勇者とメイドさん その64
汗。
「帰ってきたと思ったら、今回は汗ぐっしょりじゃん」
「走りました……。炎天下のタイムセールに」
「とりあえず戦利品は回収するから、シャワー浴びてきて」
「はい」
私はまだ二十代なりたてなので、多少の無理は大丈夫だろうと走りました。基本的に余裕のあるタイムスケジュールを組むようにしていますが、予期せぬ事態に見舞われた結果、こうなったりならなかったりします。
「にしても汗かきすぎじゃない?」
「ですかね」
「どこにその水分蓄えてるのか心底疑問」
「人より代謝がいいのかもしれません」
シャワーから出てきた私を待っていたのは、ご主人様の疑問でした。なんとなく自覚はありましたが、これは異常なレベルかもしれません。ご主人様がじとーっと見つめてきます。
「なんでロングスカートの裾から水分滴らせられるの? 雨にでも当たらなきゃ、簡単にそうはならないだろうに」
「出ていく分を定期で水分補給しながら、動いてたからかもしれません」
「普通胃に貯まって走れなくなるでしょ。そのまま出していくとか無理するねえ」
「まあこれでも従者ですから」
若いうちはある程度の無理を押し通しても問題ないので、やれるだけやった結果です。代謝で説明しきれるかはまた別ですが。
零すとベタつくので、スポーツドリンク持ち歩くの嫌なんですけどね。
イオンウォーターがすき。




