64/380
勇者とメイドさん その60
輪ゴムてっぽう。
「メイドさんは指で輪ゴム銃できる?」
「指ですか?」
「こう、爪に引っ掛けて出来るんだけど、どうも自分の方向に暴発しかしないから……」
「やり方が間違っている可能性は」
「他の人は前に飛んでるけどね?」
ご主人様の変なところで不器用なのが、割と影響してそうですね。
「メイドさんもやってみてよ。自分の方飛んでくるから」
「そんな訳…………ありましたね」
「飛ばせたと思えば、明後日の方向に飛んでくし」
「どうしようもないですね」
人のこと言えないくらい不器用でした。
「ただ出来たとして、ご主人様だと凶器にもなりうるので、習得する必要はないのでは」
「いや、真っ直ぐ飛ばない凶器の方が危ないし……」
「言われてみれば」
凶器を狙った方向に飛ばす練習……。
「もう割り箸で銃作った方が早いですね」
「作れるの?」
「ええまあ」
「作って!」
ご主人様が輪ゴムを凶器にすることはなくなりました。
小指の爪にかけて親指で回って人差し指にかかるやつ。




