極楽じゃ〜」と丸くなって爆睡を始めてしまった。

やがて、俺の腕や肩に思う存分すりすりと甘え倒した二人は、満足したように小さく吐息を漏らすと――

「ふふ……我が主……」

「ミナトさん……すぅ……」

そのまま俺の左右の肩に寄りかかった体勢で、すやすやと気持ちよさそうに寝息を立て始めたのだった。

「ふ、二人とも寝ちゃった……!? うわぁ、どうしようこれ……」

両腕を塞がれたまま冷や汗を流していると――

クイクイッ。

膝の上にあった服の裾を、控えめに引っ張られる感触があった。

「……え?」

視線を向けると、そこには床の上にぺたんと正座し、両手で俺の裾をぎゅっと握りしめたルミアがいた。

頬は林檎のように真っ赤に熟れ、瞳は潤んでトロンと蕩けきっている。

「……ル、ルミアさん? 大丈夫ですか……?」

「……むぅ。ミナトさん……ずるいです……」

舌足らずな、熱っぽい吐息交じりの声。

ルミアはすり寄るように俺の膝の上へ身を預けると、俺の胸元にすりすりと額を押し当ててきた。

「シルヴィアさんやクラリッサさんばかり……ずるいです……。私だって……私だって、ミナトさんとずっと一緒にいたいのに……」

「ル、ルミアさん!? 顔が真っ赤ですよ! お酒が回ってるんですって!」

「お酒のせいじゃありません……っ! 私……ミナトさんが、魅力的なんですもの……♡ どこへも行かないでくださいまし……」

「み、魅力的って……っ!?」

心臓が破裂しそうなほどの告白に俺が息を呑むと、ルミアは潤んだ瞳でじっと俺を見上げ、とろけるような笑みを浮かべた。

「えへへ……ミナトぉ……あたま、なでなでしてぇ……? いっぱい、ぎゅーってしてぇ……♡」

かつて生姜焼きを食べたあの日を遥かに超える、完全無防備な究極の甘えん坊モード!

――その瞬間だった。

神具スマホの画面を突き抜けて、天界の神々がひっくり返ったような超高速弾幕が吹き荒れた!

【愛の女神フィリア】:『ぎゃあああああああああああああ尊死いいいいっっっ!!!(鼻血で水没)(200,000pt赤スパ寄付)』

【主神アルト】:『草ァーーーーーーーッッッ!!!wwwwwwww おい待ってくれ! これ宿屋だけじゃないぞ!! 広場見てくれ広場ァァァ!!www』

――ゴオォォォォォォッ!!

宿屋の窓の外、夜の静寂に包まれていたはずの王都の空が、突如として真昼のように青白く光り輝いた。

「え……!? な、なんだ!?」

俺が慌てて窓の外を見やると、遠くの大聖堂前広場の上空高くに、半透明の【光の魔導スクリーン】がパッと展開されていた!

そして、昨夜設置されたばかりの魔導石柱から、風魔導の音響スピーカーが作動し――

『えへへ……ミナトぉ……あたま、なでなでしてぇ……? いっぱい、ぎゅーってしてぇ……♡』

ルミアの甘く蕩けた吐息交じりの声が、夜の王都の隅々まで、驚くほどの高音質で響き渡ったのだ!!

「な……っ!? な、なんじゃこりゃあぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

窓の外の遠くの大聖堂前広場から、地鳴りのような絶叫と怒号が響いてくる。

『な、なんだ空の画面はぁぁぁ!? 聖女様が抱きついておられるぞぉぉぉ!?』

『団長様もクラリッサ様もデレデレで寝落ちしてるぅぅぅ!?』

『聖女様の告白だぁぁぁ! ミナトの旦那にベタ惚れだぁぁぁぁ!!』

夜警中の騎士たちや、酒場から飛び出してきた民衆が、我を忘れて大聖堂前広場の魔導水晶柱へと殺到!

台座の【神聖登録水晶(推しボタン)】へ群がり、まるで狂ったように連打を始めた!

――『ピコン!ピコン!ピコン!ピコン!ピコン!ピコン!ピコン!』

広場から無数の推しボタン音が機関銃のように鳴り響き、テーブルの上のスマホがガタガタと激しく震動し始めた!

「ひ、光ってる……!? なんでスマホが……って、画面最小化ボタン押してたぁぁぁぁっ!? 配信切れてないじゃんぁぁぁぁぁぁっ!!」

俺の魂の絶叫が部屋に木霊する中、スマホの画面に表示されていたチャンネル登録者数のカウンターが、目にも留まらぬ超高速で狂乱の回転を始めた。

四十二万……四十五万……四十八万……四十九万九千――チーーーーン!!

ピキィィィィィンッッッ!!

目も眩むような七色の光の粒子がスマホから吹き荒れ、画面の中央に金色に輝く特大の数字が躍り出た。

【チャンネル登録者数 500,000人(50万人)達成!!】

「ご、ごじゅうまんにん……!? 天界と王都の登録が合わさって、一瞬で五十万人を突破したぁぁぁ!?」

俺が腰を抜かしかけた、その時だった。

スマホの画面から立ち上った光が部屋の天井へと届き、厳かな鐘の音が天から降り注いだ。

部屋の空気が一瞬で張り詰め、神聖極まりない絶対の神威が空間を満たす。

その圧倒的な気配に、寝息を立てていたシルヴィアとクラリッサがハッと目を覚まし、ミナトの胸に抱きついていたルミアも、酔いを吹き飛ばして息を呑んだ。

スマホから投影された光の柱の中に現れたのは――

純白と黄金の神聖なる法衣をまとい、後光を背負った【主神アルト】の厳かな神影だった!

『――聞き届けよ、地上の愛しき民たち、そして我が使徒ミナト、聖女ルミエラ』

天上の静寂を震わせる、重厚で威厳に満ちた主神の声。

ルミアたちは思わず床に膝をつき、祈りの姿勢をとった。

『チャンネル登録者数五十万人の達成、実に見事である。汝らが紡いだ食と絆の光は、天界の神々を深く感動させ、王都の民の心を一つに結びつけた……』

荘厳に語るアルト。

……だが、その神々しい影の口元から、

「バリボリ……(ポテチの咀嚼音)」

と、いつもの気の抜けた音が微かに漏れ聞こえていた。

『よってここに、天界の最高総意として【大巡礼の公式神託】を下す!』

アルトの手が天へと掲げられ、黄金の文字が宙に刻まれる。

『聖女ルミエラ、および使徒ミナトよ! これよりアステリア王都を立ち、東部・静寂の古代樹海へと旅立つべし! 樹海深くに隠れ住む魔女エレナの魔導具開発を支援し、汝らの笑顔と温もりを、あまねく大陸全土の民へ届けるのだ!』

「東部の……古代樹海……!? 魔女エレナ……!?」

ルミアが瞳を見開き、息を呑んだ。

『詳しい話は明日の朝、王宮のアストラリス宮殿で国王たちと話すがいい! ……じゃ、ミナトくん、ルミアちゃん、公式神託発令おめでとー! いやー、広場を巻き込んだ特大の配信切り忘れ、最高に面白かったわwww』

最後はいつものチャラい笑顔でピースサインを掲げ、主神の神影はふっと光の粒子となって消え去った。

静寂が戻ったリビング。

放心状態で固まるミナトの横で、シルヴィアとクラリッサは顔を真っ赤にしてお互いを見つめ合い、ルミアは驚きに胸を震わせながらも、ミナトの服の裾をぎゅっと力強く握りしめていた。

教会も国家も、大陸の誰も逆らうことのできない、最高神直々の「旅立ちの神託」。

前代未聞の切り忘れ事故の夜は、世界を巡る大冒険への幕開けとなったのだった。

第47話をお読みいただき、本当にありがとうございました!

宿屋での【極上スイーツ女子会×ヒロイン全員ほろ酔い×広場大暴発切り忘れ×登録者50万人突破&主神アルト公式神託回】、いかがでしたでしょうか!

天界通販のふわふわ純生ロールケーキとフルーツパフェ!

ユリアスからの甘口フルーツワインに油断し、シルヴィアもクラリッサもルミアも全員ほろ酔いでデレデレに!

シルヴィアの「褒めてください、頭を撫でてください」という忠誠心バグ甘え、

クラリッサの「他の女商人になびいたら承知しませんわよ」という本音の独占欲、

そして、第2話の生姜焼きを超えるルミアの究極の「あたま、なでなでしてぇ……♡」!

最小化ボタンの誤操作によって、大聖堂前広場の上空スクリーンと風魔導スピーカーから王都中へ高音質で生中継されてしまい、

夜警騎士も民衆も大騒ぎで広場の【推しボタン水晶】を狂乱連打!

天界と王都の波長が合わさり、一気に【登録者数50万人】を大突破いたしました!

そして降臨した主神アルトから、東部・古代樹海の魔女エレナのもとへ向かう「大巡礼の公式神託」が発令!

これでルミアが大聖堂を離れ、ミナトと共に世界へ旅立つことが確定いたしました!

次回――第48話もどうぞお楽しみに。

第2章新たなる旅路まで、あと3話となります。

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