勇者とメイドさん その70
エサをやらないでください!
「とまあ、野生の動物にエサを与えるのはいけません」
「人里に降りてくるようになると面倒だしね」
「そういう輩を見かけると、バラバラにしてお前をエサにしてやろうか、という考えで頭いっぱいになります」
「メイドさんそんなキャラだっけ」
「密林の奥深くに撒いておきたいですね」
犬やら猫やら猿やら鳥やら見境なく後のことを考えずに、エサを与えては放置していく人がいますから。元凶から断ち切るしかないので、そういった人をまとめて隔離してほしいものですね。
「老人とかが寂しいからってハトにエサ撒いてるの見ると、無性に絞め殺したくなるのがいけませんね。老害とはよく言ったものです」
「あたり強くない?」
「ええ、この際だからはっきり言います。私は老人が嫌いです。と同時にうるさい子供も嫌いです。特に近所の赤子の夜泣きとか、本当に苛立ちます。窓くらい閉めろっていう話です」
「メイドさん黒いの漏れだしてる」
私自身歩んできた道、そしてこの先に待ち受けていることは理解していますが、どうにも我慢なりませんね。本格的に老け始める前に、五十代後半くらいでこの世を去るのもありかもしれませんね。
「みんな他人に優しくだとか、差別はいけないだとか言われています。それが良い事なのは頭では理解していますが、受け入れられるかはまた別の話です。私は無理でした。言語が不自由で聞く耳を持たず、対応も割とおかしい。恐らく障がい者を見かけましたが、絶対ああいうのダメだなって感じましたから。 話が通じるだけ、身体的な障がい者なら問題ないのですが」
「さすがに勇者だからそれにはノーコメントで」
「賢明ですね」
福祉の現場に携わる人が、ストレスから要介護者に声を荒らげてしまうのに、似たような感覚かもしれませんね。
今年も二十四時間テレビの季節。




