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勇者とメイドさん その57

そういやこんな人もいた。

「ん? あれは……」


「ご主人様、どうかされました?」


「ああ、いや。ちょっと面白いもの見つけただけ。見てくるから先に帰ってて」


「はあ」



 疑問符を浮かべるメイドさんを先に帰しつつ、見つけた女の子に声をかける。振り返ったその顔はギョッとしたような反応だ。


「あなたはこの間、剣聖息子を追って家に押しかけてきた、その内の一人であってるよね?」


「はい、その節は大変ご迷惑をおかけしました」


「いや、終わったことだからいいよ」


「そう言ってもらえると助かります。私に声をかけられたので、何かあったのかと」


「いや何もないよ? 強いて言うなら、あるのは興味かな」



 そう、あの四人の中でこの子にだけ興味はある。なんとなく一般基準で手練の匂いがしているが……。


「興味ですか?」


「うん。加減したけど勇者の威圧を受けて、なお一人動いたからね。あれは一般人が受けると、恐怖で動けなくなるくらいにはなるから。事実他の三人は固まってたでしょ?」


「あ」


「まああの場で咄嗟に動いたのは、家の敷地に不法侵入した身としては正解だったよ。けど正体を隠すって意味では、不正解だったね」


「……」


「大丈夫。何者であろうと取って食いやしないし、まして突き出すようなこともしないから。今回はその反応が見れただけで十分。あなたが普通の人ではないのを確信出来たからね」


「あ、あの……」


「また見かけたら声かけるから、その時はまともな返事くらいはちょうだいね」



 最後に何か言いたそうだったが、口から出てこないみたいだ。今はまともな情報は得られないだろうから、一旦出直す。次の機会に期待しよう。




 その日の夕飯はハヤシライスだった。

重い展開にはならないので(念押し)

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