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勇者とメイドさん その45

パンジャンドラムの実験は成功しなかったとか。

(wiki調べ)

「今日は絶好のパンジャン調整日和だ」


「晴れてる日には毎回そう言いますよね」


「いいじゃん、事実だし。集中したいから戻ってていいよ」


「では必要になったらお呼びください」



 今日は晴れたので、前に作って別の場所に保管しておいた、未完成のパンジャンを庭まで持ち出してきた。せめて真っ直ぐ動くまでは調整したいところ。メイドさんを先に返してから、パンジャンの調整に取り掛かる。


「まあこんなものかな?」



 自作のパンジャンは車輪の形状や大きさ、使うエンジンが素人が選んだものだけに、安定して真っ直ぐ走らない。しかし今回は、車輪に重りを取り付けて重心の調整と、動かしながら粘土で追加の肉付けもしてみた。エンジンの方は後日ということで、早速ゆっくり走らせてみよう。



 ってところに


「すみません! 勇者様! 助けてください!」


 という声と共に子供が俺目掛けて飛び込んできた。あっ、こいつパンジャンの仮部品壊しやがった。しかも人の家に無断で乗り込んでくるとかどうかしてるが、助けを求めているようだし勇者である以上は、逃げきたこの子供を敵から助けなければ。命からがら逃げてきた子供が私物とはいえ、偶然物を壊してしまったことを叱るのも気が引け……これ剣聖の息子じゃん。ちょっとやそっとじゃ負けないはず。一体どんな強大な敵が……。


「申し訳ありませんが助けてください! そこにいるだけでいいんで!」


 逃げてきた割には、ここに勇者が突っ立っているだけで、敵がどうにかなるという。一体どんな輩が来ているのか。と、そこに現れたのは、血眼でなだれ込んできた四人の女の子。こいつ……厄介事の処理を押し付けるために逃げ込んできたな。命の危機を心配して損したわ。向こうもこいつを追っかけてたようだし、パンジャンも壊しやがったし、いらないから持って帰ってもらうか。まず威圧。


「あ、あの、すみません勇者様、勇者様のお宅に無断で踏み込んでしまったことは謝罪いたします。申し訳ございませんでした。お詫びと言ってはなんですが、その腰についているお方を回収させていただきませんでしょうか。勇者様の行動を阻害し、かつ勇者様の所有物を破壊している模様。勇者様には必要ないと考えられるため、よろしければこちらで引き取らせて頂きます」


 威圧を受けている四人の中から、一人の女の子が進み出てきた。謝罪とパンジャンの破壊まで瞬時に把握している模様。それを踏まえて謝罪に絡めて、自然に回収を提案してる。こいつはできるな。お互いの利害も一致している。気づけば頭で結論を出す前に、剣聖の息子を女の子にポイしていた。女の子ナイスキャッチ!


「待ってください! 勇者さ……」


 喋ることすら心底面倒くさそうな表情を作りながら、瞬時にこの場を去るよう促す看板を用意する。


「勇者様に対してのこのような蛮行、寛大な心で許してくださったこと決して忘れません! みんな、早くここから出てくよ!」


 感謝の言葉を口にしてから、威圧されて立ちすくんでいた他の子に声をかけて、剣聖の息子を抱いたまま素早く出ていく。あの子は勇者の威圧にも完全にやられなかったし、今度見かけたら声をかけてみるのもいいかも。何か収穫がありそうだ。


 それよかパンジャンは調整し直しか……。あれ以上面倒になってもゴメンだからさっさと返したけど、手伝わせた方がよかったかな?




 その日の夕飯はラーメンだった。

嵐のようにドナドナされていった準レギュラー。

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