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勇者とメイドさん その89

朧気な想い。

「メイドさんもこれ使お」


「アイマスクですか?」


「とりあえず着ける」


「……これは」


「市販の蒸気でどうのこうのするアイマスク。二枚入りだったからメイドさんもね」



 前々から気になってたから買ってみた。二枚で税込二百六十円。普段使いは無理だけど、たまにならよさそう。


「とりあえず楽にして二十分休めう」


「しかし、まだ諸々が残っているので」


「逃がさん(ガッ」


「にゅう(びたん」



 メイドさんが立ち上がって逃げようとしたから、とりあえず脚にしがみついてうつぶせに引き倒す。そしてそのままのしかかる。メイドさんの感触は鉄板の箇所だけ硬い、なんだこれ。


「ご主人様は嫌い?」


「そうではありませんが、まだタスクが残っているので」


「けどこうして乗っかってれば動けないよね」


「動けませんね」


「じゃあ仕方ないね」

 


 そのまま二十分過ごした。


「だいぶ効きますねこれ」


「鉄板とのコントラストのせいで、全体的に筋肉質で硬いはずのメイドさんの感触がえっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ過ぎて、それどころじゃなかった」


「……脱ぎます?」


「やめて! お淑やかな子が好きだから、今のままでい……て?」


「どうかしましたか?」


「い、いやぁ? なんでもないよ?」


「では私は持ち場に戻りますね」



 ……今何を考えていたんだろう。わからない、なにこれ。




 その日の夕飯は水炊きだった。

約三ヶ月にして少し進展。

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