2話:裏庭の秘密
ドングリに刻まれた文字を見つめ、私は心臓がドキドキと高鳴るのを感じた。
《今夜12時に裏庭へ》
一体誰が、私にこんなメッセージを送ってきたんだろう?
まさか…
…私の…
…《特別な力》…
…に関係すること…?
ルナは、私の足元で、丸くなって眠っていた。
私は、そっとルナをカウンターの上に寝かせると、レオンさんに声をかけた。
「レオンさん、ちょっと裏庭を見てきます。」
「裏庭? こんな時間にどうしたんだい?」
レオンさんは、不思議そうに尋ねた。
「えっと…ちょっと、気になることがあって…。」
私は、ドングリのメッセージのことを、レオンさんに伝えるべきか迷った。
でも、まだ何もわからない状態で、レオンさんを不安にさせてしまうかもしれない。
「…後で説明します。すぐに戻りますから。」
私は、そう言うと、裏庭へと続く扉を開けた。
夜の猫カフェ「ルナ」の裏庭は、昼間とは全く違う顔を見せていた。
月の光に照らされた庭は、幻想的な雰囲気に包まれ、木々の影が長く伸びて、どこか不気味な印象さえ与える。
私は、少し緊張しながら、庭の奥へと進んでいった。
すると…
庭の奥に…
人影が見えた。
「…誰…?」
私は、警戒しながら、人影に近づいていった。
人影は、背の高い男性だった。
黒いコートを着て、帽子を深くかぶっている。
顔は、帽子の影に隠れて、よく見えない。
「…あなたは…?」
私は、男性に尋ねた。
男性は、ゆっくりと帽子を取った。
その顔は…
…驚くほど…
…若かった…。
「…初めまして…エリア…。」
男性は、優しい声で、私の名前を呼んだ。
「…あなたは…?」
私は、男性に、もう一度尋ねた。
男性は、静かに微笑むと、答えた。
「…僕は…《調律者》…。」




