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メイドレポートの行方

反応やいかに。

「なんというかあやつの文面だと淡白すぎて、勇者本人の機嫌や感情が感じ取れなかったが……そうか、あれが与えた給仕に入れ込むとは」


「魔王を倒す激動の日々、それを乗り越えた先で、極限まで擦り切れた心を共に生活することで、癒してもらった結果ではないですかね」


「現地に行ったわけでも、魔王に対峙した訳でもない。あれの辛さはわからんが、かなりやられていたのだろう。パーティメンバーも家族というよりは仲間だ。如何にして魔王を倒すかというための、そこに安らぎは無いだろう」


「辛い戦いの日々から解放され、家族とも言うべき相手に巡り会えたのでしょうね」



 メイドさんレポートの行方、そう。城の王様の元である。

 王様に返事を返すはいつぞやの聖女様。訳あって訪れているところに、ちょうどレポートが届いたらしい。


「そして、だ。勇者がここまで入れ込む存在となれば、付けた給仕に危害を加えない限りは、他の国の下に移ることはないだろう。だが逆に何かしらあれば、それこそタダでは済まないはず」


「あとこの文面を見る限り、そのメイドさんに『何かある』それだけで国土の一部が地図から消える訳ですから、もし事故だとしても、死んでしまった場合は…………」


「そんなことがあれば、間違いなくこの国が滅ぶだろう。勇者としての強さは有用ではあるが、繋ぎ止めると同時に厄介な爆弾を抱えることになったな」



 このくらいの考えが普通だろう。メイドさんの命を奪われたとすれば、勇者が国のみならず、この世界ごと滅ぼすことを考えているなど夢にも思うまい。


「このレポートには怒気を含んでいるようには見えないが、……別件で来たところ悪いが、この二人の様子を見てきてはくれぬか。こう見えて忙しい身でね」


「それは構いませんが、先日伺った様子では心配の余地などない程に、平和そのものでしたが」


「念には念を、だ」


「まあいいですけど」



 王様も直に見ればわかるはず。イレギュラーな事態さえ起きない限りは、勇者の自宅は平和そのものだと。

(フラグではない)


「ところで、この書かれている剣聖の息子について、何か知ってはおらぬか」


「つい最近四人の同い年くらいと見られる女性に、どこかへ連行されているのを見かけました。努力家で純真そうな少年であっただけに、何があったのかはわかりません」


「連行って……将来有望であるだけに、こちらの行く末も心配ではあるな……」




 四人にドナドナされていった剣聖の息子は……。

そりゃ重要でない紙を紛失した程度で王様は怒らないよね。

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